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小泉大吾さん(公務員、大阪ええまちプロジェクト)

 

公務員にとって、プロボノは学び、民間との他流試合

 

 

小泉 大吾さん(大阪府太子町役場 政策総務部 秘書政策課 / 課長補佐)
プロボノでの役割:プロジェクトマネジャー

参加プロジェクト:生活困りごとサポート こ・こ・わ

 


 

2001年入庁(税務課)。2015〜2017年に高齢介護課において、総合事業や生活支援体制整備事業の立ち上げを担当。
この時、大阪ええまちプロジェクトの支援を受けたことが、プロボノ参加のきっかけに。
さらに、プロジェクトメンバーに刺激を受け、2021年に社会福祉士国家資格を取得。
企画全般、公民連携、ふるさと納税等を担当。

プロボノ支援の受け手から担い手へ

 

――プロボノのきっかけは?

介護保険の地域支援事業で生活支援体制整備事業として誰もが住み慣れた地域でいつまでも暮らしていけるよう、世代を超えた人と人との繋がりを作っていこうと協議体を作る動きが始まった頃、太子町では地域名にちなんで「SASAE愛 太子」という協議会を作っていました。その頃に、大阪府とサービスグラントが協働する「大阪ええまちプロジェクト」を知って、地域側として参加をしたのが最初のプロボノ経験です。協議体の立ち上げにあたっては、社会福祉協議会の職員さんと一緒になって地域内を行脚して関係を作っていくこともしていたのですが、どうしても高齢者中心の集まりになっていました。そこで、より若い世代に向けてSNSによる情報発信を4人のプロボノチームに手伝ってもらい、スマホも持ったこともない協議体メンバーが自分たちの力でFacebookを発信するまでの道筋をつけていくことに取り組みました。どんな情報を発信していくのかの意識や感じている課題もバラバラだったので、ワークショップで課題整理をしながらイメージを共有したり、SNSのリスクも整理して教えてもらいました。

 

大阪ええまちプロジェクト ウェブサイトより写真引用

 

準備1ヶ月、本番当日1日の1DAYプロボノという枠組みでしたが、支援を受ける側の経験から「これまでに持っていたボランティアのイメージよりは、大人の学びの場、という印象が強くて、プロボノって面白いやん」と今度は支援する側にも興味が出てきたので、同じええまちプロジェクトのプロボノメンバーに手を挙げて、河内長野の生活困りごとサポートこ・こ・わさんの課題整理に参加しました。

 

業務の経験がそのまま活きた

 

大阪ええまちプロジェクト ウェブサイトより写真引用

 

――プロボノプロジェクトに参加された感想は?

こ・こ・わさんは、団体を立ち上げたばかりで、自分たちの活動をどう知らしめていくのかというフェーズにあり、プロボノメンバー4人で河内長野を訪問して関係者ヒアリングや、膝を突き合わせてワークショップを行いながら課題の見える化をしていきました。介護保険の事業計画を本業で担当していたこともあって、人口推計など業務での経験がそのまま活きた場面も多くありました。

国税調査のデータで、誰でもウェブサイトから取得可能な数字を使って、5歳階級別の人口をプロットして人口推計まで自分たちでできます。最初支援に入った時は今の課題整理で終わりそうだったけれど、同じチームの中に社会福祉士の人がいて、自分たちでも持続可能で自分の地域に根ざした活動になった方がいいのではないか?!という導きがあってのデータ分析になりました。

プロボノに求められるスキルは、とても高度なスキル、ということではなく、少し得意と言うことでも役に立てると感じています。専門性が高すぎると逆に支援先団体やメンバーには言葉も意味も伝わらない場面もちょこちょこあって、その間の橋渡しや翻訳をするときに、ちょっと色々とかじっている、人より少しわかること、得意なことが多い人の方が強いし役に立つと思います。市民の方に常にわかりやすく伝える、間に入って取り持つ、人よりもちょっと知っていること、ちょっと得意なことがあることは実はスキルと言えるのではないかと思います。

 

――職場の上司や同僚の反応、総務・人事課の受け止め方はどうですか?

役場としてプロボノの支援を受けて、プロボノ参加するときには人事には話はしました。特段何も問題なく、報酬を得る時には辞退するか給料から差し引くか、とは言われたが、副業という取り扱いではなく、案外理解は得られました。ええまちプロジェクトで関わった時の上司が今の人事担当課長ということもありますが、理解のある職場かなと思います。

 

プロボノは学び、民間との他流試合

 

――プロボノプロジェクトに参加された感想は?

公務員の資格化の話題は研修でも話が出ました。役場に入った頃は他の市町村の事例を真似ることでなんとかなっていたのが、地方創生や分権、地域で自力でしないといけない仕事が増えてきたと感じています。公務員の資格化や、雇用の流動化も出てきて、スキルアップ、自己研鑽、民間との他流試合を通じてバキバキあげていく必要はあるのかなと思っています。

役所で仕事をしていると、日々無事に過ごしてはいけるのですが、ひとりで完結する仕事はないし、人との関わりは大事だと思います。民間の人と関わることで、自分に足りないスキルが見えて、同じチームにいた社会福祉士さんの人との関わり合いのスキルを見て、そこが足りないなと、自分も社会福祉士の資格取得に至りました。プロボノを通じて次のステージが見えたなと思います。

 

プロボノは職場の研修では得られない学びがあって、「学び」というテーマでプロボノを見ることが多いのですが、ええまちプロジェクトを通じて同じチームの人に刺激を受けて社会福祉士の国家資格の取得までいきましたし、僕とメンバー相互に作用してお互いの学びになっているのかなと肌感でもあって、生きた学びの場とは実感できたところです。学びの場で得られるものも多いし、その後、今でも友人としてプロジェクトが終わった後も繋がって、それこそ、真面目なソーシャルな話をしたり、お酒を飲んだりの付き合い、関係性、人の幅が広がることもありますし、プロボノはやらないと損だなと思うので一歩踏み出してもらえたらと思います。

 


 

▼プロボノでのプロジェクト参加へご関心をお持ちになった方は、こちらのページも併せてご覧ください。

▼プロボノ参加者向け説明会を随時行っています。以下より日程をご確認ください。

「プロボノ参加者向け説明会」

 

※本レポートは、2022年1月22日開催、サービスグラントでのプロボノ経験を持つ公務員有志に夜イベント「今も未来も変えられる、公務員プロボノという選択肢。」(https://probono-by-komuin-vol1.peatix.com)の内容を編集しました。

※プロボノとは・・・「公共善のために」を意味するラテン語「Pro Bono Publico」を語源とする言葉で、【社会的・公共的な目的のために、職業上のスキルや専門知識を活かして取り組むボランティア活動】を意味します。詳しくはこちらをご参照ください。

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