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プロボノフォーラム OSAKA 2011
ダイジェストレポート

プロボノフォーラム OSAKA 2011
ダイジェストレポート

 

■開催概要

日時:2011年11月23日(水・祝)15:00〜20:00
場所:大阪・中之島デザインミュージアムde sign de
来場者:120名
共同主催:パナソニック株式会社

 

 

オープニング

 

開始前にざぁーと雨がひと降り。無事に皆さまにお越し頂けるのかと心配した場面もありましたが、川沿いに上品に佇む中之島デザインミュージアム de sign deには、“プロボノ”を共通のキーワードとするビジネスパーソン、クリエイター、NPO関係者、行政関係者、学生の皆さまなどなど120名が一堂にお集まりいただくことができました。

 

今回のプロボノフォーラムOSAKA2011では、2011年4月より開始したサービスグラント関西のプロジェクトの主役であるプロボノワーカーから代表の3名、NPO6団体をゲストスピーカーにお招きし、

・プロボノワーカーの視点
・プロボノによる支援を受けたNPOの視点
・客観的な立場からプロジェクトを見つめた第三者の視点

という3つの異なるポイントからプロボノを考えました。

 

 

トークセッション#1
「2011 プロボノ総括」

 

初年度のサービスグラントでは、支援先6団体に対して約30名のプロボノワーカーにご参加頂きました。そこにはどんな社会人が集い、どんなNPOに対して、どんなサポートを提供し、どんなエピソードが生まれたのか? 今年度のプロボノプロジェクト全参加者を代表して日常生活支援ネットワークのプロジェクトマネジャー福田寛久さん、チャイルド・リソース・センターチームのマーケッター木村範子さん、ノーベルチームのコピーライター奥野妙子さんのお三方にリアルな声をお聞きしました。

 

 

■今の本当の気持ち 

 

いい仲間との出会い。

半分はほっとして、半分はちょっとさみしいな。7か月前までは全然知らなかったメンバー5人がリーフレットを完成させるために1か月に2回くらいの頻度で集まって、延べ400本くらいメールをやり取りしながらコミュニケーションを深めていく中で、いい仲間と出会えた。(福田さん)

 

忙しくても参加。そして勉強。

関西で初めてなので、どれくらいの人が関心を持っているのかと興味がありましたが、忙しい中でも時間を取って活動に参加しようと思う人ばかりということに元気づけられてエントリーに至った経緯があります。実際のチームもクリエイターの方、SEさん、司法書士さん、皆さん忙しい中でもやろう! という方ばかり。本当に勉強させて頂いているなというのが今の感想です。(木村さん)

 

ものづくりを見直す。

私の本業はコピーライターで仕事は突発的に発生するものをこなすということも多いのですが、今回のプロジェクトは丁寧に段階を踏んでものを作って行けました。モノづくりに関わっている方にはモノづくりって何だろうと見直すいい機会になるのではないかと思います。みんな職種も違うし、経験も全然違うのですが一つの目的に向かう仲間が出来るというのか、仕事に戻っても、あの人もこういうことを言っていたよなぁと思い出したり、みんなも頑張っているから私も頑張ろうと頼れる仲間ができたのはよかったなと思います。(奥野さん)

 

 

■プロジェクト期間中の山場と壁の乗り越え方

 

最初の関係づくり ⇔ 必殺裏ボノ

最初の段階が一番大変で、全く会社も違うし、職種も違うし顔も知らんかった初めて会うメンバー5人が会ってリーフレットを作っていかなければいけない。なおかつ、クライアントさん(NPO)の状況も全く知らないという中で最初の関係づくりが大きな壁だったかな。
壁の乗り越え方はまずは飲みにいく! プロボノが表だとするなら、飲み会は“裏ボノ”。仕事とも同じで表と裏がうまく動いていけばチームとしてもうまく回る、その部分が一番大変だったしそこを乗り越えられたのが早かったので後がスムーズだったと思います。(福田さん)

 

スケジューリング ⇔ 切替上手なPMの存在感

我がチームは個人で仕事されている方もいらしてミーティングの時間を取るだけでも必死!という時期はありました。が、前半マーケティングフェーズ、後半制作フェーズという分担とPMさんの即座の頭の切り替えで、関係性や時間、ペースの調整を上手にやって下さったので動きやすかった。働いている者どうしなので強制的ではなくみんなが参加できる状態で自然にやりましょう、と色々と配慮して下さったのは山場を乗り越える一つのきっかけだったかなと思っています。(木村さん)

