【前提】都市から広がる「循環と共創」を学生が支える新しい動き
認定NPO法人サービスグラントは、これまで社会人の専門スキルを活用した「プロボノ」を推進してきました。そして2024年度からは「いつでも、誰でも、気軽に社会参加ができる未来」を目指し、新しい世代を迎え入れました。その活動が、大学生が自身のスキルと熱意を社会課題解決に捧げる「YOUTHプロボノ」です。
2025年度「YOUTHプロボノ」に参画した青山学院大学の学生チーム。今回、学生チームが支援したのは、都市型コミュニティコンポストの実践に取り組む「原宿はらっぱファーム」です。渋谷区・原宿のど真ん中に生まれた“共創の畑”を広く伝えるための広報・PR活動に取り組みました。
原宿駅から徒歩圏内。国有地1,500㎡に開かれたこのファームは、渋谷区か管理受託した国有地を「都市農地と防災のための菜園協議会」に再委託されるかたちで、運営しています。
都市農・コンポスト・自然素材の空間づくりを通じて、人と自然の関係性を育み直す場として運営してきたものの、広報・PR活動に手が回らず、原宿という好立地でありながら、認知度や発信力を十分に高められていないことが課題でした。
そこで今回、学生たちの力で『原宿はらっぱファーム』の魅力をより多くの方に伝えるため、『原宿はらっぱファーム』のInstagramアカウントで、発信するコンテンツを企画・編集して投稿し、幅広い方の目に触れる機会を増やしていくことにチャレンジしました。
「若い視点と創造力を持つ学生」が加わることで、地域と社会の接点に新しい風が吹き始めていく。クリエイティブな学生チームの活動の様子と、そこから見える教育的・社会的意義をご紹介します。

「YOUTHプロボノ」の意義
YOUTHプロボノの仕組みと支援体制
YOUTHプロボノは、学生たちの能力を最大限に発揮できるサポート体制を備えた環境のもと、実践的にチャレンジする取り組みです。
チームは大学生1〜5名の少人数で、経験豊富な社会人プロボノワーカー1名が専属で伴走します。
学生は社会人からプロジェクト推進やビジネスコミュニケーションを学びながら、実際の課題解決に取り組むことができます。
なぜ大学生にプロボノを開いたのか
YOUTHプロボノの目的は、学生の持つスキルを社会に活かすと同時に、学生自身の成長を最大化することにあります。学生が社会課題の現場で実践的な経験を積むことで、傍観者ではなく当事者意識を育み、教室の学びを「生きた知識」へと変えます。
この経験は、将来のキャリアを考える上で、自己理解を深め、選択肢を広げるための決定的な機会となる大きな可能性を秘めています。
▽プロジェクト紹介ページ
NPO法人 コンポスト東京
【原宿はらっぱファーム】広報・PR活動(学生プロボノ)
【活動内容】広報の現場に飛び込み、社会人と共に企画を練り上げる
学生たちは社会人プロボノワーカー、団体スタッフとともに『原宿はらっぱファーム』広報チームの定例ミーティングに参加し、チームの一員としてInstagram運用を中心に活動しました。
【主な活動内容】
・ファームの世界観を伝える企画提案
・リール動画の構成案づくり
・現地見学・撮影による素材収集
・投稿案の企画・ライティング
・ Canvaを使った画像・動画編集
・イベントや日常の活動レポート制作
初めての広報実務に戸惑いもありましたが、学生たちは次第に「魅力をどう伝えるか」「誰に届けるか」を自分たちで考えながら進めていきました。
学生のコメントには、
* 「社会人の打ち合わせの進め方が理解できた」
* 「ハッシュタグや拡散の仕組みを初めて知った」
* 「情報発信はやってみるほど難しさと価値が分かる」
といった声があり、
実務に触れる中で気づきが深まっていった様子がうかがえます。

