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【2025年実施報告】実践女子大学
学生の積極的な挑戦がもたらす成長と可能性

社会課題に踏み出す学生たち

 

認定NPO法人サービスグラントは、これまで社会人のスキルや経験を活用した「プロボノ」を推進してきました。そして2024年度からは「いつでも、誰でも、気軽に社会参加ができる未来」を目指し、新しい世代を迎え入れました。その活動が、大学生が自身のスキルと熱意を社会課題解決に捧げる「YOUTHプロボノ」です。

2025年度「YOUTHプロボノ」には実践女子大学の学生チームが参画しました。学生チームが支援したのは、発達支援が必要なお子さんに最適な支援を届け、最適な親子関係を築くことを目標に活動している「ママコミュニティー 喜輝(キキ)mama」の広報基盤強化です。学生チームの挑戦と、こから見える教育的・社会的意義をご紹介します。

 

【2025年実施報告】実践女子大学

 

 

「YOUTHプロボノ」の意義

 

YOUTHプロボノの仕組みと支援体制

YOUTHプロボノは、学生たちが能力を最大限に発揮できるよう、環境と手厚いサポート体制を備えた環境の下で実践的にチャレンジする取り組みです。

チームは大学生1〜5名の少人数で、経験豊富な社会人プロボノワーカー1名が専属で伴走します。

学生は社会人からプロジェクト推進やビジネスコミュニケーションを学びながら、実際の課題解決に取り組むことができます。

 

なぜ大学生にプロボノを開いたのか

YOUTHプロボノの目的は、学生の持つスキルを社会に活かすと同時に、学生自身の成長を最大化することにあります。学生が社会課題の現場で実践的な経験を積むことで、傍観者ではなく当事者意識を育み、教室の学びを「生きた知識」へと変えます。

この経験は、将来のキャリアを考える上で、自己理解を深め、選択肢を広げるための決定的な機会となる大きな可能性を秘めています。

今回、実践女子大学の学生チームは、「喜輝mama」が抱える「活動の認知度が低く、情報が必要な親御さんに届いていない」という課題に対し、ホームページ制作に向けたマーケティング基礎調査で支援をしました。

 

▽プロジェクト紹介ページ
ママコミュニティー 喜輝(キキ)mama
「ホームぺージ制作に向けたマーケティング基礎調査(学生プロボノ)」

 

 

団体のリアルな課題への挑戦

学生チームは、「喜輝mama」の「3年後に月20組の親子が参加する」という目標に向け、まず「親御さんが一歩踏み出すために必要な情報」を特定するという課題に挑みました。

学生たちは、「リサーチチーム」と「アンケート(調査分析)チーム」に分かれて活動を同時並行で実施しました。

 

リサーチチーム 類似団体の成功事例を分析し、集客に効果的なコンテンツ要素を抽出。
アンケートチーム 実際の利用者へ過去アンケート分析・利用者へのヒアリングを行い、団体の魅力や参加決定要因を客観的に調査。

 

当初、調査設計やヒアリング方法に戸惑いが見られましたが、社会人プロボノワーカーからの「団体の方が本当に知りたいことは何かを常に問い直そう」という助言を受け、学生たちは課題解決の当事者へと意識を変えていきました。

 

 

実行性の高い「二つの成果物」による基盤確立

学生チームは、2つのチームそれぞれの柱となる成果物を通じて、「喜輝mama」の広報活動が次のステップに進むための基盤を明確にしました。

 

団体の魅力の客観化:アンケートチームの成果
実際の利用者へのアンケートとヒアリングを通じ、「優しく受け入れ、個人に合わせる」という団体の真の強みを客観的に言語化しました。この調査結果に基づき、集客効果を高めるための情報発信戦略(例えば活動の様子がわかる写真・動画の充実など)を提言しました。

 

 

ホームページ構成の羅針盤:リサーチチームの成果
類似団体の成功事例を分析し、ホームページ制作に直接つながるワイヤーフレーム(ページ構成案)を提案しました。ホームページを見た不安を抱える親御さんが「信頼して一歩を踏み出す」ために不可欠な要素を一連の流れで可視化する具体的な構成案を提示しました。


最終的に、これらの成果を基に、ホームページ制作に向けた協力者を募る「プロボノ求人依頼文案」を作成・提供。団体の理念に共感する人材を募るメッセージも盛り込むことで、分析から実行段階へのスムーズな移行基盤を確立することができました。

 