 

NPOとの合意形成 ⇔ 直接の語り合い・話し合い

まだ制作中なのですが、チームからウェブサイトに関するプレゼンをした後、ノーベルさんから意見が返ってきた時に私達だけで話し合っていても仕方ないね、という意見に達し、ノーベルさんのメンバーも交えて直接話し合いをしました。それによってだんだんとゴールが見えたというのが一番の山場だったかなと思います。(奥野さん)

 

 

■プロボノは果たして参加する側にとってプラスとなるのか!?

 

サードプレイスを持つ

仕事以外、家庭以外のところにサードプレイス的なものを持つというのはこんなにいろいろな所にいい影響を与えるのかなと思いました。こういうボランティアをしていると余計忙しくなったりとか家に帰るのが遅くなったりするのですが、それが逆に自分自身にとっては楽しい時間になってきたりして、参加しないと分からないところかもしれないですけど、自分の家庭、職場以外に居場所があるのはいいことだなと思います。(福田さん)

 

新しい視野の広がり。

業界も違うし、視点も違うという人と一緒にいる、というのは自分にとっては刺激になったのは一つあって、社内だけでは自分の視点が狭まったり止まってしまう状況になることも。全く違う人達と触れ合うことで違う突破口が出来るというか風穴が開くという感じを受けました。一般の電機メーカーに勤めていて児童相談所の所長さんにお話を聞くということはないわけで、社会がどうあるのかを垣間見るというか、詳らかに情報が入ってくるというところから自分の見えない視点、新しい自分の視野が出来るというのはプラスだったと思います。(木村さん)

 

一からクライアントに関わる。仕事とは一味違うスタイル。

自分の視野が広がるということと自分の範囲で見ていたことが広い範囲で見ることができるということで気持ちの余裕ができ、本業でイライラすることも減ったかな。通常のウェブ制作の仕事では、一から関わるということがなくて出来上がった段階でここだけ書き換えてという仕事が多かった。クライアントさんに一から関わることで今まで見えなかったことに気付く、知るという点はスキルに直結しているなと思います。(奥野さん)

 

 

■プロボノに関わるということについてメッセージ

 

仕事以外で面白いことしたいなと思うなら!

仕事以外でも面白いことがしたいな、と思う人やったら絶対やるべきやと僕は思ってます。ここに参加することで色々な人との出会いや勉強できるきっかけは与えてもらえるがその先をどれくらい面白くするのかは個人個人だし、チームのみんなでどうやって面白くしていこうかなということにかかって来る。こういう機会があるからこそ面白いことが出来たし、皆さんの中でもたくさん登録して頂いてプロボノを楽しくできる人が増えていくといいなと思います。

 

迷うならまず…!

 

迷うならまずエントリー、迷うならまずやってみようということかもしれないと思います。私のプロジェクトの相棒は司法書士さんなのですが人に会うのにてらいがないし、仕事柄どんどんと質問をしていかれるのですが非常に話の聞き方がうまい。プロジェクトマネジャーさんのプロジェクトのまわし方であったり、非常に勉強する所が多いし、新しいNPOとの接点があり、自分が開眼!視野が広がりますので迷うならやってみようというのがメッセージかと思います。

 

時には自分の時間も削りながらそれでもがんばることが楽しさを生む。

仲間ができるということ、新しい視野が生まれるということなど楽しいこともたくさんありますし、参加することもおススメです。ただ、普段の仕事も忙しいので、余暇だけでなくさらに自分の時間を削ってでもやらなければいけないことも出てくる。そこはガッツで乗り切るしかないと思うのですが、そうやって頑張ることがさらにプロボノを楽しくさせてくれるところだと思うので、何かしたいと思う方にはおススメです。

 

まとめ

 

全く一緒に仕事したことがない色々な会社、色々な分野、NPOという組織カルチャーの異なる所と相対しながら成果物に繋げていく。サポートを受けるというよりも、NPOさん自身も一緒に関わって、互いが変化をして成長していくということがプロボノにとっても大切なのだと思います。

