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NPOとの連携による新たな価値創出の可能性を感じる体験

 

 

サービスグラントのプロボノの現場から得たノウハウを基に開発した「社会課題解決型人材育成プログラム プロボノリーグ」。2019年度のプログラムに参加された、三井住友信託銀行株式会社の長尾侑樹さんは、これまでNPOと直接関わる機会がなかったそうです。ビジネスにおいても社会課題の解決が重要であるということはこれまでも考えてきましたが、プロボノリーグを通して、その重要性を再認識するとともに、地域に根差して地域のために活動するNPOとの連携による新たな価値創出の可能性も感じたといいます。ビジネスと社会課題の繋がりをテーマにお話を伺いました。

 

目次

社会課題をビジネスによって解決する試み

社会感度を上げるには実体験を持つことが重要

本気で挑んだリアルな現場体験が実務に活きる

 

 

社会課題をビジネスによって解決する試み

 

 

―― 今回、プロボノリーグにはどのような経緯で参加されましたか。

 

直属の上司から今回の参加について打診されたのですが、私はこれまでの人生の中で、NPOに関する活動はおろか、ボランティアなどの経験もあまり無かったため、正直驚きました(笑)ただ、だからこそ新たなチャレンジをしてみたいという思いがありましたし、プロボノリーグへの参加により得た経験や知識を、会社の事業領域拡大にもつなげられればという想いもありました。

 

私は入社してから数年間、支店で個人のお客様への資産運用などのコンサルティング業務に携わっていましたが、このような既存の金融ビジネスモデルは、足元のコロナショックや、低金利の常態化、デジタル化の進展などにより、社会・環境の変化が進む中において、改めて本質的な価値を問われています。このような状況に対応するためにも、当社としては、人生100年時代や、ESG意識の高まりなどを受けて、新たな社会課題の解決を自らの成長機会と捉えて事業を展開しているところですが、今回プロボノリーグに参加し、地域に根差して地域のために活動するNPOの方々とともに成果物を作成する過程において、NPOとの連携による新たな価値創出の可能性も感じました。

 

―― いわゆるオープンイノベーションによって、社会課題をビジネスとして解決する新たな展開を模索しているということでしょうか。

 

そうですね。社会課題の解決と言ってもお客さまに何を提供するのかということも考えなければいけません。例えば「人生100年時代」というキーワードについても、旅行や食事などのエンターテイメント分野などでの切り口もあるかもしれませんが、お客様の大切な資産をお預かりしている信託銀行ならではのソリューション提供の可能性があると思っています。

 

当社では、昨年の3月に、国連の機関が定めた原則に即した「ポジティブ・インパクト・ファイナンス(資金使途を特定しない事業会社向け融資)」に、世界で初めて取り組むなど、SDGsの目標達成に資する活動などに対して、ファイナンス面での支援を積極的に行っています。その一方で、例えば、社会的に弱い立場の人がよりよい生活を送ることができるようにするといった身近な社会課題の解決のためには、オープンイノベーションなどのアプローチにより、外部の知見を積極的に用いることも有効な一つの課題解決手段だと感じました。

 

企業の持つ商品・技術・サービスなどのリソースを活用しつつ、非営利団体や自治体など様々なステークホルダーと協力して、ビジネスによって社会課題を解決していくことが、これからの企業に求められる姿ではないでしょうか。

 

 

社会感度を上げるには実体験を持つことが重要

 

 

―― そういった会社全体の動きがある中で、長尾さん自身、今回のプロボノリーグにはどのような気持ちで参加されたのでしょうか。

 

これまでの私は、ボランティア活動の経験もほとんどない上、NPOについての知識もあまりなかったため、当初は、そのような自分が果たしてプロボノにうまく取り組めるのだろうか、という不安がありました。一方で、プロボノリーグへの参加をきっかけとして、これまであまり関わってこなかったNPOやプロボノという分野について、知見を深める良い機会にしたいという前向きな気持ちで取り組みました。

 

また、今回のプロボノには、ある程度経験を積んだ他社の方々も参加されると伺っていたので、そのような方々とともに活動をすることが、自分にとって良い刺激になることも期待していましたね。

 

――実際にプログラムに参加されてNPOの印象は変わりましたか。

 

恥ずかしながら、以前の私は、NPOというのは“non-profit”という言葉の印象から、儲けてはいけない、自分の時間や物の犠牲の上に成り立っているもの、ボランティアに近いもの、という見方をしていました。しかし、それは大きな誤解で、社会のためにも、資金面や組織運営などの点でしっかりと持続可能な体制を構築した上で取り組みを拡大していくことこそが重要なのだと、認識が大きく変わりました。

 

NPOの方と関わる機会を個人で持つことはなかなか難しいと思うので、プロボノリーグに参加できて良かったと思っています。ビジネスにおいては経済的利益の追求と同様に、社会課題の解決が重要であるということはこれまでも考えてきましたが、様々な社会課題の解決に積極的に取り組んでいるNPOに関しての知識はほとんどありませんでした。

プロボノリーグへの参加を通じて、知識の習得だけにとどまらず、社会問題に対する感度も上がりましたし、ビジネスとしてNPO等との連携の可能性についても考えることができました。プロボノへの参加など、自分自身で実体験を持つことの重要性を改めて実感しました。

 

 

本気で挑んだリアルな現場体験が実務に活きる

 

 

 

―― 普段のお仕事で、プロボノリーグの経験が生かされていると感じることはありますか。

 

私は現在、地域共創推進部という部署に所属しており、いわゆる地方創生を切り口にビジネスを展開しています。私自身も地方の出身ですが、地方においては少子高齢化や人口減少、それに伴う経済の縮小等、既存の発想ではなかなか解決が難しいような課題が山積しています。これらの課題を解決するためには、業種の垣根を越えた連携や、新たな発想が必要です。

 

今回のプログラムを通じて、地域の課題解決に取り組むNPOなどとの連携の可能性を考えるきっかけになりましたし、擬似的な体験ではありましたが課題解決のスキーム構築を体験することで、これからの業務に大いに役に立つ学びがありました。

 

―― プログラムでの学びを実際の現場で活かすうえで、ポイントはありますか。

 

相手が抱えるニーズや課題を本当の意味で理解し、それを解決するためには何が必要なのかについて、既存の考え方に捉われずに柔軟な発想で考え、それに向かって粘り強く取り組むことです。例えば、多種多様な地域の課題を解決するためには身近にあるリソースだけでは解決できないことも数多くあるのですが、だったらそれができそうなところと組んでしまおう、というような柔軟な発想を持ち、少しでも課題解決に近づくための努力を行うことです。この点についてはプロボノリーグに取り組む上でも特に意識していました。

 

――改めてプロボノリーグに参加された1カ月をどのように感じていますか。

 

プロボノリーグは、実在するNPOに対して、実際に課題解決提案を行うプログラムです。私たちの提案内容によっては、支援対象となるNPOの活動内容を大きく左右することになるかもしれません。そのため、一般的な机上の研修プログラムでは感じられないような責任感や緊張感をリアルに常に感じつつ活動に取り組みました。

 

プロボノリーグは現実に起きているNPOの課題解決策を考え、実行していく、実践の場です。それはまさしく、実際の業務で必要なプロセスを擬似的に体験できる場であったと思います。プロボノリーグでの学びを活かして、実際の業務でもしっかりと成果を出せるよう頑張っていきたいと思います。

 

――ありがとうございました。

 

 

 

 

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