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今井 有季子さん(ウェブデザイナー)

「できる範囲で役に立ちたい」が成果になった

 

今井 有季子さん(NPO職員)
プロボノでの役割:ウェブデザイナー
参加プロジェクト:東京都知的障害者卓球部会(2024年)

プロボノ参加のきっかけは「自分にできる範囲で役に立ちたい」

 

普段はNPO法人で、重度の身体障害や知的障害のある方の日常生活を支える支援業務に携わっています。2024年の夏、プロボノプロジェクトに初めて参加しました。

 

仕事柄、アクセシビリティに配慮したウェブデザインに関心があり、日頃からいろんなサイトを見たり、自分でも触ってみたりしていました。そんな時に、このプロジェクトのことを知って、「今の自分にできる範囲で、少しでも役に立てたら」と思い、思い切って立候補しました。

 

 

初参加の不安と、その乗り越え方

 

団体とチームとの初顔合わせになるキックオフミーティング。自己紹介からはじまり、団体を取り巻くステークホルダーについて丁寧に関係性をお聞きしたり、用語の定義を確認したり、ウェブサイト作成に向けて意見交換を行いました。

 

初めてのプロボノ参加で、正直、たくさんの不安がありました。業種の違うメンバーとオンラインで関わるというのも初めてで、ちゃんとコミュニケーションが取れるか心配でした。ツールの使い方や進行スピードについていけるかも不安でしたね。

 

でも、説明会で「最初はみんな不安を抱えながら参加している」と聞いて、少し気持ちが軽くなったんです。自分のスキルでも何か役に立てるかもしれないと思って、一歩踏み出してみました。

 

 

プロジェクトの内容と支援先団体について

 

参加したプロジェクトは、知的障害のある方が卓球を楽しむ「東京都知的障害者卓球部会」さんのウェブサイトリニューアルプロジェクトでした。特別支援学校の先生方が中心となって運営していて、学校の生徒さんから卒業生・保護者の方まで幅広く参加される、とても温かい団体さんです。卓球大会の運営や技術指導もされています。

 

練習会を告知するウェブサイトは既にあったのですが、障害を持つ方にとっては情報量が多くて見づらい、活動場所や参加方法が分かりにくいという課題をお持ちでした。「もっと若い人たちにも活動を知ってもらって、気軽に卓球に参加してほしい」という団体のご希望を大切に、チームでリニューアルを進めていきました。

 

 

オンラインと対面を取り混ぜながらプロジェクトが進行

 

活動現場見学では、団体が定期開催している「卓球教室」の様子を見学。参加されている方にお話を聞いたり、ホームページの素材として活動の様子を写真に納めたりと、充実した機会となりました。

 

メンバー同士のやりとりは、プロジェクト開始の際にどのツールを使うかを話し合い、アンケートの結果「Discord」を使うことに決めました。チームミーティングは月1~2回の頻度で、必要に応じて開催。進捗共有や相談もDiscord上で随時行いました。

 

団体とのミーティングもオンラインが基本でしたが、卓球教室の見学やご参加者へのヒアリング、サイトの仕上げに向けたミーティングでは対面の機会がありました。

 

 

プロジェクト中のお悩みはチームの工夫や連携でカバー

 

制作プラン・クリエイティブの提案ミーティング。写真や動画の扱い、参加したくなった方向けのお申込動線、卓球教室日程の表示方法などもひとつひとつ団体の皆さんと確認を進めました。

 

卓球教室の見学や関係者へのヒアリング内容をもとにサイトリニューアルの戦略を提案し、それをもとにクリエイティブ制作に移る流れだったのですが、やむを得ない事情で実制作までのスケジュールが少しタイトになってしまいました。

 

そこでチームで相談し、制作前に団体のみなさんとイメージのすり合わせを丁寧に行うようにしました。いくつか簡単なイメージサイトを作成し、事前に見ていただいたことで「思っていたのと違う」を防ぐ工夫をしました。

 

また、レイアウト面で悩んだときには、自分一人でかかえずにチームメンバーに相談して、意見をもらって助けてもらいました。こうしたチームの連携がとても心強かったです。

 

 

想いを乗せたウェブサイトが完成!

 

完成したウェブサイトは、団体の活動を網羅的に紹介。本文は総ルビで、より多くの方が読みやすいサイトになりました。卓球教室のコーチ陣紹介やご参加者の声など「参加してみたい」の気持ちを後押しするコンテンツが閲覧できます。全ページから卓球教室への窓口にアクセスでき、申込も容易です。

 

約半年のプロジェクトを終えてみて、納品の時に団体のみなさんに喜んでいただけたのが、一番嬉しかったです。「こんなサイトが欲しかった」と言っていただいて、少しでも力になれたかなと実感しました。

 

プロジェクトを通じて「もっとたくさんの人に活動を知ってもらいたい」「参加のきっかけを作りたい」という団体の想いに共感していたので、「こんな楽しい場があるよ」「誰でもチャレンジできるよ」というメッセージが込められたウェブサイトをご一緒に作れて、本当に貴重な経験でした。

 

完成したホームページ|東京都知的障害者卓球部会

 

 

チームメンバーから受けた影響が、普段の仕事にも活きている

 

完成前の制作ワークショップにて。作成したホームページを団体の皆さんにお見せしてレビューいただき、掲載内容の最終的な確認をおこないました。運用の引継ぎにむけて操作体験もいただき、マニュアルに必要な項目の確認もおこないました。

 

今回、チームメンバーが本当に良い方ばかりで、支えられながら楽しく取り組めたことも大きかったです。プロジェクトマネジメントをしてくださった方が、タスクの割り振りや進捗の確認を丁寧にしてくれて、気持ちよく活動できました。

 

普段は同じ分野の関係者と働くことが多いのですが、今回のように異なる業種の方と協働することで、物事の進め方や考え方の違いに触れられました。自分自身にとって勉強になりましたし、スケジュール管理の考え方など、仕事にも役立っています。

 

 

プロボノを一言で表すなら「駅伝の伴走者」

 

今回が初めてのプロボノ参加だったのですが、参加するまで「ボランティア=ちょっとお手伝いするもの」といった感覚を持っていました。でも、実際にプロボノプロジェクトに参加してみると、担当ポジションが明確にあって、責任を持って取り組むという「仕事に近い感覚」がありました。

 

そして、プロボノはまるで「駅伝の伴走者」のよう。団体のみなさんが抱える課題の解決に向かって、一緒に並走していくような感覚です。ただ支援するのではなく、同じ目線で、より良い状態を作ろうという活動に参加している実感がありました。プロボノに参加しているチームメンバー同士も役割を超えて協力しあい、団体のみなさんと一緒にゴールを目指していく。そのプロセスがとても印象的でした。

 

※この記事は2025年6月12日に開催したプロボノ参加者向け説明会での経験者トークを編集しています。

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