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【開催レポート】5月25日開催:女性活躍推進セミナー
「女性活躍推進のレバレッジポイント 積極的な育休活用」当日レポート

【開催レポート】5月25日開催:女性活躍推進セミナー 「女性活躍推進のレバレッジポイント 積極的な育休活用」当日レポート

 

2016年5月25日(水)に、人事・人材育成・ダイバーシティ推進担当者向け 女性活躍推進セミナー「女性活躍推進のレバレッジポイント『積極的な育休活用』」を開催しました!

本セミナーは、働く女性の産後〜復職までを支援する3団体、NPO法人マドレボニータ一般社団法人ドゥーラ協会、NPO法人 サービスグラントが協働し開催。人事・人材育成・ダイバーシティ推進担当者に向けて、女性活躍推進の新しい視点として、育休取得中の女性社員に対して妊娠〜出産〜産後〜復職準備までの切れ目ないサポート施策をご提案しました。

 

当日は、54名の方にご参加いただき、登壇者・関係者を含み70名を超える盛大なイベントとなりました。また、アンケートでは、満足度の平均が10点満点中8.7点と、皆様にご満足いただける結果となりました。

 

【本レポート内容】

  • 第一部 積極的な育休活用の必要性
    積極的な育休活用とは?それぞれの期間のポイントとは?
  • 第二部 パネルディスカッション
    積極的な育休を取得した人達の経験談!彼女たちは何をしたのか。

 

>>当日の資料はこちら(PDF)<<

 

 

 

第一部 積極的な育休活用 積極的な育休活用の必要性

 

第1部では、女性活躍推進の隠れたレバレッジポイント「積極的な育休活用」の考え方、見過ごされてきた育休中の課題、女性を支援することの意義、これからの企業に求められる新しい復職支援『積極的な育休』の活用について、データを交え、NPO法人マドレボニータ 代表理事 吉岡 マコさんより紹介いただきました。

 

積極的な育休とは、産休・育休を何となく過ごすのではなく、復職時には心身を回復し、仕事モードへと頭もコミュニケーションも切り替えられるよう、産前から計画的に過ごすことです。

 

そのためには言葉で「産後」とだけ表現されがちな期間を、三つの時期に分け、それぞれの時期で、産後女性の心身の状況も必要なケアも異なることをまずはご紹介しました。

 

●出産〜産褥期(産後8週間まで)のポイント 

 

「妊娠中〜産褥期(出産〜産後8週間)」のポイントは、一般社団法人ドゥーラ協会の代表理事宗祥子さんと、事務局の有山美代子さんから紹介しました。ドゥーラ協会では、「産後ドゥーラ」という、出産前後の女性の変化を知り、妊娠・出産・産後の養生・子育てをする女性に寄り添い、孤独に育児に向き合いがちな母親を支える存在となる方を養成しています。その活動から、心身ともに健康に復職するために、妊娠中からの産後プランニング、ライフスタイルの見直し、産褥期の過ごし方や母親に寄り添うエモーショナルサポートの必要性について紹介しました。

 

●産後リハビリ期(産後2〜6ヶ月)のポイント

 

「産後リハビリ期(産後2〜6か月)」のポイントは、NPO法人マドレボニータの事務局の太田智子さんから紹介しました。マドレボニータは、全国約60ヶ所で「産後のボディケア&フィットネス教室」を開催。育休初期の産後リハビリ期から「身体と心のリハビリ」と「仕事への想いを取り戻す」ことを行い、早くから復職に向けてのモチベーションを上げるために、「産後ケア」の重要性、それを実現するマドレボニータのプログラムと効果を紹介しました。

 

●復職準備期(復職7ヶ月前〜)のポイント

 

「復職準備期(産後7か月〜)」のポイントは、NPO法人サービスグラントの津田より紹介しました。復職が見えてくると感じる、両立や仕事に対する不安。その不安を解消し、復職後すぐに「仕事モード」へと切り替え成果を上げるために必要なポイントや、NPO等を支援しながら復職に向けたウォーミングアップ&スキルアップを実現する育休ママ達によるプロボノ=「ママボノ」の内容とその効果を紹介しました。

 

 

第二部 パネルディスカッション 〜積極的な育休が女性社員の活躍につながる〜

 

どのように育休を過ごすことで復職後も活躍することができるのか、そのためには何が必要なのか、女性社員の自主性に任せて良いのか…など、パネルディスカッションを行いました。

 

【登壇者】

●3つのプログラムを利用して復職した「積極的な育休取得者」
栗林真由美さん(株式会社ニフティ勤務/ママボノ経験者・マドレボニータ経験者)
杉本綾弓さん(株式会社meguri代表取締役/ドゥーラ経験者・マドレボニータ経験者)
興梠香里さん(広告関連会社勤務/ドゥーラ経験者・マドレボニータ経験者)

