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【開催レポート】企業と社会の人材育成フォーラム当日レポート(12月20日開催)

【開催レポート】企業と社会の人材育成フォーラム当日レポート(12月20日開催)

 

2016年12月20日(火)に、『企業と社会の人材育成フォーラム〜人材育成×社会課題解決による、オープンイノベーションのための基盤づくり[人材育成の新潮流/単独育成の終焉]』を開催しました。

本フォーラムは、企業(ビジネス)×社会課題×人材育成をかけ合わせる、新しい人材育成及びCSR/CSVの潮流について発信・共有しました。
その潮流とは、業種、セクターを超えより多くの組織で、人材育成を共有し合う。さらに、イノベーションに欠かせないファクターとなる社会課題解決(プロボノ)をかけ合わせる。そんな、従来の異業種交流にはない、企業と企業、社会セクターとの関係による双方の課題解決にむけた協働を試行・実践するという流れです。

 

当日は、登壇者・関係者を含め130名を超える方々にご参加いただき、新しい潮流の背景、またその価値・効果について実際の事例紹介をしていくなど、様々な角度からお伝えしました。結果、アンケートの満足度の平均が90点と、皆様にご満足いただける場となりました。

 

【本レポート内容】

  • (1)フォーラム概要・当日資料
  • (2)参加者からの質問への回答

 


 

 

(1)フォーラム概要・当日資料

 

【第一部 企業と社会の人材育成】
人材育成の新潮流とJOIN プラットフォーム構想

 

【登壇者】
株式会社富士ゼロックス総合教育研究所 Societal Leaders プロジェクトリーダー 荒木 健次 氏
富国生命保険相互会社 人材開発本部 部長 矢崎 斉 氏

各企業でイノベーションが求められる今、人材育成にもオープン化の波が本格的に押し寄せています。その新潮流について、その背景や調査データなどをご紹介しました。また、その潮流を形にした、同じ人材育成上の課題を持つ企業が集い、ともに課題解決を進める人財オープンイノベーションネットワーク(JOIN)のプラットフォーム構想についてご紹介しました。

 

>>当日資料はこちらからダウンロードいただけます(PDF)<<

 

 

パネルディスカッション 企業と社会と人材育成の価値

 

【登壇者】
NPO法人プラチナ・ギルドの会 理事長/株式会社日本総合研究所 特別顧問 奥山 俊一 氏
株式会社日立製作所 ICT 事業統括本部CSR 部部長(兼ブランド戦略部)増田 典生 氏
大日本印刷株式会社 研修部 シニアエキスパート 岩波 純生 氏
富国生命保険相互会社 人材開発本部 部長 矢崎 斉 氏
【司会】
NPO法人サービスグラント 代表理事 嵯峨 生馬

 

企業と社会、また人材育成をかけ合わせ、イノベーションを生み出していくために、どういったことが必要なのか、人材育成の立場、CSR/CSV の立場、社会セクターの立場からの見解についてディスカッションを行い、人材育成や社会課題解決をどうイノベーションに結び付けるかを検討しました。

 

当日、登壇者の皆さまにお話しいただいた問いは3問です。

 

  • 【問1】いま、人材育成において課題と感じていること、または、CSR/CSVの推進において今後目指していきたいと考えること
  • 【問2】「社会課題解決」「プロボノ」など、ソーシャルセクターとの交流・連携に期待すること
  • 【問3】個人の気付きや学びを、企業のイノベーションにつなげていくために求められること

 

 

【第二部 オープンイノベーション型人材育成 事例紹介】
プロボノを活用した人材育成『プロボノ価値共創プログラム』

 

【登壇者】
NPO法人サービスグラント 津田 詩織
プロボノ価値共創プログラム参加者の皆さま

 

「プロボノ価値共創プログラム」ではプロボノを人材育成に活用し、社会課題に向き合う非営利組織の課題解決を支援するとともに、参加する社員の社会感度やスキルの向上、異業種とのコラボレーション力を高めます。当日は、プログラムの概要、過去のプログラムの成果物、アンケート結果をご紹介しました。

 

>>当日資料はこちらからダウンロードいただけます(PDF)<<

 

上記の紹介に続きまして、「プロボノ価値共創プログラム」参加された7名の方にご登壇いただき、以下の問いとその回答について、参加してのご感想も含めお話しいただきました。

 

【問1】参加しての感想を一言で
・社会課題に触れ、解決へ向かうプロセス全体を体験して学ぶ
・楽しかったです!

 

【問2】良かったこと、得たこと
・プロボノ×他流試合により、本業で培った力の応用と協働経験ができた
・定年退職後の「はたらく」具体的イメージとその実現に向けた定年前の心技体の準備不足という認識

 

【問3】一番印象に残ったこと/強く感じたこと
・NPOが求める以上のものを提供することに意義があると強く感じた
・課題は直面していることに限らない。本質的な課題は別のところにある

 

【問4】ぶっちゃけ大変だったこと/苦労したこと
・全てといって過言でないくらい大変だったし、苦労もした(それは手近な解に走ることなく、最適解は何か問いかけ続けたため)
・限られた時間の中で、課題解決策としての成果物のレベル感を設定するのが難しかった

 

【問5】普段の業務・研修と大きく異なったこと
・いわゆる研修のような講義はなし。3Daysは、成果をだす活動であった(NOT研修 NOTインプット)
・異業種やNPOの皆さんと真剣にプログラムに取り組めるところ(例:課題に取り組む研修とは、当然ですがリアル感が格段に違った)
・社外の方と実践を通して成果をだすというリアルな体験学習

