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宮田 文さん(アカウントディレクター)

 

宮田 文さん(小売業/マーケティング )
プロボノでの役割:アカウントディレクター
参加プロジェクト:全国こども食堂支援センター・むすびえ、RACプロジェクト、ACHA Project(全て2019年)ほか

 


 

もともと社会貢献に関心があり、ボランティアも行っていた宮田さんは、サービスグラントの「プロボノ」と出会うことで、社会課題に対する視点や、仕事とボランティアとのバランスのとり方に大きな変化があったそうです。
今回のインタビューは、サービスグラント1000プロジェクト達成特別企画の一環として、津田塾大学 総合政策学科 森川ゼミの学生たちが実施。プロボノ参加によって引き起こされる、キャリアや社会課題への関心の変化ついて、学生たちの視点から伺いました。

 

 

(津田塾大学学生さんとのインタビューの様子)

 

中間支援の側に立つことで変わった、ボランティアに対する視点

 

プロボノを始めたのは、2012年。社会人になって10年ちょっと経過したころでした。もともと社会貢献やボランティアには興味があり、情報交換をしていた友人から「参加してみたけど良かったよ」と、誘われる形で登録をしたのがプロボノ参加のきっかけでした。

サービスグラントのプロボノは、社会課題の解決に取り組む非営利団体を支援する、中間支援活動です。以前は、ボランティアって、目の前にある事を助けることだと漠然と思っていたところがあったのですが、中間支援の立場で関わるプロボノを通じて、支援のインパクトをどれだけ大きくできるか、社会のシステムにどうかみ合うかと考えるようになりました。また、仕事での経験も重なって、質の高い活動をどう推進できるか、高い成果を出せるかなど、社会課題に対する支援の必要性を長期的な視野で考えられるようになったのは、大きな変化かなと思います。

 

 団体の内側に、外部のプロボノが関わる意義

 

これまで6つのプロジェクトに参加しましたが、印象に残っているのは、「全国ひきこもり家族会連合会」のプロジェクトです。全国に、引きこもりの子どもを持つ親の会が多数あるのですが、それらを束ねてサポートをしている団体です。
引きこもりという課題が大きい分、この分野に対して活動する団体も多くあり、それぞれに立ち位置を明確にしていかなければならない。この団体の立ち位置を理解するためにディスカッションを重ねました。難しい場面もありましたが、プロボノという第3者が関わる意義は大きかったのではと思っています。プロジェクトが終わった後、団体の方から「滅多に飲み会にはいかないんですが、打ち上げ行きます」と言っていただいたとき、仲間と思ってもらえている気がして、とても嬉しかったです。

 

「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」さんのプロジェクトでの最終提案後の記念撮影

 

社会課題の解決に取り組んでいる方は、「困ってる人を助けたい」という純粋な思いをベースに活動をされていることが多いと感じているのですが、それが故に、頭の中にあるビジョンを実現するにあたって、運営体制の現状とマッチしづらかったり、逆に、目の前の課題に一生懸命になりすぎて、その先の目指している姿を忘れてしまったりする事があります。
プロボノでは、こういった気づきや団体の方が持っている不安に対して、勇気を持って、でも、言葉は丁寧に選びながら、一緒に解決するための道のりを具体的に提案し、合意できる形に持っていく作業をしていきます。成果物をつくる以前に、ここが毎回チャレンジとなるところ。プロジェクトがお互いにとって意味のあるものになるために必要不可欠なプロセスです。
そのために、みんなで情報を共有しながら問題を解決していくのが最も重要で、時間を使う部分だなと思っています。

 

大切なのは、メンバーへの「ポジディブな期待値」の共有

 

アカウントディレクターは、支援先とチームメンバーの間に立って、スムーズにプロジェクト進むよう、立ち上げにしっかりと手をかけたうえで、完了まで見守りながら随時定期サポートをしていきます。
プロボノに参加される方には、様々なキャリアや経験の人たちがいるのですが、プロジェクトを成功させるためには、初対面のチームメンバーが、互いへの期待値をどうポジティブに持っていけるかが重要だと思っています。プロボノの上下関係のないフラットなチームで、キャリアがバラバラなメンバーでも、個々人への期待値を最初にクリアにしておくと上手くいくと感じています。
もちろん、時には、何かがドロップしてしまうこともあります。そんな時に、どうすればみんなでカバーできるのか、どうすればチームに不満が溜まらない形で実現できるかを考えるのもプロジェクトマネジャーやアカウントディレクターの大切な役割です。
仕事の場でも、管理職になると、なるべく人に任せて、直接は手を出さずともクオリティを一定基準までもっていくことができる能力が必要になります。アカウントディレクターとしての経験値が、仕事にも役立っていると感じています。

