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Hello Pro Bono OSAKA 2010
ダイジェストレポート

Hello Pro Bono OSAKA 2010
ダイジェストレポート

 

■ 開催概要
日時 : 2010年10月2日(土)18:30〜20:30
場所 : 西梅田「ブリーゼプラザ」小ホール
来場者数 : 147人

 

オープニング

 

土曜日の夕方のリラックスタイム。会場隣の大ホールには演劇を見に来たお客さんたちが行列をつくる中、フォーラム会場にも147名の皆さまにお集まりいただきました。大阪・京都・神戸などで働くビジネスパーソンのみなさま、そして、NPOで活動するみなさま、大学生など、幅広い来場者にお集まりいただくことができました。
控室では、総合司会の生駒さんを中心に、和気あいあいとしたムード。これからの2時間が楽しみ〜、という雰囲気が漂います。

 

そして、いよいよ定刻と同時に、総合司会の生駒芳子さん、ゲストコメンテーターの服部滋樹さん、池田正昭さんが会場後方からステージに登場。さあ、プロボノフォーラム、いよいよスタートです!

 

“僕自身もプロボノについてはよくわかっていないので、皆さんと同じような状態で聞くような感じかもしれないけど…。ただ僕がやってることというのは、暮らしの中に発見を生む、というところから社会が変わればいいな、という感じなんですよ。そこらへんで何か関わっていければと思っています。”
by 服部滋樹さん

 

 

セッション1
プロボノの基本とNPOのニーズ

 

最初のセッションは「プロボノの基本とNPOのニーズ」と題し、プロボノという言葉についての解説を本フォーラムの主催者であるサービスグラント・嵯峨から、そして、プロボノによるサポートを受けるNPOの視点から見たプロボノの姿をNPO法人イージェイネットの瀧野さんから報告いただきました。プロボノとは何か、プロボノがどのようにNPOや社会に役立ちうるか、そのエッセンスに触れるセッションとなりました。

 

“下心というのかな…、(プロボノ活動の)その先に自分のキャリアアップだったり、もっと視野を広げて他の仕事に就きたいとか、そんな思いも抱えた上で参加される方が多いのではという気がします。”
by 池田正昭さん

 

これって反転しないんですかね? プロボノやって自分の生きがいを見つけて、そっち側がメインのライフワークに変わるってことがないんですかね? そもそも会社って、社会のために何かを誰かのために何かをやっているはずだから、目的はそうなはずなんだけどなぁと思って。”
by 服部滋樹さん

 

“ある種、異業種交流ではないですが、外の世界にもうひとつの自分のソサエティーが持てる、みたいな。”
by 生駒芳子さん

 

 

NPO法人 イージェイネット代表理事の瀧野さんのプレゼンテーションでは、ボランティアメンバーによる提案資料を披露しながら、プロボノプロジェクトとNPOとの関わり方、支援を受けてよかったことなどが語られました。

 

まずは非常にロジカルにできてるんです!!
by 瀧野敏子さん

 

“プロジェクトを進行させることで、私自身がこの今やっているホスピレート事業を客観的に見つめることができたということと、制作過程でこのプロフェッショナルな人たちとの関わりにおいて、プロの思考過程とか作業のプロセスを目の当たりにできたということ、それから、日本にもやはりプロボノという高貴な精神ノブレスオブリージュといいますけれども こういうことが存在するとわかって非常に感動したことと、何よりもほとんど無料でナイスなパンフレットができたということが非常にうれしかったなと思います。”
by 瀧野敏子さん

 

“もともと、私、大手代理店にいたということもありまして、今のプレゼン大変興味深く拝見したんですけども、企画書がすごくよくできていて。ここまで開示していいんかな、って思いましたね。”
by 池田正昭さん

 

“仕事を「やらされている感」に悩んでいる方も多い昨今、これだけプロボノというボランティアで力が発揮されているという例をみると、人はやはり何のために働いて、生き甲斐を感じているのかを改めて考えますよね。”
by 生駒芳子さん

 

 

セッション2
プロボノの「ここがええねん」

 