学生の新たな学びと社会貢献の可能性

 

今回の支援を通じ、単なる経験や知識習得に留まらない「YOUTHプロボノ」が以下のような教育的価値、新たな社会貢献の形を生み出せることが明らかになりました。

 

  • 学生の「自らの軸」を持った主体性の獲得
    与えられた作業に従うのではなく、当事者として主体的に課題解決に取り組む力が養われました。
  • キャリアの視界を拡張する経験
    今回は「発達支援や子育て、サイト運営などさまざまな分野」に触れる活動でした。このように活動を通して多様な社会課題や職業領域に触れ、その後のキャリア検討の選択肢を広げる上での貴重な経験となりました。
  • 地域社会への具体的な貢献と関係性の構築
    今回、実践女子大学の学生たちが、地域での活動に取り組もうとしている喜輝mamaを支援したことで、大学を「知の拠点」として、地域に貢献していくという役割の具体的な事例となりました。これにより大学と地域団体の間に強固な信頼関係を築いていける波及効果への期待が高まりました。
  • リアルな社会課題に関する理解
    終了後のアンケートからは、学生たちは見学やヒアリングといった現場での学びを通じて、喜輝mamaが関わる子どもや家族の抱える孤立・孤独といった課題への理解が高まり、社会に対する視野の広がりを感じたことがが見えました。
    「発達障害として一律に捉えるのではなく、困りごとや強みなど、一人一人の特性を見て向き合っていることが印象的でした」
と子どもへの個別的な関わりの重要性を感じたり、
    「お子さんだけでなく、お母さんや家族の負担に寄り添うサポートが大切だと実感しました」
    「子育てには孤独感を軽減する環境があることが大切だと学んだ。」という親の不安、孤立感へのケアも大切である点にも気づいています。
    さらに、「忙しい中で情報を調べる負担を減らす工夫が必要だと思いました」
といった、保護者が孤立しやすい背景に“情報へのアクセスの困難さ”があることも把握していました。
    
子どもの孤立・孤独は、親の孤立とも深く結びついている。このことを学生一人一人が、実感を通して理解していきました。

  • 学生の自己肯定感の高まり
    学生同士で、活動を通して気づいた個々の具体的な強みについてのフィードバックを行いました。
    
「自主性と行動力」「議論をまとめる力」「丁寧で分かりやすい説明」

    「疑問点を曖昧にせず質問できる姿勢」「責任感をもって資料を仕上げる力」
    「柔らかい雰囲気で情報を伝え、相手が受け取りやすい伝達力」

    といった評価が交換され、学生自身が自分の強みを再確認し、自分の役割や社会貢献の力を実感する後押しとなりました。
    また、社会人ワーカーからは、「2か月前からの成長が見えました」
「ご自身で仮説を持ち、マネージャー側の意見も取り入れながら自分軸で資料を最終化させていた点に大変驚きました。」など、学生が自分の成長機会として前向きに受け止め、社会に向けた自己効力感へとつなげていく後押しになるようなコメントが多くみられました。大学からも高い評価をいただきました

 

▽実践女子大学での紹介記事

YOUTHプロボノプロジェクトを実施しました(8/12~10/17)

 

 

未来への展望〜学生の才能が社会の未来を切り拓く〜

 

以上のように、今回の実践女子大学「YOUTHプロボノ」の取り組みにより、学生のプロボノであっても、支援先団体の運営課題解決、学生の成長、地域共生社会を「三方よし」を実現することができるという社会的・教育的効果が明らかになりました。

 

サービスグラントは、この活動を通じて、学生の才能が社会の未来を切り拓くというビジョンを共有し、2026年度以降も、大学へのプログラム展開を進めていきます。学生が自身のスキルと熱意を社会課題解決に活かせるよう、プロボノを中心とした多様な社会参加機会の構築を推進し続けます。

 

学生には、プロボノにおける実践型PBL(Project Based Learning )モデルの中で、「主体性」と「社会で通用する力」を伸ばし、自身が持つ可能性を社会の最前線で試すチャンスを。NPO・地域団体においてには、学生の新鮮な視点と熱意を団体の運営基盤強化に活かせる機会を提供していきます。

 

ぜひ次年度以降のご参加もお待ちしております。

 

過去の取り組み実績はこちら

 

 


 

【問い合わせ先】

 認定NPO法人 サービスグラント
 (YOUTHプロボノ事業)
 TEL 03-6419-4021
 info@servicegrant.or.jp

 

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