 

 

【トークセッション#2】
「NPOの悩みとは? プロボノの価値とは?」

 

大阪を舞台に、ユニークな切り口でさまざまな分野の社会的課題解決に取り組む支援先NPOの代表者がご参集。それぞれの取組についてご報告いただきながら、NPOが何を目指して活動をし、プロボノはどういう存在なのか、NPOの素顔に迫りました。

 

※< >は提供成果物です。

 

 


 

■本当によく話を聞いてくれた−企業論理の押しつけ、パワーバランスの懸念も払しょく

NPO法人 日常生活支援ネットワーク 事務局コーディネーター 椎名 保友さん 
“障がい者の生活支援とともに、福祉の専門的人材育成や、福祉現場スタッフの交流を図っています。”
<提供成果物:パンフレット>

 


 

我々のスタッフを見渡すと、ほとんどは誰かの友達や息子さんなどで、ウェブに情報を投げるよりも口コミで来た人にピンポイントで活動を知ってもらって一緒に働いてもらうケースがほとんど。そうしたピンポイントで出会った人に手渡し活動を知ってもらうリーフレットが必要でした。
NPOも一緒だと思いますが福祉業界の人間はエネルギーもいいたいこともたくさんあるけれど、それをメッセージとしてどうやって整理したらいいのかが分からない。今回、プロボノの第三者の目を通じて、一緒に働きたい人にピンポイントにアプローチする時にどうやって情報整理したらいいのかを学びたいという目的もありました。

 

プロボノの皆さんと関わって一番大きかったのは本当に話をよく聞いてくれたこと、また提案をいっぱいいただいたことです。キックオフ以降、壁にぶちあたったのは僕自身がメンバーにとにかく熱い思いをぶつけたらいいのではないか、資料をたくさん渡せばいいのではないかと思って情報を過多に与えたということ。そして、我々の前提は障がい者=利用者ではなく、障がい者の方も僕らと一緒に障がい者を支えるメンバーであるという理念についての理解を得る所に少し時間を要しましたが、コミュニケーションをたくさん取る中で分かって頂きましたし、信頼感が本当にあったのでうまくいったかなと思います。

 

ただNPOとしても心配もありました。企業論理のやり方を押し付けられるということがNPOにはよくあり、そうならないといいな、と。またパワーバランス的に僕らが負けてしまうと自分が望んでいないものが最終的にリーフレットになってしまうことへの懸念がありました。結果的に本当に濃い7か月間をご一緒することができ、十分に満足する出来栄えにまとめてもらえました。僕自身も現場の講座を担当する際に手渡していきたいし、このリーフレットで就業支援の紹介をしたい。そして、同じような障がい者支援の分野の団体にもこんな表現があるんだな、と参考にしてもらえる一つの指針になればと思います

 

 


 

■マーケティングをする、というこれまでになかった新しい感覚

財団法人 箕面市国際交流協会 事務局長 岩城 あすかさん 
“市内に住む外国人の支援と同時に、外国人との交流を機会とする新しい事業の企画に挑戦しています。”
<提供成果物:ウェブサイト>

 


 

箕面市人口13万の中で1.7%にあたる約2,200名が79か国から来られている外国人です。市の外郭団体なので資金援助はありますが財政難により右肩下がりで、事業の継続性を担保することが年々難しくなっています。定例的には多言語による相談業務や日本語教室、食文化交流などのプログラム提供や行政情報の翻訳などを手掛けています。現在のウェブサイトは4言語で作っていますが本当に分かりにくい。何をしている所なのか? を一言で説明できない、外国人の人もどこを見ていいのか分からないという悩みがありました。

 

プロジェクト初期に、「マーケティングをする」、この感覚がそもそも我々にはなかったのですが、紹介させていただいた色々な関係者に話を聞き、いいたいことだけを並べるのではなくユーザー目線の考え方に変えていこうという指摘をもらいました。

 

日本人と外国人二つのユーザーにマイノリティーに関する事業内容をどう伝えるか、身内ではどうしていいのか分からないウェブサイトに対して、真面目に一緒に考えて下さる方々がいるというのは本当に新鮮でした。全く立場の違う人達と意見交換すると盲点を突かれる質問があったり、普段のボランティアさんに対する気遣いとは異なっていたり、いろいろな意見を出し合えたのはありがたかったです今まだまだ制作のまっただ中ですが、ユーザーさんにとって使いやすいホームページ完成に向けて引き続き頑張りたいと思います。