第二部では、これまでに実際にプロボノとしてNPOを応援したことのある三人のゲスト(久保雅之さん・林彩華さん・中根佳菜子さん)に登壇いただき、プロボノの体験を語っていただきました。久保さん・林さんからは、「自分の力がどこまで通用するか」という視点で、それぞれの言葉で、さまざまな角度からのコメントが出てきました。

 

“プロボノで得たものは、いいことも悪いこともいろいろなんですけども(笑)。プロボノ体験の印象を一言でいうと、私にとっては「ショック」でしたね。
by 久保雅之さん

 

“私の場合は、なかなかいろいろ問題はあったんですけど、結果的にうまくいきました。普段いる世界とはぜんぜん違う場所で、今までいろいろやってきたことが、それなりに通用するというか、「貢献できる」と体感できました。”
by 林彩華さん

 

“NPOの世界って、人間関係フラットなんで、偉い・偉くない、経験ある・若い、関係ないです。会社にいるとそこがものすごく重要で、自分より2つぐらい上の相手とは直接会えない、コミュニケーションとれないというのはありますね。そこを全然とっぱらっちゃったところで、人と人として相対して、自分の能力がどこまで発揮できるのかを試せるというのは、自分の経験を振り返ってもすごくいい場だと思いますね。”
by 池田正昭さん

 

お金じゃないインセンティブを与えるチームワークというのはかなり勉強になりました。それを(いまの仕事で)応用させていただいてもいます。”
by 久保雅之さん

 

私は自分の仕事に対して、最終的には社会貢献してると思っているので、あんまり仕事とプロボノに分け隔てはない。ただ、仕事なのでプロボノのようにいかないこととか、プロボノが仕事のようにいかないこととかもあるんですけど、基本的な自分の中に持ってる理念というものはそこにあるので…。”
by 林彩華さん

 

プロボノだからどうとか、仕事だからどうっていう分け方っていうのはあんまりしていなくて。特に仕事が広報関係のツールの制作だというのもあって、近いからっていうのはあるかもしれないですけど、それが企業の利益のためであってもNPOの利益のためであっても、あまり変わりはないのかなっていうのはあります。”
by 中根佳菜子さん

 

“アウトプットするものは同じだと思うんですよ。プロボノで入ってくるインプットと仕事であるインプットと。で、能力を活かすってことだから、自分のフィルターを通したこととしていくじゃないですか。出てくものはきっと同じだと思うんですよね。”
by 服部滋樹さん

 

“あまり仕事で関わることのないような、ものをつくる・注文することに慣れていないような方と一緒に一から何かをつくっていく、全然知らない世界のものをつくっていくという体験は、すごい刺激的でおもしろいことではあるので、新しいものを見てみたいなという方はぜひやってみてほしいなと思います。”
by 中根佳菜子さん

 

 

3人のプロボノ経験者が降壇したあとも、生駒さん、服部さん、池田さんのトークは続いていきました。

 

 

“20世紀型のビジネスのスタイルというのはいままで続いてきて、いま2010年なんだけど、まだ20世紀型をひきずってきたと思うんですよ。同じフォーマットを使って失敗したのがこの10年ばかしなんじゃないかなと思っていて。僕は最近ね、21世紀って2011年からちゃうかっていうことを感じているんですよ。”
by 服部滋樹さん

 

ある種の新しいキャスティングシステムですよね。既製の企業の中の組織だと固まって、やりたくて手を挙げてもさせてくれないようなときに、第三者の目でキャスティングしていくことが、社会の隙間というか、必要なところを埋めていく。”
by 生駒芳子さん

 

“プロボノが初めてNPOと接する機会ということに、多くの皆さんはなると思うんだけれど、接したおかげで、こんどは自分がNPOをつくりたいなという欲求が生まれてくるんじゃないかなと思う。
by 池田正昭さん

 

 

セッション3
ワークショップ

 

最終セッションとなる「ワークショップ」では、ワークシートを用いて、来場者のみなさんそれぞれが「私にできること」と、1ヵ月間で何時間のプロボノ活動ができるかを表す「プロボノ宣言」を書き出し、グループで共有しました。

 

会場全体で提供される「プロボノ時間」を集計すると、なんと合計で15,876時間。ここに、1時間あたりの参考単価7,000円(※)をかけると、プロボノによって生み出される付加価値は【111,132,000円】。1億円を越える結果となりました!

