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鹿島悠太さん(コンサルタント/ビジネスアナリスト)

文字に落として合意を図る大切さ、インクルーシブネスを体得する経験

 

 

鹿島悠太さん(コンサルタント)
プロボノでの役割:ビジネスアナリスト
参加プロジェクト:1回目 コミュニティネットSSC大泉(2020年) 

     2回目 NPO法人全国SCD・MSA友の会(2021年)

 


 

社会課題のリテラシーの向上、プロボノ経験の共有を目的に開催している大人の社会科見学 onlineの企画、「越境体験ことはじめ」の中でのインタビュー内容をもとに編集しました。

なぜプロボノに参加しようと思いましたか?

 

理由は大きく2つです。1つは仕事面です。前職はメーカーでサプライチェーンの開発・改善の仕事をしていました。現在はコンサルタントとして働いていますが、プロジェクト型のワークが多いので、その経験を仕事以外でもなんでもいいので積みたいなと思って探していた時に、見つけて参加しました。

もう一つはプライベートというか、人生設計上の動機です。大学生時代に国際協力NGOの学生ボランティアをしていました。自分としてはあまり貢献できていない感覚があった中で、社会人ボランティアで参加されていた方が着々とタスクを進めていて、ボランティアながらもきちんと団体に貢献しておられるところを目の当たりにして、いつしかそうなりたいなぁ、みたいな憧れがありました。私もある程度、企業で働いてきて年数も経ってきたので、少しは貢献できるのではないかと思って参加したところがあります。

 

参加したプロジェクトは?


2020年にコミュニティネットSSC大泉さんの「事業計画立案」に
ビジネスアナリストとして参加しました。練馬区の地域総合型スポーツクラブで、80の教室・クラブ活動運営をしていて、会員規模1000人という団体がさらに地域に根ざして発展していくため、次に目指すべき新たな目標設定、運営の方向性を提案しました。

翌2021年は、NPO法人全国SCD・MSA友の会さんの「ウェブサイト改善提案」にマーケッターとして参加しました。全国に約4万人と言われる進行性の神経難病である脊髄小脳変性症(SCD)・多系統萎縮症(MSA)の患者団体のウェブサイトリニューアルに向けて、関係者の声を集め、課題等の抽出、発信する情報整理、ウェブサイトの全体像設計に取り組み提案しました。今年も3プロジェクト目にプロジェクトマネジャーとして参加中で、年に1回のプロボノ活動となりつつあります。


コミュニティネットSSC大泉さんの事業計画立案のプロジェクトでは、地域総合型スポーツクラブの運営について応援しました。

 

 

会社以外の場に越境して感じた違和感・居心地の悪さなどはありましたか?
また、それをどう乗り越え、解消していきましたか?

 

1番の感想は、参加して楽しかった、新鮮だった、ということです。一番強烈に面白かったのは、課題や物事に対するアプローチ、考え方が、メンバーによってぜんぜん違うところがです。僕は仕事柄、コツコツやって、エビデンスを残して着実に積み上げていく仕事の進め方が当たり前にあるのですが、テレビ局で働いているメンバーの「ビジュアルから攻めていく!」という発想が、面白く、また日常との違和感もあって、「じゃあ、どう落ち着かせるの?」というところは難しかったです。

違和感ということでは、団体さんとのやりとりの中で感じたことはあります。サービスグラントのプロジェクトでは最初に団体さんと目的や、課題を事前に調整した上でプロボノがスタートしますが、団体さんのヒアリングを進めると、「あれ?そもそも違う?!」という感覚にぶち当たりました。紐解いていくと、2回目に参加したウェブサイト改善提案のプロジェクトでは、会員数減少という課題という背景があってのプロジェクトでしたが、団体さんの中では、活動に参加してこういう風になってもらいたいが、それが実現していないことの方が問題で、会員数の減少について実はそんな大きなことではないと意見される方もいらっしゃいました。企業で一番に考える利潤ではなく、人をどう変えるかの重要度が高かったり、考え方はいろいろあるんだなぁと強く感じたことがありました。仕事では、与件について粛々と詰めていくのが普通ですが、団体内部も実は一枚岩ではない色々な考え方があって「そもそも・・・」という意見から再度、課題を煮詰めていく進み方には違和感がありました。でも、いろいろ関わる人同士の議論を重ねて決めていくプロセスは、少し時間はかかりましたが面白かったですし、最終的には期限内で終わり、結果いい経験になったと思っています。

