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開催レポート「なぜ、企業の『越境』は地域を目指すのか?」

 

未知の環境に飛び込み、新たな視点を得る「越境体験」は、個人の成長や企業のイノベーションを生み出す鍵となります。その越境体験の一つとして、近年注目されているのが「プロボノ」です。

サービスグラントでは、職業上の経験やスキルを活かすボランティア「プロボノ」を通して、社会課題解決に取り組むNPO等の運営基盤強化を支援しています。プロボノは企業の社会貢献や社員研修の枠を超え、ビジネススキルを活かしながら社会課題解決に挑戦できる貴重な機会を提供します。

イベント『なぜ、企業の「越境」は地域を目指すのか?― 地域課題への挑戦が、社員の社会感度と組織をアップデートする』では、サービスグラントが提供する社会課題解決型 越境学習プログラムプロボノリーグのご紹介をしました。加えて、2025年度プロボノリーグに参加いただいた株式会社ウラノの社員の方をお迎えし、 地方企業が越境に取り組む意義や、参加者に起きた変化をお話しいただきました。

本レポートでは、経験者トークを中心にお届けします。

 

開催概要

 

日時:2026 年 6 月 24 日(水)10:00-11:00
開催方法:オンライン

プログラム:
1.人的資本経営と「越境学習」:プロボノリーグのご紹介
2. 経験者トーク:長崎・株式会社ウラノ参加者が語る「越境参加のリアル」
3.Q&A

 

 

経験者トーク:長崎・株式会社ウラノ参加者が語る:越境参加のリアル

 

ご登壇者:

惣津 啓太さん 株式会社ウラノ 長崎工場 総務グループ
長野 誠さん 株式会社ウラノ 生産管理部門

 

上左から惣津さん、長野さん、下はサービスグラント事務局 横道(進行)

 

――プロボノリーグは異業種混合のプログラムで、さまざまな企業・職種の方々が集まり、プロボノチームを組成します。今回お二人が参加されたプログラムでは、長崎県で活動するNPO法人環境保全教育研究所(通称:へんちくりん)の課題解決を支援しました。同法人は放置竹林の保全活動を行いながら、親子向けに自然教室を運営しています。

プログラムの全体的な流れは約1ヶ月半、1日目から4日目に分かれます。1日目はオリエンテーション・チームビルディング・NPO座学、2日目は長崎県への1泊2日のフィールドワーク、3日目は中間提案、4日目(2週間後)は最終提案という構成です。

 

 

――プロボノリーグとの出会い、そして関心を持った理由を教えてください。

惣津さん:関心を持ったきっかけは、もともとボランティア活動や地域の活動に参加していたことです。長崎の市民団体が行っている「ランタナ」というイベントに参加した際、このプログラムを推進している県の担当者から声をかけていただきました。企業がそういったイベントに参加することは珍しいということで話しかけてもらったのが、プロボノを知るきっかけになりました。地域のNPOや地域の方々が抱える課題に対して、企業人がどんな経験やスキルで貢献できるかを、うっすらと考え始めていた時期でもありました。

 

――もともと地域のボランティア活動に参加されていたとのことですが、人事のお立場から会社としても導入したい思いがおありだったのでしょうか。

惣津さん:そうですね。人事として人材育成の研修も担当していますが、座学中心の研修に物足りなさを感じていました。社員の心に響く研修がなかなかない中で、プロボノは実際に現場に入り体験・実践ができるという点が大きな魅力だと感じました。
人事の視点からは、プロボノを通じて社会貢献と人材育成の両立、そして社員がチャレンジする機会を作ることができると考えています。

 

――社内への説明・説得の仕方と、参加者を選んだ基準を教えてください。また、研修期間1カ月半については、内部でご意見ありましたか?

惣津さん:社内説明については、「プロボノ=一般的なボランティア活動」とイメージされないよう、「実践型研修」「成長の機会」というところを意識して上層部に説明しました。
人選については、今回が初めての取り組みで手探りな部分もありましたが、将来のリーダー・管理職を担ってもらう中堅層に越境体験を通じて視野を広げてほしいという思いがありました。各部門のグループリーダーに相談しながら候補者を挙げてもらい、その中から今回の2名が選ばれました。
拘束時間については、あくまで人材育成研修の一環として時間を確保したため、業務上の混乱は特にありませんでした。部門長にも理解をいただきながら進めました。

 

――プログラムの1日目では九州・四国・大阪・東京から集合し、自己紹介、チームビルディング、NPOの基礎学習を行いました。2日目の(現地滞在)では実際に竹林に入り竹の伐採を体験。切った竹で飯盒炊飯を行い、団体代表との作戦会議も行いました。

4日目に、1つのチームは団体代表の業務棚卸しを実施し、たけのこ掘り・そうめん流しイベントの運営マニュアルと動画を成果物として納品しました。もう1つのチームは、業務棚卸し後に「時間ができたら何に取り組みたいか」という発想から、県内企業や団体向けの自然教室営業資料を作成・提案しました。