【成果】広報の基盤として作り上げられた成果物
学生チームは「原宿はらっぱファーム」のInstagram発信について、短期間で複数の成果物を形にしました。
・投稿文章案と写真レイアウト案
・Canvaを用いた画像デザイン
・リール動画の試作と構成案
・現地レポートの企画と撮影素材の収集
こうしたアウトプットは、団体の広報基盤を整えるための土台となり、その後の投稿制作にも生かされています。
一部の素材は社会人ボランティアによる最終編集を経て公開されるなど、学生の下準備が広報全体を支える存在になりました。

【効果】学びが社会を動かし、社会が学生を育てる
今回の支援を通じ、単なる経験や知識習得に留まらない「YOUTHプロボノ」が以下のような教育的価値、新たな社会貢献の形を生み出せることが明らかになりました。
■学生の成長実感と自己効力感の高まり
学生同士・社会人双方からのフィードバックでは、学生が次のような項目で、自分の強みを客観的に認識できると評価しました。
● 調査や分析を丁寧に行い、責任感を持って資料を仕上げる力
● アイデアを実行に移す主体性
● チームで議論をまとめ、意思決定を支える協働力
● 説明や発信をわかりやすく行うコミュニケーション力
実践を通した経験から、これらの力を初めて相互で実感できる機会となりました。
■教室の知識が「使える力」へと進化
ターゲット設定、文章構成、デザイン編集といった、広報やメディアに関する授業の知識は、実際 の地域社会の現場で試されることで、単なる机上の知識から「実践的な力」へと進化しました。
このプロセスを通じて、学生たちは学んだ要素を体系的に理解し、自分たちの学びが地域に貢献できることを実感しました。大学という学びの場を地域社会に開くことは、教育の成果を学生たちにより実践的な形で還元できることが明らかになりました。
■地域社会と大学が生み出す好循環
この活動により大学と地域社会へ確かな好影響がもたらされました。学生たちの柔軟な発想と、現代のトレンドに対する鋭い感性が、団体から非常に高く評価されています。
● リール動画の作り方など、SNSに親和性の高い学生の新鮮な視点や確かなSNS運用力が、団体の広報活動の活性化に大きく貢献しました。
● 文章構成、ターゲット設定、デザイン編集など、普段は授業で学ぶ要素が、実践を通して体系的に理解されていきました。教室の知識が“使える力”へと変わるプロセスが明確に見られました。
● 今回の活動に触発された学生が、自ら大学内でのコンポスト推進に動くなど、活動が次のアクションにつながる広がりもあり、教育と地域活動の連動効果が生まれています。
このように学生の学びを社会の実践に直結させる取り組みが、新たな大学教育のあり方を示すモデルとなりました。

未来への展望〜共創の場を広げる担い手として〜
「原宿はらっぱファーム」は、都市における“循環とつながり”の新しい実験場として運営されています。コンポスト東京はここを起点に、地域の資源循環やコミュニティづくりの新しいモデルを育てようとしています。
その挑戦に学生が加わることで、「地域の未来を共につくる仲間」として、次の循環が生まれる。
今回のプロジェクトは、その大きな可能性を具体的に示してくれました。
このプロジェクトは、学生が大学で培った知識を現場で試し、それが「社会で通用する力」や主体性へと変わるプロセスを実感する最高のチャンスとなりました。同時に、団体側も、学生の新鮮な視点や情熱を得て、活動をさらに強くする貴重な機会となりました。
私たちサービスグラントは、学生のスキルと情熱が社会を動かす力になると確信しています。
今後も、この成功体験をモデルにYouthプロボノを各大学へと広げ、学生一人ひとりが自身の可能性を社会の最前線で試せる場を提供し続けます。
2026年度以降もプログラム展開を予定し、大学の皆さま、そして地域団体の皆さまとの新しい出会いを心待ちにしています。ぜひ、未来に向けたこの協働にご参加ください。
過去の取り組み実績はこちら
認定NPO法人 サービスグラント
(YOUTHプロボノ事業)
TEL 03-6419-4021
info@servicegrant.or.jp


