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岡林さん・末松さん・澤坂さん

チームの成果だけでなく、ひとりひとりの充実感を大切にすること。

 

 

澤坂 謙吾さん(ITベンダー)、末松 慎玄さん(サービス業)、岡林 典雄さん(製造業)
プロボノでの役割:マーケッター
参加プロジェクト:チャイルド・リソース・センター 営業資料作成(2014年8月~2015年3月)

 


 

児童虐待や育児放棄によって離れ離れになってしまった親子の再生をめざすNPO法人チャイルド・リソース・センター(CRC)の支援を手がけ、めざましい成果をあげたプロボノチームにインタビューしました。

NPOの活動を理解してもらうための営業資料が不可欠だった

 

CRCは、家族の再統合プログラムを児童施設に提供するという、日本でも他に例のない活動を意欲的に展開されているNPO。しかし、それだけに、その活動内容を理解してもらうのが難しく、行政に対しても十分な説明ができないために、予算確保や会員の確保に支障をきたしているような状況だったといいます。

 

プロジェクトマネージャー(以下、PM)岡林さん:意義ある立派な活動をしているのに、行政にその内容を伝えようとしても、こういった活動に関しては素人の方が多いので、なかなか理解してもらえない。そこで、活動内容の整理から始めヒアリングや資料調査を重ねた結果、CRCさんの業務内容をきちんと伝えて、それ相応の予算がとれるような営業資料をつくろうというゴールが見えてきました。

 

マーケッター(以下、MK)澤坂さん:あとで聞いてみると成果物を提出する以前に、普段NPOのスタッフが接することのない我々のような人間に入ってもらい、それぞれの知見を持ち寄って意見してくれたことがそもそも値打ちがあったということでした。『自分たちのやっていることの棚卸しができた』と仰っていたことがとても印象に残っています。

 

 

予算の確保だけでなく、受託が増え、活動がさらに広がる、うれしい結果に。

 

プロジェクトによる活動内容の「見える化」によって、自分たちの活動に自信が持て、営業資料を活用することで、活動に必要な予算を組んでいただく交渉ができる状況に。CRCが出している会報でもプロボノプロジェクトを紹介いただくなど、その活動を高く評価していただきました。さらに、チームが提供した営業資料がきっかけとなって、NPOに様々な波及効果がもたらされたことが、1年後のミーティングでわかりました。

 

MK澤坂さん:ミーティングではいいことばかりいわれてちょっとくすぐったかったんですが、受託もスタッフも会員も増えたと仰ってました。

 

MK末松さん:来年、事務所を移転するんだそうです。支援当時、手狭なので大きな事務所に移りたいけど、「5年ぐらい先かな」と仰っていたのが、2年で実現してしまったんです。

 

PM岡林さん:本も出ました。支援してから以後の勢いがすごくて、本当にトントン拍子で(笑)。

 

 

それぞれにバックグラウンドが違うメンバーがチームで活動する意義

 

プロジェクトマネジャーとしてのスキルアップのために参加したという岡林さん、飲みすぎで体をこわすぐらいならその時間とお金で社会貢献活動しよう…と考えた末松さん、 平凡な会社員で終わることに疑問を感じたという澤坂さん。 こうして、仕事の分野もプロボノによせる想いもまったく違うメンバーが集まったプロジェクトチーム。日々の仕事の場と違うのは、異なる文化、バックグラウンドを持った人とコラボレーションすることの難しさと面白さでした。

 

PM岡林さん:プロボノの課題は、バックグラウンドの違うメンバーが、プロジェクトのゴールを共有できる状態にならないといけないということですね。全然面識がない人とチームを組んで、全然知らない分野に取り組むのは、とても瞬発力を問われます。

 

MK末松さん:チームのゴールだけでなく、メンバーそれぞれのスキルに応じたゴールを個別に設定できたことがよかったと思います。例えば、CRCという名称がわかりにくいので、ネーミングも考えようということになり、メンバーの上野さんという女性がヒアリングしてイメージをいろいろ考えたんですが、チームとしての達成感だけでなく、一人ひとりにそういった達成感がもたらされるということが、プロボノでは大事なんじゃないでしょうか。

 

PM岡林さん:前回に手がけたプロジェクトは、あるメンバーの事情を考慮してかなり納期を優先した結果、完了時、メンバー全員にあまり満足感がなかったんです。そこで今回はその反省を生かして、メンバー全員ががんばったなという満足感を共有できるようなプロジェクトにしようと気を配りました。

 

 

プロボノが生み出す答えはひとつじゃない。集まって色々考えるのが面白い。

 

あらかじめ定められた成果だけを求めるプロジェクトではなく、NPOのスタッフやメンバーとの話し合いの中から生まれる視点やアイデアを生かした活動が多彩な成果を生みだしました。

 

MK澤坂さん:NPOにとっては、寄り添って話を聞きながら一緒に考えてもらえることに意義があって、それにメンバーが反応して、そういう状況から相手もいろんな課題が見えてくるんですね。最初にひとつの成果にこだわるとそこがかみ合わなくて、お互いに満足のいく活動にならないような気がします。

 

PM岡林さん:会社では、定まった目標に対して、コスト・納期・品質この三つが満たせないと結果を出したことにはなりません。でも、プロボノでは、それをあまり意識せず、ひとつの成果にこだわらずに、メンバーができることをやるプロジェクトというのがあってもいいと思うんです。

 

MK末松さん:このプロジェクトでも、最初に決めたのとは違うゴールに到達しましたからね。

 

 

本気で「社会の役に立ちたい」と思っている人に挑戦してほしいプロボノ

 

最後に、どんな人にプロボノに参加してほしいかについて聞きました。

 

PM岡林さん:個人的には、生半可な気持ちでやってほしくない。本気でやる人、そしてできれば、スキルのある人に参加してほしい。

 

MK末松さん:現行のチームリーダーやこれからリーダーを目指そうとしている人がプロボノをやったら一皮むけるんじゃないかと思います。逆に、チームリーダーがスタッフの立場で参加することでリーダーとしての自分の在り方を見つめ直す機会としても有意義だと思いますね。

 

MK澤坂さん:誰かの役に立ちたい、という思いがあるならとりあえずやってみるべきですね。現場へ行って、団体の方々の話をしっかり聴く、それだけでも役に立てると思います。せっかくその気持ちがあるのなら、特別なスキルがないので…と二の足を踏んでいるのはもったいないですね。

 

※掲載内容は2016年3月5日取材時点のものです。本記事は、関西の有志のプロボノワーカーからなる「プロボノワーカーの声プロジェクト」メンバーによって、インタビューから記事作成までご協力いただきました。

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