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内田文子さん

地域での新たな繋がりを求めて。
本質的な課題解決を通して、自身の「プロ」のあり方を見つめ直す

 

内田 文子さん(地方公務員・コンサルタント)

参加プロジェクト:山梨県ボランティア協会
(2025年度やまなしプロボノ・チャレンジプロジェクト)

 

プロボノプロジェクトを知ったきっかけ、参加動機について教えてください。

 

現在は、パートタイムの地方公務員として働きながら、コンサルタントの仕事をしています。

プロボノという活動は2000年代から知っており、実際に参加した経験もあります。ただ、自分が暮らす山梨で、再びプロボノに参加することになるとは思っていませんでした。

 

山梨に来て20年ほどになります。地域のイベントに誘われて参加することはあっても、その後の継続的なつながりや、地域課題に関わる機会をなかなか持てず、どこか距離を感じていました。そんなとき、事務局から山梨でプロボノプロジェクトが行われるという案内をいただき、山梨県ボランティア協会のプロジェクトを知りました。

 

協会については、旧ボランティアセンターの閉館や法人運営をめぐり、さまざまな困難があったことを報道で知っていました。また、個別の課題に取り組む人たちを支える「中間支援」という役割にも関心があり、関われるのであればぜひ、と参加しました。

 

参加するにあたって、不安だったことは?

 

自分に何ができるのか、よく分からなかったことです。特殊なスキルや資格があるわけではなく、「これができます」と明確に言えるものもありませんでした。それでも、何かできることはあるのではないかと思っていました。

 

一方で、団体の期待と自分たちの提案がずれてしまうことや、満足してもらえないことへの不安もありました。長い歴史を持つ団体に、自分なりの経験から考えたことを提案して、納得してもらえるのか。団体との相性も含めて気になっていました。

 

 

どんな課題に対して、チームでどのような活動を行いましたか?

 

山梨県ボランティア協会の事務所を3回ほど訪問し、毎回2時間程度、お話を伺いました。私は、伺った内容を壁一面のホワイトボードに書き出し、情報を整理しながら課題を構造化する役割を担いました。

 

日常的なやり取りにはLINEグループを使いました。メンバーによって仕事の時間帯が異なるため、協会事務所への訪問とZoomを併用し、交代で内容をまとめ、ブラッシュアップしました。プロジェクトマネジメントが得意なメンバーが管理表を作り、ほかのメンバーが使いやすさを確認しながら更新するなど、それぞれの強みを生かして進めました。本業や専門分野の異なる3人が、持っているものを出し合う中で、チームとしての進め方が形づくられていったと思います。

協会の皆さんと話す中で見えてきたのは、50年にわたる活動の蓄積があるにもかかわらず、一般の人には、協会が何をしている団体なのか分かりにくいという課題でした。

 

長い歴史の中で、組織も社会も変化しています。また、世の中では新しい活動が注目されやすいため、ボランティアやNPOの重要性、協会が果たしてきた役割が見えにくくなっているのではないか、という話になりました。

 

そこで、個別の広報物を作る前に、協会として社会に何を伝えるのか、発信の軸を定めることから始めてはどうかと提案しました。関係者へのヒアリングも行い、今後整理すべき課題と情報発信の方向性を提案書にまとめました。

 

 

普段のお仕事の経験は、どのようにプロボノ活動に役立ちましたか?

 

特殊なスキルはないのですが、「だから何もできない」と思ってしまったら、本当に何もできません。目の前に困っている団体がいて、「どうにかしなくてはいけない」というスイッチが入ると、そこから動くのは早かったと思います。

 

情報を整理し、課題を構造化して見えるようにすることには、これまでの仕事の経験が役立ちました。また、本業や専門分野の異なる3人が、それぞれの経験や得意なことを持ち寄ったことで、一人ではできない提案につながりました。

 

誰であっても、役に立たないということはないと思います。目の前で困っている人のために何ができるかを考え、動く経験は、その後の仕事にも生きるはずです。

受発注関係にある仕事では、クライアントから求められたものに対して、「本当に必要なのは別のものではないですか」と、前提に立ち戻る提案をしにくい場合があります。

 

一方、プロボノでは、団体にとってより良い成果とは何かを一緒に考え、本質的な提案を歓迎してもらえました。「本当に良いことは何か」を考え、チャレンジできる場だと思います。

 

プロジェクトを終えて、どのような感想をお持ちですか?

 

山梨県ボランティア協会の皆さんとご縁ができたことはもちろん、一緒に活動したプロボノメンバーのお二人とも、とても良い出会いがありました。

 

お二人はIターンで山梨に移り住み、地域を大切に思っている方々です。今もLINEでつながっており、本当に良い出会いだったと感じています。

 

支援先の事務局長からは、「身内だけで考えていると固まってしまうことに対して、『これはどうなのか』『本当はそうではないのではないか』と第三者の意見が次々に入り、とても新鮮だった。他者の視点から、自分たちの組織を見つめ直す良い機会になった」と言っていただきました。

私たちの提案が、協会の皆さんにとって、組織を見つめ直すきっかけになったことをうれしく思います。

▲左右 NPO法人山梨県ボランティア協会のメンバーと。

 

プロボノの経験を一言でいうと

 

自分を何かの「プロ」だと思って参加したわけではありません。それでも、誰にでも仕事や経験を通じて培ってきた専門性があり、それが誰かの役に立つことを改めて実感しました。プロボノは、自分が何のプロなのかを見つめ直す時間になると思います。

 

同時に、自分にとって当たり前のことが、相手にとっても既知であるとは限らないことに気づきました。逆に、自分が知らないことを相手が知っている場合もあります。相手のことを分かっていないと気づき、お互いの「知っていること」をどう組み合わせるか考える。それも、プロボノで得た大切な経験でした。

 

ボランティアでは、自発性が鍵になると教わりました。資格の有無だけではなく、自ら関わろうとする姿勢や、これまで培ってきた技術、考え方をどう生かすか。その意味で、自分にとっての「プロフェッショナル」とは何かを考える機会になりました。

▼プロボノでのプロジェクト参加へご関心をお持ちになった方は、こちらのページも併せてご覧ください。

▼プロボノ参加者向け説明会を随時行っています。以下より日程をご確認ください。

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