【開催レポート】トークイベント 障害者スポーツ×プロボノ
東京2020大会に向けて、そしてその先へ
〜新たな手法による団体基盤強化のチャレンジ〜

2018年3月2日(金)に、トークイベント「障害者スポーツ×プロボノ」東京2020大会に向けて、そしてその先へ〜新たな手法による団体基盤強化のチャレンジ〜を、丸の内にて開催しました。

第1部では、2017年度からスタートした障害者スポーツ団体に対するプロボノの取組みについてご紹介しました。実際に参加した障害者スポーツ団体とプロボノワーカーの皆様に登壇いただき、それぞれの立場からプログラムを振り返っていただきました。
第2部では、元サッカー日本代表で、現在は日本障がい者サッカー連盟会長としてもご活躍中の北澤豪さんをゲストに迎え、障害者スポーツの普及や発展に向けたヒントについて考えるパネルトークを実施しました。

関係者含め100名近い方にご参加いただき、様々な体験談や知見が次々に出てきたトークイベントの様子をお届けします。

当日の内容は以下の通りです。

■オープニング
■第1部 事例紹介
 ▼事例1:東京都身体障害者アーチェリー協会 [ウェブサイト制作]
 ▼事例2:東京ボッチャ協会 [ウェブサイト制作] 
 ▼事例3:東京都ゴールボール連絡協議会 [業務フロー設計]
■第2部 トークライブ(1) 北澤 豪さんとのトーク
■第2部 トークライブ(2) 会場からの質問への回答


※下線のついているタイトルをクリックすると該当記事に移動します。

第1部 事例紹介

今年度実施した、障害者スポーツ団体に対するプロボノプロジェクトについて事例紹介をしました。

司会:認定NPO法人サービスグラント 代表理事 嵯峨 生馬

■事例1:東京都身体障害者アーチェリー協会 [ウェブサイト制作]

新たな団体公式ウェブサイトを制作しました。制作にあたっては、協会の活動を外部にわかりやすく発信することで、競技に関心を持ってアクセスしてきた人を、大会出場や観戦、ボランティア参画といった具体的なアクションに導くことができるものを目指しました。

【登壇者】
●障害者スポーツ団体:東京都身体障害者アーチェリー協会 理事長 神谷 千恵子さん

41歳の時にアーチェリーに出会い、2008年北京パラリンピックに初出場。見事銀メダルを獲得。現在、協会理事長として団体運営を行いながら、競技者としても東京2020大会出場を目指してトレーニングを重ねていらっしゃいます。

●プロボノワーカー:中村 直代さん
本プロジェクトのプロジェクトマネージャー。普段は広告代理店で企業等のマーケティング支援などに携る。


【トーク内容】
司会:アーチェリーは健常者と障害者が同じルールで取り組む競技ですが、競技団体の運営において規模や財政面などに違いはありますか?

神谷さん:東京には、健常者を総括する東京都アーチェリー協会と、私が理事をしている東京都身体障害者アーチェリー協会(以下、東身ア協)の2つがあります。東京都アーチェリー協会は1000人を超える会員が所属しているのに対し、東身ア協は、ここ数年会員数が増えてはいますがそれでも50人弱です。また、それぞれの団体が助成金を使いながら活動をしていますが、その金額にも差があり、東身ア協の方が少ないというのが現状です。

司会:なぜ、今回のプロジェクトを通じて、公式ウェブサイトのリニューアルに取り組んだのでしょうか?

神谷さん:障害の有無に関わらずアーチェリーをやる人の多くが、インターネットを利用しています。私自身も競技を始めたころから、いろいろなことをインターネットで調べてきました。しかし、これまでの東身ア協のホームページは、全く更新がされておらず、さらには作成してくれた方自身もパスワードが分からなくなってしまい、ここ10年近くは削除することもできない状態でしたので、新たなホームページ制作をお願いしました。


司会:出来上がったホームページは、いかがですか?

