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上山直人さん(プロジェクトマネジャー)

はじめてのプロボノではじめてのPMに挑戦

 

上山直人さん(IT系企業勤務)

プロボノでの役割:プロジェクトマネジャー

参加プロジェクト:ふるさとの会 (2024年)

自分のスキルで支援できるめぐり合わせを感じて

 

―プロボノに関心を持ったきっかけは?

新卒からデジタルマーケティングの会社に勤め、7年目になります。現在は金融系の顧客先に常駐し、部署横断でのDXに向けた課題整理や施策検討などの支援をしています。

プロボノへ関心をもったのは、仕事以外の方との関わりがなかなかないことが気になっていたことと、もっと社会に貢献できている実感が欲しいと思ったことがきっかけです。プロボノという言葉も知らなかったので、初めはボランティアを探していたのですが、本業でのスキルを活かすプロボノという形を知り、面白そうと思って参加しました。

 

―プロジェクトに立候補された理由を教えてください。

自立支援センターふるさとの会さんは、生活困窮者の住居確保に向けた支援や、一人暮らし高齢者を訪問して地域で安定して尊厳ある暮らしを送れる支援などを行っている団体です。新プロジェクト発表会でアカウントディレクター(AD)*さんから団体活動などの説明を聞いて、プロジェクトに立候補しました。(*プロジェクトの立ち上げ前から終了まで、団体とプロボノチームの間に立ち、サポートする役割)

私は大学時代に社会保障法の勉強をしており、生活保護受給世帯の子供と高等教育をテーマに卒業論文も書いています。生活保護は、義務教育課程までであれば補助が出ますが、高校や大学への進学が想定されておらず、別の制度を利用したり、保護から外れる必要があったり高等教育を受けるにはハードルが存在します。高校に進学するために頑張って勉強をして奨学金を得たものの、その奨学金が収入とみなされて生活保護費が減額されたことに対して訴訟を起こした事例もあり、卒業論文ではその裁判を担当した弁護士や訴訟を起こした人にも話を聞きに行き、弁護士や福祉など他者の尊厳ある暮らしを守り、支援する仕事はすごいなと感じていました。プロボノでそのような団体の方々を自分のスキルで支援できるということにめぐり合わせを感じ、ふるさとの会を支援したいと思って立候補しました。

 

 

業務改善から組織変革のきっかけづくりへ

 

―プロジェクトについて教えてください。

ふるさとの会の事業は多岐にわたるのですが、特に事業で共通している業務に関して、業務整理と業務フローの提案、業務支援ツール候補の提案を行うのが当初のスコープでした。最終的には実際のツール導入や使い方のレクチャーにまでスコープを深堀・拡大して取り組みました。

打ち合わせの際に、代表から団体内で業務改善に取り組んでいく風土を作っていきたいという思いを伝えていただき、団体スタッフ向けの報告会を実施することになりました。なんと20人ほどが参加してくれました。報告会では、どのように課題を整理し改善していくかの道筋を示すとともに、身の回りで無駄だと思っている業務はあるかを話し合ったことで、業務改善に取り組んでいかないと、という雰囲気が醸成されたと思います。ITツールの導入に関しては、私達が取り組むことでふるさとの会としての持続可能な取り組みに繋がらないのではと心配になることもあったのですが、結果として解決策の実装だけでなく組織が変わる一歩としても役立てたと実感しました。

先日、団体を含めた打ち上げを行いました。来年の炊き出しにもきてくださいと言われているので、チームで集まる予定です。

 

 

 

初PMの挑戦で学んだ「場を整えるPM」のあり方

 

―はじめてのプロボノでPMをすることに不安はありましたか?

週5時間程度というのが多いのか少ないのか、捻出できるものなのかもわからず心配ではありました。また、本業でもPMに似た動きはしているものの明確にプロジェクト単位で区切った動きではなかったので、自分のスキルでプロボノプロジェクトのPMをできるかやや不安もあったのですが、やりたい気持ちが強かったので「やっちゃえ!」と挑戦してみました。

PMの動き方については自分なりに勉強していたので、実際にプロジェクトで試してみたい、という思いもありました。また、社外の人と関わってみて、自分がどう見えるのか、これまでの仕事の経験がどう活かせるのかを確認したいなとも思っていました。本業では関われないチームメンバーとの関わりも、支援先NPOの方々との関わりも結果的に自身のキャリアにとっていい経験になったと感じています。

初めてのプロボノで初めてのPMだったので、どのような具合で進めればいいか手探りでした。最初の頃は肩に力が入りすぎて、キックオフ資料を作り込みすぎたりもしました。進め方に迷ったときはADに相談しましたし、丁寧に伴走してくれました。手を動かしすぎるとチームメンバーが置き去りになってしまうし、チームには優秀な社会人のみなさんがそろっている。勝手に決めてぐいぐい進めるというよりは、ミーティングのアジェンダを整理するなど、下支えとなるような場を整えるPMのあり方もあるのだと、勉強になりました。

ADの方が言っていたのが、何かひとつでも要素が異なればここまでの成果は出なかった、ということ。チームメンバーもふるさとの会を支援したくて手を挙げた人たちでしたし、団体さんも事前送付した資料をミーティング前に必ず確認してきてくれたりと、ミーティングでの意見交換も活発で、チームと団体で一丸となって取り組めたと思います。

 

 

プロボノを通して自分の価値観を再発見

 

―普段のお仕事とプロボノで異なることはありましたか?

プロボノはお金が介在しないので、支援先団体とフラットな関係性で取り組めますし、ある意味で気楽にチャレンジしやすいとも思います。プロボノでは、普段の仕事だと「してはいけない」「言わないほうがいい」と感じそうな場面でもアクションができて、結果的に好転する場面も多かったです。「してはいけない」という気持ちは実は思い込みであり、普段の仕事でも、プロボノで取り組んでいるような気持ちで取り組んだり行動したりしてもいいのだと、視野が広がる経験でした。

また、会社での仕事だと、考え方や趣味嗜好が近い方が多く自分と他者の違いを感じる場面が少ないので、自分の境界線があいまいになる感じがしますが、プロボノで取り組むと、自分の輪郭がはっきりする感覚がありました。

私は普段から取引先に常駐して伴走することが多いので、何かあってもどうにかしてなんとかする、というスタンスなのですが、チームメンバーの中には「そこはふるさとの会さんで取り組むべきところです」と明確に線引きできる人もいて。どちらがいいということではなく、プロボノチームの中にいると支援先との向き合い方やスタンスの違いが感じられて、自分のベースになっている大事にしたい価値観に気付けました。

実はプロボノに取り組む前は、社外に出ると自分がやりたいことや身に着けたいスキルが外側に見つかって転職したくなるのではと思っていたのですが、実際はその逆で、会社が大切にしている考え方が自分にとっても大切な考え方だったということに気付け、今いる会社により愛着が湧きました。

 

―まだプロボノを経験していない人に、ヒントやメッセージがあればお願いします

スキル的なこと、時間的なことなど、不安も色々あると思いますが、まずはぜひやってみてほしいです。チームメンバーが助けてくれますし、やって失敗するリスクがあるものではないので、挑戦してみる方がいいと思います。何よりも、プロボノに参加している人はみんないい人。そのような人たちと出会ってほしいです。

 

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