 

 


 

■会のことを一から見直すきっかけにも

NPO法人 ニッポンバラタナゴ高安研究会 理事長 加納 義彦さん、松葉 成生さん
“八尾市高安地区をフィールドに、生態系の回復と生物多様性確保のモデルとなる活動を行っています。”
<提供成果物:ウェブサイト>

 


 

大阪府のはずれ八尾市の高安地区、里山の風景が残っている地域で絶滅危惧種であるニッポンバラタナゴの保護、里山再生、環境モデル地域の維持、次世代の環境教育を柱に活動しています。ニッポンバラタナゴとは5センチくらいの鯉の仲間で雄は繁殖期に雌を誘うためにバラ色に見えるところからバラタナゴと言われています。雌は淡水二枚貝に卵を産むという変わった性質があります。卵を産むときに赤ちゃんの弱い時期を貝の中で過ごすのでタナゴ類が生きているためには二枚貝やその他の環境も必要となります。

 

会にとって必要なものは活動費用と会員の増加、スタッフの確保と色々ありますがプロボノに期待したところは情報発信のサポート。プロボノの方には実際にため池の活動を見に来て一緒に動いていただいた他、本当に親身になって頂きました。今後、100年後の子どもにも残す「未来遺産」として継続的な里山再生の活動なども行っていきますし、新しいホームぺージによって、より多くの「一般の方」にも活動を見てもらえるようになればと思っています。
プロボノにお世話になったことで会のことを一から考え直す大きなきっかけ、機会を与えて頂いたと思います。ありがとうございました。

 


 

■全部一人称、私達はこうやってますばっかりだったことに気が付きました

NPO法人 花と緑のネットワークとよなか 代表理事 高島 邦子さん 
“豊中市を拠点に、循環型社会の形成を目指し、食品リサイクルや地産地消の取り組みを行っています。”
<提供成果物:ウェブサイト>

 


 

花と緑の活動は生ごみ実験プロジェクトとして12年前から始まり、2年半の実験活動を経て2002年に市が5,000万円をかけて土壌改良剤「とよっぴー(豊肥)」の生産施設を建設。無償ボランティアとして「とよっぴー」を使った資源循環活動から始めましたが、現在は市がたい肥を売ったお金を活動費に充当してもよいということで、そこから活動内容も非常に増えてきました。私たちはたくさんのボランティアで成り立っている組織ですが、市と一緒に活動している部分も多いので、市民の方からも誤解されることも多く、その辺りの理解をしてもらうにはどうしたらいいかなと思っていました。

 

プロボノとの交流で私たちはウェブでもチラシでも全部一人称、私達はこうやってますばっかりだったことに気が付きました。誰が見ているか、ターゲットが誰なのかは抜けていたのかなと思います。私たちはこうしている、ということだけだと、「頑張ってるね」「しっかりね」それだけで終わってしまうのですね。
元々の期待との違いですが、はじめは受け身的で何かしてもらえるだろう、客観的にアドバイスいただくだろうというだけだったのですが、毎回「どういう組織ですか?」とかヒアリングなどで色々と聞いて頂いてウェブを作るための資料を作ることも本気、直球勝負で本当にプロや! と思いました。

 

期限があるプロボノなので、普段はある種甘えているというか活動忙しいからと期限の意識が薄いところがありますが、仕事を終えてさらに我々の団体のために活動をして下さっている時間を無駄にしないように交互にキャッチボールすることに努めました。だからこっちもちょっとしんどかったです。正直ですが(笑)、今後のリニューアルを機に豊岡市の力も借りながらしたたかにやって行きたいなと思っています。

 

※試食というサプライズがあり、「とよっぴー」の土で育てた「大根の浅漬け」をお持ち頂きました。
※また、ウェブリニューアルのBefore /After画像をお見せすると会場全体から驚きの変化にどよめきが起こりました。

 


 

■自分たちのためにご自身のスキルを投入して下さっている姿に私たち自身がエンパワーメントされました

NPO法人 チャイルド・リソース・センター 代表理事 宮口 智恵さん 
“親子の関係を再統合し、児童虐待の再発防止につながるプログラムを提供しています。”
<提供成果物:ウェブサイト>