神谷さん:皆さん、きれいだと思いませんか?
トップページには、去年9月に初めて東京で行われた「全国身体障害者アーチェリー選手権」の写真が使われています。ちょうど、このプロジェクトをスタートしたころに開催されたのですが、大会があるとお伝えしたら、チームメンバーのうち4名の方が、会場まで来て撮ってくださったのです。
皆さんが「アーチェリーがとても美しいと思いました」「青い空の下で、緑の芝生で、的があって、立っている人も椅子の人も車椅子の人も、みんな美しいです」と仰っていただいて、とても嬉しくなりました。

司会:プロボノワーカーの中村さんにもお話しを伺いたいのですが、普段のお仕事の内容やプロボノを始めようと思ったきっかけなどを教えてください。

中村さん:普段は広告代理店で、クライアント企業様のマーケティング支援を行っています。その中で、ブランドサイトやウェブサイトを扱う機会も数多くありました。今回このプロジェクトを通じて、本業では当たり前のようにやっている自分のスキルを活かして、皆様のお役に立てるという経験ができたことは、とてもよい経験をさせていただいたと感じています。
「世の中を良くしていきたい」という気持ちは皆様もお持ちだと思いますが、それには普段の仕事を通じてかなえていく部分以外に、一個人として関わっていくというのもあるのではと思い、今回参加させていただきました。

司会:今、本業では当たり前のようにやっているとおっしゃられましたが、今回のこのホームページを作るにあたって、工夫されたことや苦労されたことはありましたか。

中村さん:実際にページを作成してくださったデザイナーさんをはじめ、チームメンバーの皆さんがとても細やかな対応をしてくださり、本当に助けられたと思っています。
ぜひ見ていただきたいのが、ホームページの最初の画面に出ている東京都身体障害者アーチェリー協会のロゴです。当初は予定に無かったのですが、ロゴを作ったことで、名刺やユニフォームに入れていただくなど、実際に活用していける資産も作ることができたということが、すごく良かったと思っています。

司会:ロゴまで作ったというのは、チームの皆さんたちのモチベーションが高かったわけですね。

中村さん:そうですね。プロジェクトを進めている中で、やはりロゴが必要だという話になりました。そこで、いくつかの案の中から協会の皆様に選んでいただき、さらにご意見を伺いながら最終的なロゴマークを形作っていきました。

司会:日頃の仕事もお忙しいと思いますが、プロボノに参加されるにあたり、何が中村さんを突き動かし、頑張ろうという気持ちにさせたのでしょうか。

中村さん:「自分の時間を使って人の役に立ちたい」という気持ちは、会場にお越しの皆様もお持ちだと思います。ですので、何かが突き動かすというよりは、自然な気持ちでした。
また、打ち合わせなどで皆さんにお会いして話をしていく中で「そうすることが当然だな」という気持ちになりましたし、チームメンバー全員が同じ気持ちで参加させていただいていました。

司会:こういったチームメンバーのサポートを受けて、神谷さんご自身、あるいは他の協会の皆さんも含めて、どのような感想をお持ちですか。

神谷さん:私自身、イメージしていたものより遥かに良いものが出来上がって、本当に感動しました。
定期的に更新してアクセス数を増やすことで、検索上位に表示されるとお聞きしたので、最近はいろいろな人に声をかけて、「お願い、このページを開いて」と言っています。今日お越しの皆さんも、ぜひアクセスしてください。(会場笑い)

司会:ぜひ、皆さんアクセスしてください。中村さんも、このプロジェクトに参加された感想を教えていただけますでしょうか。

中村さん:先ほどもお話ししたように、普段の仕事で自分が当たり前のようにやっていることが、こういった形で喜んでいただけることになるというのも発見でした。また、アーチェリーをされている方々の競技に懸ける想いを知る機会があったり、神谷さんが獲得されたパラリンピックのメダルを掛けさせてもらってみんなで写真を撮ったり、そういった経験の一つ一つが今回参加しないとできなかったことだと思います。本当によい経験になりました。

