プロジェクト紹介
一般社団法人 Try Angle
Try Angleは、「病気や障害の有無にかかわらず誰もが旅行を楽しめる社会」を目指して、2018年より医療的ケア児の旅行・外出支援に取り組んでいます。
医療的ケア児は全国で約2万人いると推計されていますが、社会的な支援制度が十分に整っていません。地域住民の間でも医療的ケア児の存在を認識している人はまだまだ少なく、医療・福祉の従事者や特別支援学校の教員などに限られています。
一方、医療的ケア児は、呼吸器・酸素など携帯するため大型の車いすを利用していることが多く、通路幅やエレベーターでの移動に支障があったり、外出先でのおむつ替えについてもユニバーサルベッドが必要となるなど、気軽に外出できないが故に、地域での認知が進まない、という負のサイクルが生まれています。
このことから、医療的ケア児とその家族は、外出や旅行がしづらく、一般的な家族よりも体験が不足したり、社会的に孤立しがちな状況にあります。
2020年に医療的ケア児のご家族を対象に行われたアンケート調査(※1)によると、回答者の96.8%が、「家族一緒に外出や旅行したい」と回答している一方で、「問題なく旅行をできている」と回答する方は17.2%に留まっています。
Try Angleでは、医療的ケア児であっても、安心して日本全国で自由に旅行が楽しめるように、以下のような活動をしています。
・「医療的ケア児の旅行ガイドライン」の制作・販売
・宿泊施設向け 宿泊受け入れ体験の実施
・医療的ケア児とご家族向け 遊びのサークル活動
・医療的ケア児の外出・旅行に関するポータルサイトの運営(ててとて旅行舎)
https://tetetote-travel.jp/
・学びのコミュニティ運営
(※1:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「医療的ケア児者とその家族の生活実態調査 報告書」(2020年3月)https://www.murc.jp/wp-content/uploads/2020/05/koukai_200520_1_1.pdf)
医療的ケア児家族、福祉事業者、そして観光事業者が、それぞれ連携を取りながら、外出や旅行の機会を増やしていかなくてはならないのですが、医療的ケア児といっても、人それぞれケアの内容や助けを求めたい度合いが異なるため、どのようなサービスや支援があればいいのか、一様に示すことは難しい状況です。
これまで活動をしてきた肌感覚として、医療的ケア児の旅行支援は当事者である医療的ケア児家族にとってだけでなく、観光事業者にとっても、新しいサービスの開発や従業員教育、福祉事業者にとっても、自分たちの持っているスキルや施設を旅行支援に活かせる可能性があります。それぞれにとってのメリットにつながるのでは、と思ってはいるものの、その根拠となる定量的なデータがまだありません。
世の中全体として、この課題に対し取り組むためにも、定量的なデータを取得すべく、大規模調査の実施を予定していますが、それぞれのステークホルダーにとって、どのような調査項目であるとよいかが分かっていない状況です。
今回のプロジェクトでは、今後実施を予定している大規模調査へ向け、調査項目をどのように設定すると効果的かを提案します。
具体的には、医療的ケア児家族、福祉事業者(今回は放課後等デイサービスの事業者)、観光事業者へのヒアリング調査を通じてそれぞれのニーズを把握し、今後の大規模調査で配布する調査票の設計を行います。
進捗状況
- メンバー:
- 伊藤さん、今村さん、駒崎さん、藤居さん、村上さん
2025.06.02
キックオフミーティングを実施しました。
団体さん・プロボノチーム双方の自己紹介とプロジェクト概要の認識合わせを行い、団体さんからは調査の全体像をご説明頂きました。また質問事項の確認を行い、今後の進め方と双方の宿題について確認し合い、いよいよプロジェクトのスタートです!
2025.05.21
オリエンテーションを実施しました。
チームミーティングでは、窓口担当・キックオフ日程候補の確定、キックオフ資料作成の作業分担などを行いました。メンバーの皆さんが各々の役割を意識されて、プロジェクトを推進される姿勢が印象的でした。
掲載情報はプロジェクト実施時点のものです。最新情報は団体のウェブサイト等でご確認ください。
- 社会福祉法人 めぐはうす
- 東京都民踊連盟
- 調布市スポーツ協会