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森下真稔さん(マーケッター)

プロボノワーカーの声

 

森下真稔さん(電力会社 営業職)
プロボノでの役割:マーケッター
参加プロジェクト:南新井自治会 マーケティング基礎調査

 


 

大阪生まれ、大阪育ちの森下さん。初めて参加したプロボノプロジェクトは、東京の町会・自治会支援のプロジェクトでした。
その後、プロボノが楽しかったから!と起業し、新たに中小企業をサポートするビジネスを始めるに至ったストーリーを伺いました。

 

単身赴任先で、地域の課題解決プロボノプロジェクトへ参加

 

電力会社に勤めて20年。エンジニアから個人営業を経験したのち、法人営業・営業企画へ携わってきました。
プロボノの存在を知ったのは同僚から。彼のプロボノ経験を聞いて興味をもったものの、まだ子どもが小さく、家族との時間が優先で、しばらく参加には至りませんでした。
そこへ決まった東京への単身赴任をきっかけに、突然できた時間を活かそうと東京でのプロボノへ立候補。仕事で職責がかわるにつれてユーザーから離れてきた感覚があったこともあり、ダイレクトに手触り感のありそうなところに惹かれて自治会支援のプロジェクトに参加しました。

 

支援先は、「南新井自治会」でした。
若い世代が自治会に入ってこなくなり、自治会の運営メンバーが高齢化して運営が厳しくなる一方で、近年多発している自然災害などを背景に、平素からの「地域の繋がり」をより強くする必要があると感じておられました。
実際に、昨年の台風で地域が洪水になりかけたこともあり、住民の防災意識が高まってきているため、地域の繋がりのあり方や防災の取組みを見直して自治会への興味関心につなげたいと、あらためて住民の意識を調査することになりました。

 

現地を訪問した際は、閑静な住宅街で住みやすいまち、という印象でした。実際に、洪水になりかけたという川も見に行きましたが、これが洪水になると思うと恐ろしさを感じました。
大阪でもそうですが、南新井も古くから住んでいる方と、新たに開発された住宅地に住んでいる方とが混在しており、意識も一様ではありません。多様な住民の方の声を集めるため、どんな質問をしたらよいかなどプロボノチームでアイディアを出し合い、調査紙を作成しました。

 

 

プロジェクトマネジャーは、なんと香港在住。また、コロナ禍の状況でもあるため、打ち合わせは全てオンラインにて行いました。テレワークが浸透した現在だからこそ、編成できたチームだと思います。

 

メンバーの本業は、財務、営業事務、法人営業、UXデザイナーと様々です。業界も違いますし、普段出会う機会の少ないメンバーとの交流は、たくさんの気づきや刺激をもらいました。

 

UXデザイナーで情報設計をされているメンバーの意見で、ターゲット層のペルソナをつくりました。ファミリー層・子育て世代・地域には関心があるが面倒なことは避けたい人…。そんな方々にアンケートをするイメージで項目を精査していきました。

 

想定していたより、回答率は高かったです。紙で返ってきたアンケート用紙は約200通。チームで手分けしての集計作業でしたが、この時は、なかなかの作業でした(笑)
結果、自治会未加入の方たちは、自治会の存在すら知らない方がほとんどで、これには、はじめ自治会の皆さんもショックを受けていらっしゃいました。ただ、地域住民の防災意識は非常に高く、今後重点的に施策を検討するうえで、多くの示唆が得られました。

 

プロボノプロジェクトの感想を一言でいえば…「めちゃくちゃ楽しかった」です。

 

はじめて出会うメンバーで活動するので、どこまで意見を言い合えるのか、最初は探り探りの時もあったと思います。しかし、結構みなさん、ずばずば言うな…と、そんなカルチャーの違いも新鮮でした。

 

また、南新井自治会の皆さんの、色んな地域活動をしながら、すごく真剣に地域のことを考えていらっしゃった姿は、衝撃レベル。BtoBビジネスをしているので、ダイレクトに地域課題がきて、解決してほしいことについて直に声がきけることや、お金のやりとりのないなかで、同じ思いをもった人が課題に向き合うのも新鮮でした。

 

 

 

起業のきっかけは、プロボノが楽しかったから!

 

起業したのは、プロボノに参加した後です。ウェブサイトのデザイン作成、営業資料作成、研修の準備、講演を行う株式会社を設立しました。 https://www.thinkaboutgoals.com

 

理由は、プロボノが本当に楽しかったから。
会社の中でも、関連会社立上げを何度か経験しており、設立までの手続きは知っていたものの、これまで自分が起業しようとか、会社を作ろうという気持ちは1ミリもありませんでした。

 

プロボノ経験で何か事業を展開する自信を得た、ということではなく、会社以外の事業活動を行ったのが本当に純粋に楽しくて、まずは副業として色々やってみようという気持ちになれました。
はじめに、プロボノのことについて教えてくれた同僚が、彼の得意分野である、ウェブ制作をサービスに加える形でメンバーとして参加してくれています。

 

まだ、2021年はじめに法人登録をしたばかりで、今は、営業活動中です。
たとえば、プライベートで訪問した施設で、いい施設だけれどもHPに改善点が提案できるぞと思ったら、リニューアル案を作ったうえで直接営業したり。小規模のビジネスで、いわゆる大手のコンサルや士業系の方を頼りたくても頼れない中小企業の方々を応援したいと思っています。

 

具体的な成果物を提供するようにしているのは、サービスグラントのプロボノ経験が影響しているところがあると思います。

 

本業と起業、双方にいい変化があるように

 

私自身、まだまだ子育て世代。毎週末大阪に帰り、週末は3人の子育てメインの生活です。
副業に使える時間は、週末土曜の朝6時から2時間1本勝負。Slackなどのオンラインツールを活用しています。
時間の使い方は激変して、本業でも“仕事のための仕事”があったことに気づき、すべきこと、会社に貢献できることに集中するようになり、クオリティが高くなったと感じています。
余暇にも、無駄なネットサーフィンをしたり、お酒を飲むことはなくなりました。

 

他に、本業でもよかったなと思う変化は…例えば、すごく経理の人と仲が良くなったこと。
起業した会社のお金を見ているからこそ、経理の方の視点でおっしゃることが、先生のお話のような気持ちで受け止められるようになりました。
また、色んな勉強はしてきましたし、知ってはいるつもりでしたが、やはり決算を自分事として見るようになり、決算書類を見る解像度が格段に上がった気がします。

 

会社のビジョンにも掲げていますが、自分がプロボノに参加して「半歩でも行動すると、それが大きな経験につながる」ことを経験しました。
踏み出せない人の、背中を押すようなことをしていきたい。半歩前に進むお手伝いをする。ぜひ、僕らに押させてください。そんな気持ちで事業をしていきたいと思っています。

 


 

▼プロボノでのプロジェクト参加へご関心をお持ちになった方は、こちらのページも併せてご覧ください。

▼プロボノ参加者向け説明会を随時行っています。以下より日程をご確認ください。

「プロボノ参加者向け説明会」

 

※掲載内容は2021年6月時点の情報です。