司会:最後に、神谷さんへの質問です。2020年が近づいていますが、神谷さんご自身の目標、あるいは協会の理事長としてのこれからの目標、展望などお聞かせください。

神谷さん:協会の理事長としては、東京から日本代表の選手を一人でも多く出したいと思っています。そして、パラリンピックに多くの人に足を運んでいただき、会場で応援していただきたいと思っています。
また、できればその会場に、私も選手として立って、的を狙いたいと思っています。


■事例2:東京ボッチャ協会 [ウェブサイト制作]

団体公式ウェブサイトを制作しました。制作にあたっては、協会の活動を外部にわかりやすく発信することで、競技に関心を持ってアクセスしてきた人や選手を、次のアクションに導くことができるものを目指しました。

【登壇者】
●障害者スポーツ団体:東京ボッチャ協会 競技局長 佐藤 敏英さん

お子さんがボッチャを始めたことをきっかけに、ボッチャと出会いました。現在はボッチャチームNoble Wings代表や、東京ボッチャ協会の理事など、団体の運営にも携わっていらっしゃいます。お子さんは、東京2020大会出場を目指して活躍している佐藤駿選手。佐藤さんご自身は、企業にお勤めでいらっしゃいます。

●プロボノワーカー:平山 穰一郎さん
本プロジェクトのプロジェクトマネージャー。普段は人材企業で管理業務などに携わる。

【トーク内容】
司会:東京ボッチャ協会の運営の状況について教えていただけますでしょうか。

佐藤さん:私が東京ボッチャ協会に入ったのは4年前です。入ってみると協会の運営が保守的な体制で発展しにくい環境や資金面などいろいろな問題があり、なかなか団体として大きくなっていけない状態でした。

司会:プロボノは外部の人が団体に入り、一緒に解決をしていくことになりますが、内部の方からの意見はありましたか。

佐藤さん:以前から役員の中では、ホームページを作りたいと話しておりましたが、どこから手を付けていいのかわからない状態でした。今回こういったお話を頂戴し「ぜひお願いしたい」ということになりました。

司会:なぜホームページを作りたいと思われていたのでしょうか。

佐藤さん:1つの目的は外部への周知、もう1つは選手の士気を高めるためです。所属団体のホームページがないのは寂しいですし、選手たちがせっかく大会に参加しているので、成績や写真を掲載することで、選手がやる気になってくれるかなと思っていました。

司会:プロボノワーカーの平山さんの普段のお仕事や、プロボノを始めようと思ったきっかけなどを教えてください。

平山さん:私は今人材系の会社で、ウェブや映像のクリエイターの方の管理系の業務に就いています。私自身がかつてはウェブのディレクターだったのですが、今、もの作りが自分の手から離れているため、様々な方々と一緒にもの作りに携われるということでプロボノに参加しました。

司会:プロジェクトでは、こちらのホームページが出来上がりました。制作にあたり、特に心掛けた点などはありましたか。

平山さん: ボッチャというスポーツや協会自体を紹介するというのはもちろんですが、ボッチャをしているその選手の方々にもスポットを当てることを一番強く意識しました。実際に選手の方々にヒアリングやリサーチをした結果、自分たちの頑張りや成績などを発信したいという思いを強く感じたので、選手の方々にスポットを当て、選手の声や練習活動の風景などを多く載せるようにしました。

司会:プロジェクトを通じて、平山さんご自身何かお感じになったことや印象に残ったことなどあれば教えてください。

平山さん: ボッチャというスポーツは知っていましたが、体験会で初めてやってみて、一番驚いたのは障害を持たれた方はもちろん、高齢者の方やお子様も一緒にボッチャを楽しんでいたことです。障害のある無しに関わらず、スポーツを楽しめる場があるというのが、非常に印象的でした。こういった場が広がっていって欲しいと感じました。

