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Withコロナ時代は、自律型人材の育成がポイント

 

サービスグラントのプロボノの現場から得たノウハウを基に開発した「社会課題解決型人材育成プログラム プロボノリーグ」。今回は2017年よりプログラムに継続して参加頂いているフコクしんらい生命保険株式会社の人事・総務部長小林新様にお話しを伺いました。BeforeコロナもWithコロナでも自律型人材の育成がポイント、とされる同社の背景や今後の施策についてお話し頂きました。

 

目次

意識が社内にいきがちな社員の行動変容を促したい

変化に対応できる自律型人材の育成が急務

人材育成研修の結果の有効活用

Withコロナ、これからの人材育成

 

 

意識が社内にいきがちな社員の行動変容を促したい

 

 

―――本日は忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。先ず初めに御社が置かれている外部環境と内部環境を教えて頂けますでしょうか。

 

今に始まったことではありませんが、ここ最近は特に変化が速くなってきています。人口減少や少子高齢化が進み、マイナス金利など金融業界には逆風が吹いている状態で、他社との競合も激しくなってきています。また、より一層の顧客本位の業務運営が求められてきているなか、ITを活用したサービスの差別化も起きつつあります。外部環境は大きく変わってきているという実感です。

 

一方、内部環境においても変化の必要性に迫られています。フコクしんらい生命は、2008年に共栄火災しんらい生命を引き継いだ比較的社歴の浅い会社で、スタートするにあたって円滑に業務運営するために生命保険業界での経験が豊富な社員を多く中途採用しました。初期より新卒採用をはじめて、順調に育ってきていますが、中途社員と新卒社員には年齢差があり、間の世代が少ないことに起因する課題があります。

 

―――歪な人員構成である一方、中途採用者と新卒、年齢差もありバックグラウンドが異なる多様な人材を活かすことで生産性などさまざまなメリットがあると思われますがいかがでしょうか?

 

多様性は、新しい発想を生み出したり、他者を認め合う文化を作ったりし、組織に必要なことだと思いますが、当社では十分に生かしきれていなかったと思っています。中途採用者に見られますが、やりたい仕事があって転職しておりその仕事に真摯に取り組む、一方で他人の領域に踏み込まないという、良くも悪くも大人な行動になっています。業務運営ではうまく機能してきた側面もありましたが、お互いが領域を広く捉えて、摩擦を避けない働き方を推進することが必要であったと思っています。

 

―――その摩擦を伴う働き方を今一つ推進出来なかった背景や原因はどこにあったのでしょうか?

 

他業界に比べるとビジネスモデルや商品の変化は小さく、社内調整をするなどの社内での仕事が大事であったということは背景にありました。それが、マーケットの変化により、社内の体制や社員の考え方を変えていく必要性が高まり、特にマイナス金利あたりからはそれがいっそう強くなりました。
これに対し、会社として変化を促すように、対話やコミュニケーションの推進を行ってきました。トップをはじめとした会社からのメッセージであったり、様々な施策に取り組んだりし、少しずつ変わってきているように思います。しかし、何かを変えることは摩擦を伴うことであり、誰もが避けたいことです。身についた文化、考え方、習慣といった類を変えることは、粘り強く取り組む必要があることなのだと思います。

 

 

変化に対応できる自律型人材の育成が急務

 

―――その他に人材育成でどのような課題をお持ちでしょうか?

 

先ほど申し上げたような、当社を取り巻く環境の変化が速くなっている中で、社内の変革スピードを上げていかなければならない。たくさん社員がいるわけではないので、一人ひとり、自分が見えている課題を全社視点で適切に認識し、それを自ら解決する行動をしていかなければいけない。すなわち自律性の高い人材が求められていると考えています。

 

―――社員の自律を引き出すことは、昨今のコロナ禍の影響で大きく注目されるポイントだと思います。テレワークが導入され、社員の働き方も会社主導型のキャリア形成によるメンバーシップ型から自律的・自己選択的キャリア形成によるジョブ型に移行する事例も実際みられます。環境、働き方が大きく変わると思いますが、コロナ禍の影響によって御社ではそれらをどのように受け止められていますか?

 

コロナ禍により、3月頃に緊急避難的にテレワークに切り替えた際、テレワークになってもある程度は業務が出来るという実感を得ました。アンケート結果などを分析中ですが、会社での仕事に比べて生産性が上がった、または変わらなかったとした回答者が6割強、下がったとした回答者が4割弱という結果が出ています。個人の感覚ではそのような結果である一方、組織としてどうだったかと判断する必要があると考えています。あくまで、個人で出来る仕事について生産性が上がった、下がったという話であり、組織全体の生産性や長期の観点でどう影響が出たかという検証が大事で、その視点で生産性を上げていくことが課題だと考えています。

 

テレワークについては、より高度化、より生産性のある形にギアチェンジしなければならず、そのために人事としてルールや環境の整備、働き方の目線合わせが必須であると考えています。

 