※ 米国でプロボノの分野をけん引する非営利組織「Taproot Foundation」の試算によると、若手ホワイトカラーの1時間あたりの付加価値金額を85ドルと見積もっており、この金額を1ドル=82円で換算するとほぼ7,000円となります。

 

この結果を見ての、ゲストコメンテーターの方々の言葉です。

 

“嵯峨さんがなぜこの活動に取り組むようになったか、理由がわかった気がします。とりあえず1億円がなくても、動き出せるエネルギーがここにあるってことですよね。”
by 池田正昭さん

 

“いいものをつくるっていう目的でみんなが集まってきて、それに関わることで当然、普通の仕事の現場でも、それぞれのスキルが上がったりとか、サイズが大きくなったりとか…。いいものをつくるっていう目的、みんなの目的がそれであれば、どんな形でもいいから当事者になって関わっていくのがいいんやなと、いまの数字を見ててもちょっと思ってました。”
by 服部滋樹さん

 

お金の額というよりパワーですよね、エネルギーですよね。
by 生駒芳子さん

 

 

最後に、ゲストのお二人からひと言ずつコメントをいただきました。

 

 

誰でも、人ってNPO作れると思うんです。で、NPOができたっていうことで、それが自分自身のプラットフォームなんですよね。社会との接点であるし、出会いの場になるわけです。”
by 池田正昭さん

 

“世界で一番いいものをつくろうって思ってやっているだけで、お金がついてきてるかっていうと、世界で一番のお金なんてついてくるわけでもなくて、単純にいいものをつくりたいっていう思いだけなんですよね。だからより新しく、より面白く、よりみんながハッピーになれるものを、みんなで作れたらいいんじゃないかなって、単にそれだけだと思います、きっと。”
by 服部滋樹さん

 

 

参加者アンケートより

 

「自分のスキルに自信がありませんでしたが、今回のフォーラムで肩を押されてサービスグラントさんのプロボノワーカーに登録しました。プロジェクトに参加できなくても、登録者数だけでも盛り上げられるかと。大阪でもぜひ、プロボノが活発に行われるようになればと思います。そして私も参加できるようスキルを磨きたいと思います。」(会社員・個人事業主)

 

「プロボノに関する知識を得ること、関係者の熱意を感じることの両面で、期待を上回る内容でした。ありがとうございました。クリエイターでもマネジメントでもない人のプロボノ参加の事例にも興味があります。(中略)関西で活動が始動したら何らかの形で関わりたいと思っています。応援していますので、頑張ってください。」(会社員・個人事業主)

 

「全国的に広まれば良いなと思うので、地方でも開催して欲しいです。むしろ、地方の方が必要としていると思います。」(会社員・個人事業主)

 

「大変有意義な場に参加できて、とても嬉しく思ってます。大阪でのフォーラムは継続して続けてほしいですし、関西→西日本に拡大していただきたいです。個人の登録だけでなく、企業としての登録を可能にして、プロボノの認知→もっと多くのNPOとのコラボが実現できればいいな、と思います。関西支部立ち上げ、頑張ってください!応援しています!」(会社員・個人事業主)

 

「説明会を伺い、参加するための壁を低くし、NPO活動の効化をあげる存在として、プロボノの仕組みは画期的だと思いました。また、拙い経験しかありませんが、是非とも参加したいと思いました。私も、キャリアの中で、最終的には日本の将来世代のために貢献したいと考えています。今後とも、関西を含めたプロボノの展開を期待しております。」(学生・その他)

 

「利益なくボランティアで取り組むという気持ちの方がどのくらいおられるのか?と思っていたが、若い力が…若い方々がプロボノを知ろうと多く集まっておられた事にちょっとびっくりだった。しかし関西と関東での資質の違いがあるので関西で成功するかは分からないけれど。私たちに必要なコンテンツにマッチングした人と出会いたいと思っている。(中略)参加させていただけたことで、自分のモチベーションが非常に上がったことは大変有意義だった。ありがとうございました。」(NPO関係者)

 

ご来場の皆さま、そして、この記事をお読みいただいた皆さま、本当にありがとうございました!!

 

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