司会:出来上がったホームページをご覧になった感想、また具体的な効果はありましたか。

佐藤さん: きれいな写真を使っていただき、構成も素晴らしく、私でも更新ができるというのが何よりもよいと思いました。簡単に更新できるようにと考えていただいて、メンバーも増やしながら少しずつ更新するようにしていきたいと思っています。また、外部からの問い合わせシステムを作っていただいた結果、月に2-3件は、「お手伝いしたいです」「審判やりたいです」「団体に加入するにはどうしたらよいですか」などのお問い合わせが来ています。

司会:そういったお問い合わせが来ると手ごたえを感じますね。

佐藤さん:そうですね、ありがたいですね。

司会: 最後に、東京ボッチャ協会としての目指していらっしゃる姿や目標などありましたら、お聞かせください。

佐藤さん: 東京からパラリンピックに出場した選手は現在一人しかいません。それも北京パラリンピックですので、しばらく空いています。新しい世代も入ってきていますし、東京には本当に良い選手がいますので、東京2020大会に向けて、できれば東京からパラリンピックに出場できる選手を育成したいということと、東京2020大会が終わって以降、選手の活躍、活動の場などを拡充していきたいと思っています。

■事例3:東京都ゴールボール連絡協議会 [業務フロー設計]

プロジェクトでは、業務効率提案を行いました。協議会内での事務作業を整理し、担当者へ効率よく情報が届くためのフォーマットや大会や講習会の申込みフォームを作成しました。

【登壇者】
●障害者スポーツ団体:東京都ゴールボール連絡協議会 理事 高田 朋枝さん

2008年北京パラリンピックのゴールボール日本代表として活躍されたのち、ゴールボール視察を目的に、単身で欧米10ヵ国を回るなど、ゴールボールの普及活動を精力的に行われました。現在は選手として復帰し、東京2020大会の日本代表を目指していらっしゃいます。

●プロボノワーカー:塚原 宏樹さん
本プロジェクトのプロジェクトマネージャー。普段は製薬会社で、取引先に関するガバナンスに関連する仕事に携わる。

【トーク内容】
司会:東京都ゴールボール連絡協議会がどのようなことを目的に活動している団体かご紹介ください。

高田さん:都内でゴールボールに関心のある方々が、ゴールボールに出会えるような活動をしています。例えば、未経験者でも参加できる練習会や、交流大会という初心者・未経験者が気軽に参加できる大会を運営しています。ゴールボールはパラリンピックの公式種目ですが、目隠しをすれば誰でも楽しめるスポーツなので、障害者スポーツという括りで括らずに、ひとつのスポーツとして、広めていきたいという思いをベースに活動しています。

司会:プロボノを活用してみようと思われた、きっかけや動機についてお聞かせください。

高田さん:協議会の理事のメンバーは、組織運営などに普段の仕事で関わっていない人が多いです。その中で、私たちなりに工夫をして運営をしていますが、とても面倒なことをしている部分があるのではないか?という思いがありました。そういった中、このような支援があるのならば、実際に仕事で組織運営や事務をしている方からアドバイスをいただいて、できる限り効率化したいと思いました。私が現役選手なので、できる限り作業は減らしたいという気持ちもあったので、応募させていただきました。

司会:事務作業の中で、特にこの部分を解決していきたいという、具体的な課題はどういったところだったのでしょうか。

高田さん:私の中では課題がたくさんあると思っていたのですが、どこをどのように効率化できるかはわかりませんでした。そこを、プロボノの皆さんにご相談しながら、ご提案いただきました。私自身が課題を意識していたというよりも、私がモヤモヤしているところを、皆さんにクリアにしてもらえたという感じがあります。

司会:プロボノワーカーの塚原さんにお聞きします。普段のお仕事の内容やプロボノを始めようと思ったきっかけなどを教えてください。

塚原さん:私は製薬会社で、取引先に関するガバナンスの仕事をしております。これまでサービスグラントのプロボノワーカーとして3団体の支援に参加したことがあり、楽しさは知っておりましたので、今回、更にスポーツという広がりもあるということで、迷いなく応募させてもらいました。