ジョブ型の人事制度に移行する会社が増えていると聞きますが、当社はそこまでの必要性は現時点で感じていません。既存の制度を活用することで、社員一人ひとりが組織の方向性と自身の役割を認識した働き方は可能です。そこで自律的な働き方が出来ていれば組織としての成果は出てきますので、そのような働き方を定着させないといけないと思っています。コロナ禍におけるテレワークの影響で個々の役割を明確にする流れにありますが、当社では既にある制度の定着や活用が重要だと思っています。

 

コロナ禍による社会の変化は様々なことを変えるチャンスでもありますので、例えば、マネジメントでは、仕事をしている雰囲気から仕事の順調・不調を判断して差配するというところから、しっかりタスク管理がされている状態に向上させたいと思っています。

 

―――Withコロナの時代になりテレワークが主流になったとしても、環境を整え社員一人ひとりが自律的に成長していればスムーズに業務を遂行できるということですね。それでは自律型人材の育成はどのような施策を計画実施されていますか?

 

自律型人材であるとともに、部署最適ではなく全体最適を実現できるようなスケールのある人材を育てたいと考えています。そこで、全社視点での改善や施策の提案をする提案制度の実施やチャレンジングな目標を推奨する目標管理制度への改定などを行いました。それらは、声を上げることを奨励する、挑戦を奨励する(失敗してもマイナス評価しない)、若い層からも抜擢することなどを目的としており、これらを実施することで社員のモチベーション向上に繋げようと考えています。

 

また、自律型人材という話で、自分が見えている課題を全社視点で適切に認識し、それを自ら解決する行動が出来る人材であると申し上げました。そのための社員の行動変容を促すためのプロジェクトを行っており、サービスグラントさんのプロボノリーグへの参加がその一つです。

 

プロボノリーグは、知らない世界を知り課題を認識してアプローチする実践的な場も設けており、知らない仲間でチームを組み、良い意味での摩擦を伴う課題解決やリーダーシップをとることにもなる、とても良い訓練になっています。また、先ほど申し上げた、社内に意識がいきがちな社員が社外や世の中に目を向ける機会にもなるので、良い意味でのカルチャーショックを受けてもらい、意識を変えることができればと思っています。社内で提供できない活躍の場を疑似的に体験できるのが、プロボノリーグだと思っています。

 

人材育成研修の結果の有効活用

 

 

 

―――ありがとうございます。プロボノリーグでは、研修結果を定量的なレポートにしてご提供していますが、どのように活用されるご予定でしょうか?

 

本来、人材育成は仕事を通じて進めるもので、研修は行かせて終わりではいけないと考えています。プロボノリーグから提供されるアセスメントは、そのレポートを通じて分かったその人の強みや課題をきちんと所属で理解し、それを育成の材料にできるものになるだろうと考えています。

 

当社の人事制度では、役割に求められる行動が評価指標として組み込まれていて、評価を通じて求められる行動を高度化していくということを目指しています。プロボノリーグから持ち帰った個人の課題とその指標の評価をすり合わせ、能力開発を目的としたフィードバックが出来る体制ができるのではないかと思っています。

 

―――アセスメント結果は、捉え方によっては本人だけではなく社内の環境にも要因があるかもしれません。上司が部下をきちんと評価しているかというところも可視化でき、それを材料に上司とのコミュニケーションを促すことも可能だと思っています。

 

きちんと評価をしていないということが出てくるかもしれませんが、そういう材料は上司と部下とのコミュニケーションに利用する前に、人事と上司とですり合わせることが大事だと思っています。
上司も、育ってきた環境や経験が違うため、価値観も様々で、考え方の違いもあると思います。そういうことをすり合わせるのも人事の役割で、そのような使い方を考えなければいけないと思っています。

 

 

Withコロナ、これからの人材育成

 

―――状況にもよりますが、今年度のプロボノリーグはオンラインでのプログラムがメインになる予定です。人材育成研修がオンライン化していくことについて懸念はおありでしょうか?

 

特に違和感はありません。事実、今年の新入社員研修をオンラインで完結することができました。昨年プロボノリーグに参加した人材育成担当がそれを担い、最終的な成果として対面の研修と遜色ないところまで仕上げました。会ってすり合わせしないと物事が進まないという固定概念や思いこみを払拭できたと思っています。

 

その担当者は、昨年プロボノリーグに参加した経験を、変化のきっかけの一つにできたのではないかと思っています。こちらが明確な指示を出さなくても、自ら場を活用して明らかに成長しています。

 

仮にそういうことが苦手な社員に対しては、事前にガイダンスしてあげることが大事だと感じています。研修の目的は何なのか、それを自分でどのように活用するのか、ということを送り出す前に社内でケアしなければいけないと考えています。そうすれば参加する姿勢も変わってくると思うし、こう変わりたいと思って参加するのと、思わないで参加するのでは、パフォーマンスに大きな違いが生まれると思っています。同じように研修後のフォローアップもその後の成長を大きく左右すると考えています。

 

丁寧なコミュニケーションを積み重ね、エンゲージメントを高めることが、Withコロナ時代で必要な会社と社員との新しい関係性だと考えています。

 

―――ありがとうございました。

 

 

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