 


 

大阪府の中の児童相談所と乳児院において児童虐待の再発防止のための親子のプログラムを提供して5年目を迎える団体です。日本において虐待件数は年間5万件以上ともいわれていて、その中で大阪は最も多く虐待が発生しています。行政機関からの委託を受け、これまで39組95名の個別の親子に1年間かけて付き合い、子どもが自分は生まれてきてよかったと思えたり、親と再び繋がっていけると思ってもらえるなど虐待を受けた子どもたちが再び虐待を受けないように、また親がそうしないように支えていくプログラムを提供しています。

 

親子支援の検証を色々な所でやっており現状ではプログラムに手一杯でホームページにまで割く余力がありません。そのため、会の協力者を増やしたくても児童福祉の関係者の輪という域から出ず、会員さんを外から募るということは難しい状況でした。今回のプロボノでは足りない情報発信にテコ入れをして実際の会員を増やし、親子プログラムを一組でも多く届けるための資金調達に繋がることを期待していました。

 

まったく業界の異なるプロフェッショナルの皆さんが私たちの話を本当によく聞いてくださって、他の人にどうやって伝わるのか、きちんと伝えたい人に届いているのかを一緒に考える機会になりました。虐待の親子を支援しているのでプライバシーのことを考えるとホームページに写真はのせられないし、何をどうやって伝えたらいいのかという時、イメージ図やイラストなど色々なアイディアを出して頂いて一緒に考えて下さっているという姿勢がとっても心強かったです。本当に関心を寄せて話を聞いてくださって、自分たちNPOのためにご自身のスキルを投入して下さっている姿に私たち自身がエンパワーメントされました。

 

現在は作業の途中でプロジェクトマネジャーの方と細かくやり取りしながら進行中です。来月頃の完成後、虐待の再発防止のために親子に向けたこのプログラムが必要なのだということを自信をもってさらに強く言えるようになってくると思いますし、一組でも多くの親子に届ける活動を継続していきたいと思います。

 


 

NPO法人 ノーベル 代表理事 高 亜希さん 

“大阪市を拠点に病児保育の新サービスを通じて、共働き世帯の子育てを支援する事業を行っています。”
<提供成果物:ウェブサイト>

 

今回はスケジュールの関係で、ビデオメッセージでの出演となりました。

 


 

 

Q&A コーナー

 

質問1 NPOさんにお聞きします。サービスグラントの依頼の目的は?

回答1

「情報発信に投資したくてもそのお金がない。聞いたところによるとサービスグラントさんと同じことをお願いしようと思ったら何百万もかかるのが普通だと。、とてもではありませんが限られた資金の中でそれだけのお金は捻出できず、かといって専門家もいません。その中でプロボノのお話があったのは非常にありがたいことでした。」(箕面市国際交流協会)

 

「新しい形でNPOをいかに世に広げるかと考えていた時にプロボノの話があったのでチャレンジさせて頂きました。」(ニッポンバラタナゴ高安研究会)

 

「ノウハウを全く持っていないという所を是非補ってほしかった。」(チャイルド・リソース・センター)

 

質問2 ホームページやパンフレットなどプロモーション以外の応援事例は?

回答2

情報発信支援プログラムとしては、ウェブサイト、パンフレット以外に資金調達につなげるための営業資料の作成や、日常業務の基盤整備の支援としてNPOが実施しているプログラムの運営マニュアル作成による業務効率の向上、事業の水平展開に向けた基盤を支援しています。また、今後もNPOの効果的な支援につながるプログラム開発も行っていく予定です。

 

質問3 プロボノの活動時間はいつですか?

回答3

サービスグラントでは週5時間×6か月を標準的な協力時間の目安としています。
メンバーは業務時間外となる平日の夜や、土日祝日の時間をうまく活用し、メールやリアルミーティングを組み合わせながらプロボノプロジェクトを進行しています。

 

質問4 成果物提供後のフォローはどうするの?