司会:プロジェクトの中で、どのような課題を解決されたのですか。

塚原さん:協議会の方それぞれの頭の中に、属人的に入っていることをまず標準化して、効率化できないか、というのが課題でした。関係者の方にヒアリングして、一旦、実施されている業務を集約し、その集約した業務の中で共通している要素を洗い出して標準化、その後に、ウェブを使うとか、簡単なフォーマットを使うなどして効率化を図りました。高田さんとコミュニケーションを取り、関係者にヒアリングし、集約し、標準化し、効率化する。このステップで進めました。

司会:団体の持つ業務とは具体的にどのような業務のことですか。

高田さん:練習会や交流大会の運営にあたっての受付、メール配信、物品購入などの細かな業務です。

司会:会員や選手の方々への連絡なども高田さんが担当されていらっしゃるのでしょうか。

高田さん:そうですね。基本的には私がやっていますし、他の理事と分担もしていますが、一人か二人という人数でやっています。

司会:具体的な成果物の内容を、塚原さんからご紹介いただけますか。

塚原さん:例えば、交流大会というイベントであれば、多くの準備項目があり、大会のだいぶ前からやるべきことがあります。それらが理事の方々の頭の中に入っていて、皆さんがシェアできる状態になっていませんでした。そこで、それらをチェックリストとしてまとめることで、高田さんのようなリーダーが、今この準備項目がどういう状態になっているのかというのを一目で確認できるようにしました。
また、練習会について、協議会のホームページに申込みフォーマットを用意しました。これにより、これまでは個別にメールでやりとりしていたものが、自動返信や名簿の自動生成などの機能を使うことで効率化することができました。

司会:チェックリストやフォーマットを使うことで、対応忘れも防ぐことができますね。

高田さん:そうです。今までは申込みがあってから、多くの人を介して担当者へメールが届くという遠回りをしていました。効率化したいと思いながらも知識とスキルがなく出来ずにいましたが、今回フォーマットを作っていただいたことで改善されました。

司会:塚原さんは、このような業務を丹念に可視化していったのですか。

塚原さん:もちろん私もしましたが、チームのメンバーが中心に作業をしてくれました。メンバーが「こうしたら良いんじゃないか」というアイディアを出してくれるので、私はそれを取りまとめて高田さんに提案していきました。メンバーのおかげというところが大きいですね。

司会:団体とのやり取りを通じて、ゴールボールという競技、また高田さんの人となりにも触れることが多いかと思いますが、印象に残っていることはありますか。

塚原さん:そうですね、高田さんはやはりアスリートなんです。オーラがあって、すごく頭のよい方で、コミュニケーションがスムーズで、でもアスリートなので真剣に締めるところは締めるというところがあるので、その雰囲気に感化されて自分も背筋が伸びるというところはありましたね。

司会:出来上がった成果物を、高田さんご自身、団体内部の皆さんはどのようにお感じになっていらっしゃいますか。

高田さん:私が感じているのは、やれたらよいなと思っていたアイディアや、こういったものがあればと思っていたものを形にしていただけたということです。運用に関してはテストしていきますが、実際にどれぐらい効率化されるか、ワクワクしながらやっていきたいと思います。団体内の中では、「これは楽だね」「よいね」「今まで思いもつかなかった」といった反応があります。

司会:高田さん、このプロボノチームの皆さんと出会う前と後とで、競技について、あるいは団体運営について意識が変わったなど、ご自身の中で何か変化はありましたでしょうか。

高田さん:当団体の理事だけで話していると、企業の方の目線はありません。企業では組織を回していくための常識やルール、当たり前とされていることがあり、それが競技団体の組織運営においてもプラスになるというのを実感して、刺激になりましたし、こういう経験や知識を共有していただくことでより良い運営ができるというのをすごく感じました。

