NPO法人かんなびの丘 [事業計画立案]

http://www.kannabi.jp/
NPOのニーズ
助成申請当時、事業の柱である金銭管理事業の受託金額が大幅に減少する見込みがあったことから、成年後見事業の拡大に向けたビジネスモデル作成にプロボノの力を借りたいと考えていました。他団体の体制、財務構造の分析はもとより、プロボノを通じてNPO職員の視野が広がり、多角的かつ戦略的視点をもつきっかけとなることにも期待を寄せていました。
チームの取り組み
まずは、現状把握のため、関係者ヒヤリング、外部ヒヤリング、資料データ収集を行いました。事業環境変化のインパクトが大きいものの、長年知的障碍者とその親に寄り添った活動をされてきており、その基盤・知見・理念ともに強みを持ったNPOであると感じました。特に理想の成年後見像「人格の代弁者」について、我々は大きく共感し、事業の継続と拡大を実現したいと強く思う様になりました。これらの想いを持って、事業計画プロボノに取り組んで行きました。
成果
3つの事業(金銭管理・成年後見・第三者評価)について、現状を簡潔に整理しました。これを踏まえ、4つのシナリオを設定し、予測される事業収支と、そこから得られる示唆を示しました。また、今後の事業の柱と考えている成年後見事業の方向性について、ニーズ・ビジネスモデル・体制の観点で整理しました。NPOで事業計画を具体的に議論して頂く下地となりました。
最終報告の1年後のインタビューでは、『プロボノ終了後大幅な構造変化があったので直接的には提案どおりに進められていないが、組織内で議論するきっかけづくりになった』『これまで親族的、家内工業的な感じだったので外の風を受けてはじめて動き出した』『ターゲットをどう設定するかなど、考え方が整理できたのは大きかった』『提案をうけて「いけるかな」と、背中を押してもらった感じ(成年後見については知的障碍者だけでなく高齢者にも踏み込んだし、金銭管理もコロニーだけでなく地域に広げつつある)』とのお言葉を頂きました。
NPOの声
特定非営利活動法人NPOかんなびの丘
理事 小林英子
今回お世話になったタイミングが理事長の交代や収入の柱だった事業がなくなるといった法人として大きな変革を求められる時期でもありました。自分たちでさえ今後どのようになるのか見えない中で活動いただいたプロボノのみなさんには申し訳ない気持ちと変革のための大きな力を得た変な安心感を持ってスタートしました。
当初は理事の間でも「プロボノって?」「どんな方が何をしてくれるの?」とウェルカムな雰囲気ではなかったと思います。全く異なる分野の専門家が集まって、しかもそれぞれ一線で活躍されてご多忙の中、どう進んでいくのか不安もありました。制度を1から説明するところから始まりましたので、その不安は増大しました。
しかし、制度や法人の置かれている状況を的確に把握された上で丁寧にヒアリングをしていただきました。それぞれの専門知識をプラスして毎回的確な意見や提案をいただき、これまでの振り返りと新たな発見をすることができました。
最終報告では不確定な要素が多い中で複数のプランを提示いただきました。それはこれらプランの中でどれが良いか決めてくださいといった提案ではなく、それぞれのプランの強み弱みを踏まえてみんなで検討する材料や考え方の提案でした。
その後、法人の事業は大きく変化し大幅な赤字も覚悟しました。実際、厳しい運営を続けていますが、この活動を継続すれば目標を達成できるという共通認識を役職員が共有する土壌ができたことが最大の財産だと思っています。
プロボノのみなさんには先に書いた提案をいただいたことはもちろんですが、ご多忙の中、これまで自身と接点のなかった法人のためにここまで時間を作ってくださったこと、未知の分野に取り組まれるその姿勢に人間的にも感銘いたしました。1年後のインタビユーを終え、変わらぬ応援をしていただいていることに深く感謝しております。今後ともよろしくお願いいたします。
知的障がい者など判断能力に問題を抱えた人々の金銭管理・成年後見・第三者評価などの事業を実施しています。
チームメンバー
- プロジェクトマネジャー 藤原さん
- マーケッター 金さん
- マーケッター 小泉さん
- マーケッター 篠崎さん
- マーケッター 根来さん