回答4

ウェブサイトの場合、提供後の運用更新についてはサービスグラントの提供範囲外となります。納品時に運用更新に関する簡単な手引書含め、引継ミーティングを行いその後のウェブサイトの活用についてはNPO側の責任として業務範囲を整理しています。
チームは成果物の納品後に一旦は解散となりますが、その後、個人のプロボノとしてのNPOの情報発信やウェブサイトの更新運用、パンフレットの修正などに協力されている事例もあります。

 

質問5 支援先の数は?

回答5

2011年11月末時点で75件です。

 

質問6 プロボノワーカーに求められるスキルは?それぞれの役目は?

回答6

ポジションについては、プロボノワーカーのご紹介ページをご覧ください。

 

質問7 サービスグラントはどうやってNPO法人を決めているのか?

回答7

1年に4回NPOからの申請を受付け、所定の審査基準に従って支援先NPOを決定しています。

 

 

【トークセッション#3】
「私が見たプロボノ〜多角的視点から見たプロボノ」

 

NPOでもプロボノワーカーでもない第三者の視点からプロボノがどのように映っているのか、その可能性とは?企業担当者から見たプロボノ、被災地におけるプロボノの動きや、中国のプロボノ事情など多角的視点からプロボノを見つめます。

 

 


 

<skype中継>
■中国のプロボノ事情 NPO/NGOの規模、そしてプロボノ運営上の課題は万国共通

北京恵沢人志願服務 余 欣甫さん(北京の恵沢人ボランティアセンターでプログラムマネジャー、プロボノの担当者)

 


 

中国におけるプロボノの状況、中国のおけるNGOとNPOを巡る現状をお知らせします。
つい数年前まで中国は大きな政府と小さい市民社会という状況で、中国のNGOという場合には、政府自体の腐敗などを監視するために作られた官製(Government Owned)のNGO=GONGOというものが存在しているのですが、最近は民間から立ち上がったNGOが広がりを見せ始めており、徐々に市民社会が大きくなってきています。中国では法人格を持つNGO・NPO、任意団体合わせて200万団体の規模といわれています。ボランティアといえば、北京オリンピックや上海万博のボランティアなど政府が主導して市民にボランティアをさせるというタイプと、個人や草の根の本当の意味でのボランティアがあり、このところ後者が増えてきています。

 

実際にはボランティアがやりたい専門家や個人はたくさんいるものの、機会や情報が足りない、ボランティアとNPOを繋ぐプラットフォームが足りないために両者が繋がらないのが課題としてあります。そのため、NPO/NGO団体とボランティアを繋ぐ専門家集団としてNPOに対するボランティアの紹介、また、プロボノを中国においても推進することによってNPOセクターを活性化することが我々の役割となります。

 

中国のプロボノは現在のところ、助成財団やヒューレットパッカードなどの企業などがスポンサーとなり、タップルートファウンデーション(サービスグラントのオリジナルプログラムを持ち、サンフランシスコを拠点にプロボノ活動を推進する財団)の支援を受けながら2011年3月から活動を開始し、5件をパイロットとして運営中です。プロジェクトの種類としては、マーケティング、人材に関わるコンサルティング、ソフトウェアのデザインの3つです。支援先は教育関連の団体、ボランティアの促進、地域づくりなどの分野となり、一例としては、北京で活動している教育NPOが北京市内で活動をさらに広げていくためのメディアマーケティングを行いました。IBMとPR会社に勤めるメンバーからなるチームは3ヵ月間、どんなメディアがあるのか、またどのメディアに情報を出すと効果的かレビューしました。

 

プロボノの運営上の課題はやはりスコープの設定です。NPOの方と打ち合わせをする度に新しいことを注文してくるため、事務局が介入をして調整しなければなりませんでした。プロジェクトが始まる段階で作業範囲を明確に決めておくことが重要です。また、初期の段階でNPOをよく知るためのファシリテーションも必要です。来年は20件、そしてその次は中国国内全土に広がる動きにしていきたい他、短期間のコーチングやスキルを持った方を派遣するといった方向性にも取り組んでいきたいと考えています。

 

 

■俯瞰的な視点から見たプロボノの現場の印象とは?