司会:最後の質問になりますが、2020大会に向けて、協議会としての目標、また、高田さんご自身の目標などがありましたら、ご紹介ください。

高田さん:協議会の目標としては、「パラリンピックのスポーツです」と打ち立てるというよりも、ゴールボールというひとつのスポーツとして広めていきたいと考えています。パラリンピックをきっかけに関心を持った人たちが、協議会を通してゴールボールにアクセスした際に適切に情報や機会を提供することで、その関心、興味を潰さないようにできるような団体でいたいと思っています。
それにあたって、今ゴールボールに関わってくれている人たちにはどのようなニーズがあるかを聞いていこうというお話が、プロボノチームの方から延長戦として出てきました。

塚原さん:僕たちがヒアリングで集約した意見としては、今、協議会としては上手くいっているけれど、もっと関わってくれている人たちに何かできるのではないか、協議会の将来の姿がもう一歩進化できるのではないかというものでした。そこで、プロボノ延長戦ということで、協議会の今後の在り方を考えていきましょうということを、関係者にお聞きするようなワークショップを行う予定になっています。

司会:プロジェクトが終了しても延長戦があるという、継続的な関係性ということですね。

第2部 トークライブ(1) 北澤 豪さんとのトーク

障がい者サッカーを通じ、共生社会の実現に向けて活動する北澤豪さんに、障害者スポーツの魅力や今後の発展に向けた課題などをお伺いしました。

【登壇者】
●サッカー元日本代表/日本サッカー協会理事/日本障がい者サッカー連盟会長 北澤 豪さん


司会:認定NPO法人サービスグラント 代表理事 嵯峨生馬

【トークの概要】
サッカーを中心に障害者スポーツの分野に長年に渡って関わり、現在は日本障がい者サッカー連盟会長としてもご活躍されている経験を踏まえ、ご自身の取り組みや活動にかける想いについてお話しいただきました。
また、東京2020大会以降も競技団体は持続的に発展していかなければならず、今以上に運営能力を向上する必要があること。そして、そのためには多様な人材が積極的に関わることが重要であり、プロボノが果たす役割に大きな期待を寄せているとのコメントもいただきました。

第2部 トークライブ(2) 会場からの質問への回答

第2部の後半は、第1部の登壇者も加わり、会場の皆様から寄せられたご質問について、質疑応答の時間を設けました。

【トーク内容】
司会:ゴールボールの高田さんから、ボッチャ協会の佐藤さんに「どのような情報をホームページに掲載していますか?」という質問です。また、同じく高田さんからアーチェリーの神谷さんに「ホームページの管理運営はどのように行っていますか?」という質問です。

佐藤さん:都内だけでなく近隣の埼玉なども含めた大会情報や、日本ボッチャ協会の大会の情報を提供しています。他にも、東京ボッチャ協会に所属する選手の情報や、体験会やイベントがあればその内容などを載せるようにしています。

神谷さん:東身ア協のホームページの管理や更新は、今は私が一手に引き受けております。なので皆さん、ぜひクリックしてください。(会場笑い)

北澤さん:神谷さんは選手もやられていて大変ですよね。協力体制、人材が増えれば、もっとよい成績が出せるかもしれませんね。

神谷さん:本当にそう思います。

司会:次の質問です。東京都ゴールボール連絡協議会の高田さんと東京ボッチャ協会の佐藤さんに対してですが、他にプロボノを活用して改善したいことがあれば教えてください。

高田さん:先ほどお話ししたように、関係者から意見を聞いて、協議会がどの方向に進んでいけば、よりよい関係や社会貢献に繋がるかというのを洗い出したいと思っています。その後は、例えばホームページも充実させたいです。ボッチャさんが審判などに関心のある方がアクセスしているとお話されていたのを聞いて、ゴールボールにも必要だと思いました。

佐藤さん:ゴールボールさんのように、プロボノ支援での業務の効率化という方法があるということを今日知りました。今後やっていくうちに、いろいろな課題が出てくるのではないかなと思いますが、今はひとまず団体内の運営を一生懸命やりたいと思っています。