 

 

――プログラムに参加した感想とハイライトを教えてください。

長野さん:最初は人見知りな面もあり、初対面のメンバーとのコミュニケーションに苦労しました。2日目の現場でのやり取りを経て、3日目、4日目にかけて少しずつ打ち解け、それぞれの役割を振り分けながら進めることができました。
私は営業資料を作成したチームでしたが、大変だったのは、成果物の完成形がなかなか見えなかったことです。3日目頃まで四苦八苦しましたが、4日目の完成まで皆さんの協力があり、非常に良いものができたと感じています。
最後の発表は自ら担当しましたが、「どうせやるなら心残りなく」という思いで臨んだことが一番の思い出です。
プログラムを通じて、普段の業務では見せられない自分を出せたと感じています。見知った相手であっても思っていることが違うと改めて気づき、お互いの考えを知れたのは大きな収穫でした。

 

――惣津さんはいかがでしょうか?

惣津さん:異業種の方々と一緒に取り組むことで、自分にないスキルを持つ方たちから刺激を受けました。会社内には上下関係がありますが、チーム内では立場に関わらず何でも言い合える関係性が生まれます。短時間でチームを組んで成果を出すというトレーニングは、社内での新しいチーム作りにも応用できるのではないかと感じました。
また、普段会社では見せていない自分の力に気づける、勇気を持って行動できるという点が、異業種が集まるプロボノならではの価値だと思います。

 

――参加された社員の方への期待がありましたら教えてください。

惣津さん:組織を担っていく人材として、自分のスキルが誰かの役に立つという実感を持ってもらえたと思います。それを組織内に還元し、会社の活力につなげてほしいと考えています。社会課題解決に貢献したという自信がやりがいにもつながりますし、お金だけではない働く意味を社内に伝えていってほしいと思っています。

 

――プロボノリーグに参加して約半年ほど経ちますが、今後の展望や可能性について教えてください。

惣津さん:社会課題の解決と人材育成を両立するプログラムとして、会社の教育プログラムの一つに正式に組み込んでいくことが自分の役割だと思っています。社内ではまだ理解している人・していない人が分かれていますが、時間をかけてでも続けていけば会社は変わっていくと信じて、諦めずに取り組んでいきたいと思います。

 

――最後に本日のイベント参加者の皆さんにメッセージをお願いします。

惣津さん:プロボノを検討されている企業の方々にお伝えしたいのは、最終提案の際に団体代表の方が感動して涙ながらに「ここまで私たちのために頑張ってくれるのか」とおっしゃったことです。その言葉は今も頭から離れません。自分のスキルが誰かの役に立ったという体験は、必ずやりがいや前向きな姿勢、企業の新たな取り組みにつながっていくはずです。こうしたプログラムは、気づいた企業から始めていかれると思います。ぜひ積極的に参加してみてください。

 

長野さん:自分ができることが何の役に立つのかを明確化し、実際に団体の方へ提示でき、それを喜んでいただくことができました。一般社員でも、成長の一歩を実感できました。ありがとうございました。

 

――社会貢献と人材育成というテーマを持ったプログラムの輪が、長崎・九州からも広がっていくことを期待しています。地方こそ地域課題への逆の発想で可能性があると思いますので、関心を持っていただける企業さんのご参加をこれからも促進してまいります。

 


 

2026年度 社会課題解決型 越境学習プログラム「プロボノリーグ」開催概要

本年度は、従来のプログラムに加え、新たに短期コース「プロボノリーグ ライト」を実施します。

 

<Aコース / 地域創生編>
フィールド:①岡山県倉敷市 / ②福岡県北九州市 / ③長崎県川棚町
実施期間:集合対面研修3日 および 期間内のチーム活動(約3週間)
開催日程:①・②8月21日(金)、8月28日ー29日 (1泊2日)、9月11日(金)
     ③9月18日(金)、9月25日ー26日(1泊2日)、10月9日(金)
 
<Bコース /NPO支援編>
フィールド:④ 東京都近郊
実施期間:集合対面研修4日 および 期間内のチーム活動(約1.5か月)
開催日程:10月16日(金)、10月30日(金)、11月13日(金)、11月27日(金)
 
  • 2日目は、フィールドワーク、ヒアリングなどのため、各団体の活動拠点に訪問をします。
  • 地域創生編については、1泊2日の滞在を推奨しています。
  • 交通費、宿泊費はプロボノリーグ参加費には含まれません。
  • いずれの研修も期間中、集合研修日以外において、次の研修日に向けて各チームで調整の上、オンラインのミーティング、見学などの活動があります。

 

申込締切:

  • すべて共通【2026年7月31日(金)】
    • お申込み参加者数やチームの編成数によって、一社あたりの受入人数を調整させていただく場合があります。参加人数についてご希望があればご相談ください。
    • 最少催行人数6名(3名2チーム)に満たない場合には、開催中止となりますので予めご了承ください。

 

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