 

トークセッション#3の後半では、サービスグラント関西エリアの立上げにあたって協力をいただきましたパナソニック株式会社社会文化グループ参事の金村さん、そして、デザインサポートで協力をいただいた株式会社チュラキューブ・株式会社きびもく代表取締役の中川さんから見たプロボノについてお話いただきました。

 


 

<ご紹介>
■金村俊治さん

パナソニック株式会社 社会文化グループ参事。

マーケティング、商品企画、経営企画、広報などの仕事に携わり07年より現職。企業市民活動(社会貢献活動)の専門部署で、NPOのキャパシティビルディング支援と広報を担当。

 


 

 

 

本気。NPOの活動に共感してNPOと同じように解決しようと取り組んでいる(金村さん)

 

関西のプロボノには社員も多く関わっているのでチームミーティングやNPOとの打ち合わせに参加させてもらっていますが、本当に皆さん真面目に本気で取り組んでいらっしゃいます。これは仕事でもなく会社からの指示でもありません。仕事で忙しい人ばっかりのはずなのですが、仕事が終わってからの夜の時間、土日の時間を使ってまず担当となったNPOのこと、関係者のことを理解される中でNPOよりも一部詳しい情報を持っていたりするのは驚きです。普段の仕事のマーケティングやマネジメントの経験を活かしながら、この課題であればこういう風に解決していけばいいのではないのかといった方針を、基本的にはメールベースで、適宜実際のミーティングを挟みながら議論していました。

 

参加された皆さんは、NPOの活動に共感し、NPOの課題解決を通じてNPOが取り組んでいる社会課題の解決に貢献しようと取り組んでいるわけですね。ホームページの制作へと辿りつく前に、団体の課題、団体を取り巻く社会課題を理解する、そしてどうやって仕組みを変えていくといいのだろうと考えている姿は本当によくやられているなぁと思います。

 

■企業の社会貢献担当としてプロボノを紹介してよかったですか?

 

今日のメンバーのみなさん、NPOのみなさんのお話がまさに論より証拠で、皆さんにも可能性が伝わったと思いますが、大阪においてプロボノがスタートすることに会社としても貢献できたのは良かったと思っています。会社としてプロボノを推進することについては、当然お金も時間もかけているわけでそれだけの価値があるかについては3つの観点があると思っています。

 

 

[1] 他流試合で気づく 企業人としてのスキル、ノウハウの汎用性

 

 

私自身も違う職場から社会貢献の立場になったわけですが、仕事の経験というのは自分ではそんなに意識もせず、かつ特別な資格を持っているわけではないけれども、特にNPOと接して、いわば“他流試合”をしてみたら、意外にお役に立つことがあるんだなと思ったことがあります。これは、自分自身だけのことではなく、企業人・ビジネスパーソン誰がやってもNPOに対してお役に立つノウハウや経験は持っているのだという前提がまず一つです。なおかつ、個人ではなく、例えば5人なら5人のチームでプロボノを行うと、5人以上の力が出てくるというのがプロボノの魅力であり、それが証明されたのでは、と思います。

 

[2] 社会問題の体感と、変化させようとする力

 

 

社員は当然のことながら、テレビや新聞、セミナーなどを通じ社会問題を知識として知っているわけですが、NPOとのディープなディスカッションや、問題を抱えている人と直接接する機会の中で、知識だけではなく体感と共感を得ること、そして、自分が知るだけでなく動く、変化させようとすること、この実践が大切だと思います。

 

[3] お金ではなく、ノウハウの提供に価値がある

 

 

 

3点目としては、NPOにお金を支援するだけではなく、ノウハウを提供すること、これがNPOのキャパシティビルディングの観点からも役に立ち、意義があることだと思っています。

 

 

■金村さんからのメッセージ>プロボノのますますの広がりへ

 

1年前大阪の人はプロボノを知らかなった人が殆どだったと思いますが、多少知る人が増えてきてこれからも大阪はもちろん、日本でも中国でもプロボノに関心を持ち、参加する人が増えてほしいと思っています。そのために会社として担当としてできることをやっていきたいと思っています。今のプログラムに関してはウェブ制作がメインですがその他にもいろいろなお困りごとはたくさんNPOさんにはありますし、プロボノもウェブ以外にもいろいろなノウハウを持っていますので、その辺りもマッチングしていければなと思っています。

 

 


 