司会:では、次の質問です。東京都ゴールボール連絡協議会の高田さんと東身ア協の神谷さん、東京2020大会終了後にレガシーを残すために、何をしようとお考えですか。

高田さん:ひとつのスポーツとしてゴールボールに関心を持った人、ゴールボールを初めて知った人が、ちょっと調べればアクセスできる情報や、気軽に参加できる体験会などの機会を提供できるとよいと思っています。ゴールボールが、パラリンピック競技ではなく、ひとつのスポーツであると思われることが、私はレガシーだと思います。そこから、多様性の理解などが進むのではと思っています。

神谷さん:アーチェリーは、「障害」スポーツでもありますけれども、「生涯」スポーツでもあります。健常の方でも、障害のある方でも、80歳過ぎても中学生でも、同じ試合に出て競い合える、多くの人が同一の試合にエントリーして戦えるというのが、素晴らしいと思っています。パラリンピックはそもそもアーチェリー競技会からスタートしたということもありますので、アーチェリーでパラリンピックを目指したいという強い気持ちを持って、夢に取り組む選手を一人でも多く増やしたいです。

司会:北澤さん、このレガシーについていかがですか。

北澤さん:今のお話は、僕もそう思います。高齢になっていくと、歩けなくなるかもしれない。もしかしたら明日事故に遭って片足が無くなるかもしれない。だけど、障がい者サッカーに出会って、そうなったとしても僕にはサッカーができる場があると思えたのは、すごく励みになっています。死ぬまでサッカーができる環境が、今ここにでき始めたので、それが残されていくことがすごく大事だと思いますね。あと、年齢関係なしに世代を超えてやれるのが、一番楽しいスポーツだと思うので、混ざり合うとか、共生社会などということが、ゴールの方向かなと感じます。

司会:プロボノワーカーの皆さんに対しての質問です。ホームページなどで、多くの人に見ていただくための工夫などがあったら教えて欲しい。

中村さん:周知のためにホームページをまず作ろうと思ったというお話があったかと思いますが、作るだけでは人は見に来てくれません。興味のある方は来てくれるかもしれないですが、競技をもっと広めていくためには、世の中に広めていく活動もしなければいけないと思います。なので、こういった活動を継続的に行っていくことで、それぞれの競技を世の中に広めていく継続的な活動が、やっとできるようになっていくと思います。また、私たちのように力になりたいという思いを持った人たちが、手を取り合って活動を続けていくということが、重要かなと思います。

司会:プロボノワーカーの方に対して、チーム内の役割分担や進め方など、具体的なイメージをもっと詳しく聞いてみたいという質問をいただいています。

平山さん:東京ボッチャ協会のウェブサイトを作るうえで、私の役割はプロジェクトマネージャーでした。その他、コピーライターやウェブデザイナーなど、全員で8名のチームで実施しました。皆さん本業がある中、ボランティアとして携わっているので、限られた時間でいかに効率よく役割分担をするかを意識しました。最初に調査から入り、設計、制作と進んでいきますが、工程によって誰に負担がかかるかが異なってきますので、その時間調整を工夫しながら取り組みました。

司会:プロボノワーカーの方に対して、団体の皆さんとプロボノワーカーの皆さんの関係性作りのコツはありますか、という質問ですが、いかがでしょうか。

塚原さん:支援を受ける側、支援をする側、という括りではなくなることです。今も、高田さんと同じチームという感覚なので、そこが一番の関係性作りのポイントかと思います。

司会:北澤さん、チームという言葉が出てきましたが?

北澤さん:皆さん、スポーツの世界に関わるなんて考えてました?

塚原さん:なかったですね。

北澤さん:そうですよね。でも今はスポーツの世界の一員、メンバーですよね。日本はスポーツ産業が成熟していないのでスキルを持った人たちが参加してくれないと見てもらう人の数を増やすこともできないし、大会を運営することもできないと思います。ですから我々にとっては本当に有り難い存在です。こういう形が本当のスポーツの世界であり、これこそ理想的なスポーツの在り方だと思います。

司会:競技をしている人たちのみならず、いろいろな市民でスポーツ全体を支えていくということですね。

北澤:そうですね。

司会:そう言っていただいて、非常にうれしいですね。


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