 

【問6】参加者から見た今後のプログラムの課題
・プロボノ体験としては時間的に恐らく不十分だと感じ、プロボノというツールを活用して誰にどんな価値を提供するか?の更なる明確化(尖らせ方)が課題と感じました
・研修担当者からのメッセージ!(なぜプログラムをやり、そこに参加させるのか)

 

 

 

リーダー社員による高校生のキャリア授業『仕事のチカラ』

 

【登壇者】
NPO法人じぶん未来クラブ 副代表 大野高史 氏

 

「仕事のチカラ」は、社員が高校生向けのキャリア授業プログラムを企画、実施するプログラムです。高校生たちは仕事の意味や醍醐味を知ることができ、教える側の社員たちは授業の企画、実施を通じて仕事への情熱を再燃させていきます。
当日は、キャリア授業をする必要性、プログラム概要や効果についてお伝えしました。

 

>>当日資料はこちらからダウンロードいただけます(PDF)<<

 

 

(2)参加者からの質問への回答  

 

Q:【大日本印刷 岩波様向けの質問】「これからは“課題のある人間を良くする”のではない違うアプローチが必要」と仰っていましたが、具体的に取り組まれているアプローチ等はありますか?

 

A:研修やトレーニングという概念の中には、「何かができていないものをできるようにする」というマイナスを、プラスにするというニュアンスがありますが、これは「何か」というテーマそのものが「未知」なことであったり「初めてやる」ことであった場合には当然のことです。わからないことをわかるようになる、という意味では「課題を解決する」アプローチは変わらず必要かと思います。
「課題のある人間」と申し上げた意図は「そもそも人間は課題の塊」なので、何か一つを取り上げて、「彼はこの部分がマイナスだ」と言いきることはとても乱暴な見方であると考えています。私は、それよりも潜在的に持っている個人の能力を引き出すアプローチを意識してプログラムを考えています。

 

具体的には、教える→教えられるだけではなく「問いを立てる」ワークを多くしています。「なぜ?」を考え「解」を見つけ出すプロセスは普遍的なプロセスであり、誰でも備わった能力です。
このような考えの元では、マイナスからプラスではなくプラスをより大きなプラスに自分で引き上げる「場」が必要であり、研修を通じて、自覚した個人の成長につながると考えています。端的に言えば「課題のある自分を良くする、正す」のは自分以外ありません。

 

Q:【富国生命 矢崎様向けの質問】「人づくり=場づくり」ということについてもう少し教えていただきたい。また実際に取り組んでいることはあるのでしょうか。

 

A:人材育成は机上で行うものではなく、体験→気づきや学び→振返り→実践というサイクルを回すことで実現していきます。特に「体験」の質を高め「高質な原体験の共有」にすることが、そこでの気づきや学びの質を高めることにつながります。実際に、JOINで実践している「プロボノ価値共創プログラム」では、社会課題に直面しているNPOと向き合い、その課題の本質を探り、なおかつ異業種の人々と協働することが「高質な原体験の共有」となっており、そこでの気づきや学びをその後の実践へとつなげることに取り組んでおります。
参考までに、実例としてフコク生命における場づくりをいくつか紹介させていただきます。

 

*ワイガヤの実践……ワイガヤの社内浸透を図るべく、様々な部門・職制・世代・性別の参加者による対話の場を設けています。実際に参加メンバーは、「時代の価値探求」をテーマに、人が集まる町や施設などの観察(フィールドワーク)を行い、夜を徹して時代が求める価値の本質を探る対話を行い、本業に活かせるアイデアを創出します。

 

*社長車座ミーティングの実践……社長を少人数(6〜10名程度)の職員が囲んで、双方向で対話する場づくりを本社および全国の支社で実践しています。経営層の想いを職員が共有する場として、また現場の声を経営層が共有する場として、これまでの6年間で200回以上開催され、参加者はおよそ1,500名にも上っています。

 

Q:【プロボノ価値共創プログラム参加者向けの質問】プロボノ経験から得た学びは何ですか?またそれを今の仕事においてどのように活かしていますか?具体的に教えてください。

 

A1:NPOは事務に手が回らないため、そこがプロボノ領域の一つであること、また、事務の中で一番困っているのが経理であること、更にNPO経理は経理経験のない企業人でも充分にその役割を果たせることを知った。知った段階ですので、仕事への反映は残念ながらできておりません。

 

A2:NPO団体さんの課題解決を検討する過程で、本質を見極める重要性を再認識できた。現在の仕事においても様々な課題に日々直面しているが、表層的な課題に捉われず本質を検討したうえでのアプローチを心掛けるよいきっかけとなった。また、今までわかったつもりでいたNPO団体さんのニーズや悩みを知ることにより、自身のセカンドキャリアを考えるよい機会でもあった。

 

Q:【プロボノ価値共創プログラム参加者向けの質問】課題解決のプロセスやスキルで特に身に付いた点は何ですか?今の仕事にどのように生かしていますか?

 

A1:今の仕事で行なっている課題解決のプロセスやスキルを活かして今回の課題解決を行なったという認識です。久しぶりの他流試合で楽しませていただきました。

 

A2:今回同グループを形成したのが異業種の方であったため、メーカー会社さんならではの思考プロセスが大変参考になった。またメンバーのフットワークの軽さも刺激になり、本来の仕事に取り組むモチベーションも上がった。

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