地域と自分の「これから」に向き合う――会社員としての経験を活かした「初めてのプロボノプロジェクト」
海野 康雄さん(金融機関等のIT業務部門に勤務)
プロボノでの役割:マーケッター
参加プロジェクト:調布市スポーツ協会(2024年)
「これからの自分」に何かできることはないか――プロボノへの一歩
IT分野の職種で、社内の情報システム企画や予算管理、開発支援などを長年担当してきました。定年後のことを少しずつ考えるようになって、これまでの社会人経験を、社会や地域に還元できたらいいなと漠然と思っていたんです。
ちょうど、地域や社会に何か関わってみたいなと思っていたときに、『サービスグラント』のホームページを見つけました。プロボノへの参加は初めてでしたが、思い切って挑戦してみよう、と。初めて立候補したのが、調布市スポーツ協会のマーケティング基礎調査プロジェクトでした。市の体育館に新規利用者を呼び込むために、市民向けの調査を実施したうえで、施策を提案するという内容です。
スポーツが好きで、日頃からジョギングやトレーニングを楽しんでいたこともあって、このプロジェクトが「体育館の利用促進」というテーマだったことも、大きな後押しになりました。
最初の一歩はやっぱり不安。でも「やってみないとわからない」

団体の方とオンラインでキックオフミーティングを実施。団体の課題に加えて、総合体育館の運営の特徴や近隣の環境についてなどを詳しく伺うところからスタート。
初めてのプロボノプロジェクト。もちろん、全く不安がなかったわけではありません。特に、仕事との両立ができるのかはちょっと気がかりでした。ただ、自分の性格的に「やってみないとわからない」と思ってしまうタイプ。思い切って飛び込んでみました。
実際にプロジェクトが始まってみると、週1回3時間ほどの活動が中心でした。オンラインでの打ち合わせが多く、無理のないペースで参加することができました。
欠席が必要なときは他のメンバーがフォローしてくれて、チーム全体で協力しながら進めていけたのがとても良かったです。
「異なる価値観」との出会いが、自分を成長させてくれた

スポーツに親しむ市民の皆さんの様子にふれるため、プロジェクト序盤に総合体育館を訪問。団体の担当者や体育館プログラムの講師の方等から貴重なお話をうかがったほか、施設も見学。
今回のプロジェクトでは、市民向けのアンケートを設計・集計・分析し、その結果をもとに、新規利用者獲得のための施策を提案。冬の閑散期に体育館を活用できるインドアゴルフレッスンなど、ユニークなアイデアをチームで具体的な提案にまとめました。
実は、私はマーケティングの専門家というわけではありません。ですので最初は、自分にできることがあるのかな?という気持ちもありました。ところが、仕事で培った資料作成や情報整理のスキルが意外と役立つ場面が多かったんです。自分の経験が仕事以外でも活かせるんだなと実感しました。
そして何より印象的だったのは、チームの多様性です。年齢も業種も異なるメンバーが集まり、時には意見の食い違いもありました。でも、それがむしろ刺激になりました。普段の仕事では出会えないような方々と一緒に何かを作り上げていく。価値観の違いを知ることで、自分の考え方にも新しい視点が加わったと思います。
チャレンジの結果見えたもの――“今後”を考えるヒントに

チームメンバー全員で総合体育館に伺い、団体の方と最終提案ミーティングを実施。
半年間を終えてプロジェクトを振り返ると、自分にとって大きなチャレンジだったと思います。セカンドキャリアのことを考えるうえでも、とても参考になる経験でした。自分にとって新しい世界に踏み出すことは、最初はちょっと勇気がいりますけれど、やってみれば必ず得るものがあるんだと実感しましたね。
今後もまた機会があればプロボノに参加したいです。今ある自分の経験を、誰かのために活かしたいと思います。
最後に:これから参加する方へメッセージ
もしプロボノへの参加を迷っている方がいたら、まずは一歩踏み出してみてください。やってみないとわからないですし、意外と自分の経験が誰かの役に立つんだなと思えるはずです。新しい仲間との出会いも、きっと楽しいと思います。
※この記事は2025年5月17日に開催したプロボノ参加者向け説明会での経験者トークを編集しています。
▼プロボノでのプロジェクト参加へご関心をお持ちになった方は、こちらのページも併せてご覧ください。
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