<ご紹介>
■中川悠さん

「関西1週間」の雑誌編集のバックグラウンドを活かし、ウェブや情報誌などのコンテンツ制作を手掛けるとともに、クリエイターや学生への支援、障害者の雇用創出、買い物弱者、地域活性化など社会課題の解決をテーマとしたプロジェクトにも活発に取り組んでいる。

 


 

 

NPOではなく、マーケットを意識した情報発信へ(中川さん)

 

 

僕は二つのプロジェクトのデザイン部分でお手伝いさせていただいています。僕が関わった制作段階には方向性が既に出来上がっていて、各NPOさんのホームページの情報量がものすごく多い中、きっちりマーケットを意識し、伝わることを大事に作ってらっしゃるなと思います。私の方のデザインのクオリティーに対して厳しい言葉も出てくるくらい真剣にされていてなおかつ、自分の余暇も大事にされている。特に情報発信の能力は本当に凄いなと思います。

 

■中川氏が語るプロボノ的活動へのモチベーション

 

色々なことをやっています。

  • 大学生のニートを防ぐ活動
  • 東日本大震災の被災地のことを大学生が学ぶ機会が少ないので座学と被災地訪問の組み合わせた授業を実施
  • 岩手県遠野市を拠点に被災地支援に取り組む一般社団法人プロジェクトネクストのホームページの作成
  • 障害者施設で施設が持っている設備を有効活用したロールケーキの開発
  • 日本最大の多磨霊園で障害者さんがお墓参りを行ってくれるお墓参り代行サービス
  • 京都の障害者施設さんとスキャンスナップといって本を裁断してPDF化するサービスを開始
  • アイパッドを使ってオンデマンドバスを実現し買い物弱者がある過疎化の街を応援できないか

などなど、たくさん取り組んでいます。

 

現在の社会問題の一つの共通の課題というのは街中のコミュニティがないこと、参加したいと思うような面白いアウトプットを作るアイデアが欠けていることだと思います。ソーシャルな分野は予算もないですし、出来ることも限られているのですが、関わった人たちだけはなんとかしようよというスタンスで相談が来たらやる。関わって面白そう、やる意義があるならやる。本当に困っている人がいればアイデアを持って関わって、なおかつ、自分の周りのネットワークを使って解決していきたいと思っています。

 

お金にならないのに関わるモチベーションは、「心配だから」です。ボランティアはいい意味でのおせっかいだしほっとけない証拠。みなさん、おせっかいを広げませんか?!

 

中川さんからのメッセージ>お節介な大阪にしましょう!?

 

行政の方とお話していてあなたがやっていることは行政がやるべきことですよね、といわれたんですね。本当にその通りで、プロボノの先にあるもの、ボランティアの先にあるものは行政がやるべきことだったはずなのですね。行政は変わらずにお金を出しているが、受益者であるNPO側がもらうことが当然になってきていたり、相互のずれが起こってうまく機能していないところもあります。

 

一方で、我々としては自分に何ができるのか!? と民間から関わろうとする、少しでも出来ることがあれば助ける、手伝う、そうすればプロボノともボランティアとも呼ばなくなり、行政のお金ももっと効果的に使われると思います。ひとりずつが困っている人に手を差し伸べられるようなお節介な大阪にしましょう。色々な方に関わって頂ければいい社会になるのではないかなと思います。

 

 

プロボノワーカーのみなさまへ感謝を込めて〜サプライズムービー

 

★サービスグラント 関西エリアインターン小寺君からのサプライズムービー
プロボノフォーラム大阪2011の締めくくりとしては、今年4月からNPO法人サービスグラント関西エリアのインターンとして関わってくれた小寺君による、感謝の気持ちを込めたVTRがサプライズとして会場にてお披露目されました。会場は涙、涙…というのはいい過ぎですが、これまでの各チームのあの時、あの場を切り取った写真が活動の軌跡として胸に迫ってきます。是非ご覧ください。

 

>>サプライズムービーはこちらから<< 

 

寄付金額のご報告

 

当日は社会課題に対するプチアクションとして、ご登壇頂いたNPO団体への寄付の呼びかけを行いました。結果事務局でお預かりした金額は17,100円でした。こちらは、ご指定頂いた各NPOの皆さまに責任を持ってお渡しいたしました。ご協力ありがとうございました。

 

★ご来場の皆さま、そして、このレポートをお読みいただきました皆さま、ありがとうございました★

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