プロジェクト紹介
STS GALLERY
STS GALLERYは、症状が少し落ち着き、これから就労を目指そうと考えている精神障害者の方々を対象とした地域活動支援センターです。社会福祉法人そよ風が運営し、法人内には別に通所施設が1つ、グループホームが4つ、相談支援事業所が1つあります。
こころの病気がある人、ない人に関係なく、自然にモノをつくる人が集まる場所に。利用者が自信や誇りを取り戻す場所にしたい、と手縫いで作る皮革小物ブランド「STS GALLERY」を立ち上げ、小物やアクセサリーを中心としたオリジナルの商品製作を行っています。
「STS GALLERY」は皮革小物ブランドとして認知されている一方で、精神障害者の就労を支援する施設としての認知度が低く、なかなか利用者に集まってもらえないという課題があります。
そこで今回のプロジェクトでは、精神障害者施設としての認知度を向上させるための調査、課題整理を行い改善提案を実施します。
NPOのニーズ
ウェブで検索すると、オリジナル商品ブランドとしてのSTS GALLERYを見つけることはできる(※)ものの、STS GALLERYという精神障害者支援施設(地域活動支援センター)が商品を制作していることをアピールしてこなかったことや、株式会社等でも類似の施設を運営できるようになったことも重なり、新しく施設の利用者の獲得が難しい状況がありました。
「物を作ることが好きな精神障害のある方々」にSTS GALLERYの活動を認知してもらい利用を促進するための施策を検討する必要がありました。
(※)もともと施設名とブランド名は「STS GALLERY」という同じ名称でしたが、現在はブランド名のみ別名に変更しています。
チームの取り組み
精神障害のある方々に対して、公的にどんな制度があり、具体的にどんな支援が受けられるのか、理解を進めつつ、STS GALLERYを紹介してくれている相談支援施設やクリニックにヒアリングを行い、STS GALLERYを利用することにどのような価値・強みがあるのか確認、整理しました。
また、施設の周辺クリニックを調査し、営業先のリストアップを行い、営業ツールの提案をしました。
成果
チームから提供された営業ツールを微調整しながら使い続けることで、「皮小物の制作をやりたい」と言って来られる方が増えました。利用してもらいたい、と思っていた方々へアプローチができています。
また、それだけでなく、利用者さんのSTS GALLERYへの関わり方も変わってきました。
プロボノワーカーという第三者がSTS GALLERYの課題解決の提案を進めていったことを通じて、利用者さん自身にも課題を感じてもらえたのか、「一緒にやっていこう!」という気持ちや姿勢を表してくださる方が増えてきました。利用者さんたちがお持ちの特技、できることを持ち寄って、みんなで作っていく居場所に変わってきています。
NPOの声
STS GALLERY
磯林 光さん
最初はどこまでお話が通じているのか不安でしたが(専門的すぎるので)、お会いする度にみなさんがどんどん勉強され、知識を深めておられることに驚きました。
こちらもお話する度に自分の頭の中が整理されていきました。予想以上の成果物を提出下さり、意識の変容にも影響がありました。
今後のご活躍を期待します。
進捗状況
- アカウントディレクター:
- 岡林さん
- プロジェクトマネジャー:
- 山蔭さん
- マーケッター:
- 木村さん 裵さん 中西さん 増井さん
2017.12.02
最終提案を行いました。また、ミーティング後はSTS GALLERYの磯林さん、井畑さんにもご出席頂き、プロジェクトの打上げも行いました。約半年間でしたが、本プロジェクトを通じて、チームの皆さんやSTS GALLERYの皆さんに良い変化が訪れることを期待しております。皆さん、本当にお疲れ様でした。
by 岡林
2017.10.02
調査方針提案を行いました。結果は、調査内容・課題に対する提案内容の何れについても、とても納得して頂くことができました。今後は、提案内容を磯林さんたちに実行して頂けるよう、営業ツール作成支援に移行します。マーケティング基礎調査の枠を超えた支援となりますが、チームの皆さんはやる気十分です。そして、ミーティング後はチームでランチタイム。プロボノの楽しみの一つです。
by 岡林
2017.09.14
キックオフミーティングよりおよそ2ヶ月間にわたり、精神障害者の方々を支援する様々な福祉サービスについて、法律面で前提となるポイントや近隣にある支援施設動向の調査、医療機関や仲介施設へのヒアリングを行いました。 その結果に基づき、9/23の調査方針提案に向けた仮説づくり、利用者増加のアイデア出しの話し合いが毎週のように行われています。難しい課題ですが、皆さんの努力により、少しづつ解決策が見えてきました。
by 岡林
2017.07.01
「支援施設とか関係なくかっこいいことをやりたい」と言い切る施設長の磯林さん。メンバーそれぞれが持っていた施設のイメージが払拭されるとともに、STS GALLERYさんのビジョンに全員が共感。精神障害をもつ方々だけでなく、他の社会的弱者の方々にとっても「働く」という当たり前のことができる場所づくりを目指し、モチベーションの高まりを抑えきれないキックオフ・ミーティングとなりました。
by 岡林
掲載情報はプロジェクト実施時点のものです。最新情報は団体のウェブサイト等でご確認ください。
- Teach For Japan
- チョイふる
- 福島県の児童養護施設の子どもの健康を考える会