 

プロジェクトを通じて得たもの、学んだことは何でしたか?

 

まず、メンバー同士のアプローチが違う、思っていることが全然違うということです。同じ会社ならなんとなく、このぐらいの人はこういうことが出来るよね、ということがわかるけど、プロボノプロジェクトで異業種の皆さんとチームを組む場合にはそれがない。だから、とにかく「字面に落としていく」、「事前に共有する」ことをしつつ、Slack(コミュニケーションツール)でわからないことはちゃんと聞きながら、文字に落としてみんなで一歩一歩前へ、認識を合わせながら進めていくやり方をしました。会社だとそんなこといまさら聞くなよ、とか思われないかなぁ、と少し聞くことにも躊躇がありますが、チームのみんながフラットな関係であることで、なんとかやれたかなと思います。

団体の関係者にも個別にヒアリングをさせてもらいながら字面に落とし込み、しっかり認識合わせをしていきました。団体に関わる方もボランティアの方も多いので、指揮命令系統の把握も含め、普段の仕事とは違うところがあります。だからこそ、うまく落としどころをみつけながら、丁寧に言語化して、合意をしていくことを、仕事よりもちゃんとやったかなという感じはします。

いろんな人がいる中で、どのようにいいものを作り上げていくか? アプローチしていくのか?という時に、「暗黙知」や「言わなくてもわかるでしょ!」ではなく、むしろ、きちんと思っていることを、しっかりと字面に落として合意していくところは学びになりました。改めて、言葉にして合意していくことは重要なんだなと感じましたし、実際に各プロジェクトでそれがきちんとやれたのかなとも思います。これは仕事上でも当然のことではありますが、改めて違う方向から学べたなという感じがします。


NPO法人全国SCD・MSA友の会 ウェブサイトリニューアル設計プロジェクト、団体さんとの顔合わせの時の様子。コロナ禍のオンライン進行のため、画面上で、握手、グータッチのポーズ。

 

仕事、あるいは今後のご自身のキャリアに活かせることはありますか?

 

最近、「インクルーシブネス」という言葉を聞く機会があって、いろんな人たちの考え方をうまくまとめていくといいものが出来る、という考え方を持っています。カタカナだとその意味がわかりづらいと思っていましたが、プロボノを体験して、いろんな人たちとプロジェクトを進めていくと、「なるほどね!インクルーシブネスというのはこういうことかも!」と実感として湧きました。いまインクルーシブということに興味が湧いていて、今、仕事の中でも足を踏み入れつつあります。仕事から一歩外に出て、いろいろなことを経験して人生のキャリアを積んでいくことは、意外とできるなとも思いました。プロボノや仕事以外にも、いろんなことにも手を出しても、なんとかやっていけると思える、踏み出せるきっかけとしてのプロボノ経験だったなと思います。


 

▼プロボノでのプロジェクト参加へご関心をお持ちになった方は、こちらのページも併せてご覧ください。

▼プロボノ参加者向け説明会を随時行っています。以下より日程をご確認ください。

「プロボノ参加者向け説明会」

 

※本レポートは、2022年8月20日開催、サービスグラントでのプロボノ経験を持つ有志メンバーが社会課題のリテラシーを高めたり、プロボノの経験の共有を目的に企画運営に関わる「大人の社会科見学 online 2022 Vol.1 越境体験ことはじめ」の内容を編集し掲載しています。

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