プロジェクトの最初に自己紹介する時、「私の役割は、みなさんにもう一回プロボノやりたいと思ってもらうことです」と言っています。プロジェクトが成功するということも大事ですが、やっぱりプロボノを続けたいと思ってほしい。その想いは、言葉にしていかないと伝わらないかなと思っています。

 

「全国こども食堂支援センター・むすびえ」さんとは、映像制作のプロジェクトを実施。

 

 

仕事と社会貢献。一緒に叶える、じゃなくて両輪でもいい

 

私は社会人になるとき、「人のためになる仕事がしたい」と漠然と思っていましたが、実際に社会人になると、会社での時間は高利益を生み出すための仕事に消費していて、その利益の先に何があるのかがだんだん見えなくなってしまっていました。そんな中でプロボノに出会い、自分の培ったキャリアやスキル等を使った社会貢献という手段があるのだと知り、「両輪で行けばいい」と思えるようになりました。プロボノを始めてから、仕事も含めて、満足度がすごく上がった感じがしました。私の場合は、仕事は仕事。ただ、仕事が終われば、そこから先は自分の時間として社会貢献に使う。そう考え方を転換することで、キャリアプランニングにも余裕が出たかなとは思います。
職場にも提案し、丸1日使ってのプロボノワークショップを実施したこともあります。もともと社会貢献に熱心な会社だったこともあり、その時は50人ほどの社員が参加してくれました。

 

2014年のインタビュー時の写真。当時から、非営利での人との関わりがよい“ワークライフバランス”につながると語る。

サービスグラントのプロボノは、プロジェクト単位で参加できます。私はもともとホームレスの支援に関心が高かったのですが、プロボノでは、自分の興味に依らず様々な分野の支援に参加してきました。プロジェクトに関わり、様々な情報を調べたり見聞きすることで、社会課題への意識が高まり、興味のある社会貢献の範囲が広がってきたと感じています。

 

 

プロボノ側から見た、サービスグラントのいいところ

 

サービスグラントのいいところは、自団体の課題を、毎年、自分たちで考えなおして改善を繰り返しているところだと思います。インターナルボランティアで自分たちが感じているサービスグラントの課題について、解決策を提案し、プロジェクトを組んで、実際に改善していこうということをやっています。私も参加しています。
その時その時で課題はありますが、常に改善に取り組めている。今は、サービスグラントは「年間1000プロジェクト」という目標を掲げていて、本当に出来るのか?と思ったりもしますが(笑)、掲げているビジョンは大きい方が上手くいくのかなと思っています。

 

 

インタビュー後記(津田塾大学 学生のみなさんより)

 

  • プロボノでの活動とお仕事をしっかり区切りながらも相互に生かしているというお話を聞き、社会貢献と自己成長を同時に実現されているような印象を受けました。社会人生活に漠然とした不安がありましたが、宮田さんのアクティブな姿勢を見習って、自分なりにやりたいことを進んでやっていこうと思いました。
  • 印象に残っている活動について伺った際に、活動そのものよりもメンバーや団体の方との関わりについてお話しされており、人とのつながりの大切さを改めて知りました。また、仕事とプロボノの活動をすることは精神安定剤になるという言葉がとても印象的でした。
  • 社会のためでも利益のためでも働く時の根幹にある考え方は刺激を与え合うことのできるものだと学びました。
  • 宮田さんの社会貢献に対する意識の高さを見習いたいと思いました。また、来春から社会人になるにあたり、ボランティア活動をこれからも続けていくことに不安を感じていた私にとって、宮田さんの「余裕ができたらやればいいんだよ」というお言葉は、とても力強く感じました。

     

     


     

    ▼プロボノでのプロジェクト参加へご関心をお持ちになった方は、こちらのページも併せてご覧ください。

    ▼プロボノ参加者向け説明会を随時行っています。以下より日程をご確認ください。

    「プロボノ参加者向け説明会」

     

    ※掲載内容は2021年3月時点の情報です。

 

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