●研究者
藤澤理恵さん(株式会社リクルートマネジメントソリューションズ勤務/研究者・ママボノ経験者)

●各団体代表
宗 祥子さん(一般社団法人ドゥーラ協会)
吉岡 マコ さん(NPO法人マドレボニータ)

●司会進行
嵯峨生馬(NPO法人サービスグラント)

 

 

パネルディスカッション内容

 

パネルディスカッションは、それぞれのサービスを利用した「積極的な育休取得者」より経験談をお話しいただき、それに対して各団体の代表、研究者の方からコメントをいただく形で進みました。(敬称略)

 

産褥期:産休の入口はキャリアを諦めたくない気持ちと不安、そして、産褥期は思った通りにはいかない回復。

 

Q:実際、3人の皆さんはどのような産休育休を過ごされたかをお聞かせください。「産前〜産褥期」にこれは心がけた、もっとこういうことをすればよかったと思うことはありますか?

 

栗林: 2年前に初めて産休育休を取った。産んで復職したらキャリアをあきらめなければいけないとどこかで思っていたが、本心ではあきらめたくなかった。その時、産休前に、ある講演で「子育ては留学期間だから普段学べないことを学べばいい」と聞いて心が軽くなった。産休育休中に、自分にしかできないことをしようと思い、留学期間であるかのように、仕事をしていたらいけない場所へ行き、ママボノなど、復職して糧になるようなことに着目して動いていた。

 

杉本: キャリアをあきらめたくないからこそ、自分で産前に会社を設立して、産後3か月で復職した。仕事のプランニングは慣れていたが、子育てについてはスケジュール通りにはいかなかった。出産時1300ccの出血があり、身体の回復が大変だった。退院して家で2週間ぐらいは鬱状態だったが、ふと客観的に、「このままではいけない」と思い、以前、話を耳にしていたドゥーラさんやマドレ(マドレボニータの略称)さんの存在を思い出して、PCで検索して予約をした。ご飯を作りに来てくれることは、美味しくて、栄養バランスの取れた食事をできて身体のためにも良いことだが、それ以上に「大丈夫、みんなそうですよ」とうまくいかない育児の精神的ケアをしていただけたことが、とても嬉しく、ドゥーラさんには助けられた。

 

宗: 出血量が1,300ccは、かなり多い方ではあるが、回復できる程度の量でもある。しかし正常のお産は500cc以下なので、回復に時間はかかることもある。
産前に、予定日ギリギリまで仕事をして無理をしていると出血が多くなったり、お産がスムーズに進まなくなることがある。妊娠中の過ごし方がとても大切で、健康的な妊娠中を過ごすことで、お産も順調になり、産後の回復も良くなる事を、多くの方に知っていただきたい。

 

興梠: 私は普通に育休を過ごした。一つあったのは、これからのキャリアはどうなるのかという不安。会社の人事制度では最初の10年でキャリアを築くというのがあったが、自分はそこから離れどうなるのか不安だった。若いし準備はいらないと思って出産に臨んだが、回復も遅く、過信していたことに気づいた。また、産後は赤ちゃんを無条件でかわいがれると思ったが、体もきつく、かわいいと思う余裕もなかった。ドゥーラさんが来てくれるようになって、食事を作ってもらうことで助けられた。

 

吉岡: 私自身は18年前に出産したが、このようなセミナーもなく、産んだらすぐ子育てがはじめられると思っていた。そうではないことを育休を取得する方々に教えてあげてほしい。体や心にこういうことが起こるから過信せずに、こういうサービスも使ってほしいと伝えてほしい。そのあたりを拡充することでそのあとの女性の働き方は格段によくなる。

 

産後リハビリ期:産後2ヶ月、赤ちゃん連れでは、外出ですらハードルが高い

 

次に、「産後リハビリ期」ですが、2ヵ月ぐらいたってから、外出などを始めていく時期ですが、そのころのご経験などをご紹介ください。

 

栗林: この期間は、子連れで出かけるということのハードルが高かった。授乳もしていたし、バスで泣いたらどうしようとも思った。今日はここまで行けたとゲームのように少しずつ距離を伸ばした。ママが集うところなど、近所からお世話になり、最終的には、3,4か月のころにマドレボニータに申し込んだ。申し込んだからには電車に乗らなければいけない、という状態に自分を追い込んで無理やりでも外に出た。

 

杉本: ドゥーラの方からマドレさんのことを聞き、行ってみようかと思った。週1回の赤ちゃん連れの外出で、今思えば大したことないが、当時は大変だった。1日外に出ると、次の3日はぐったりなど。定期的に外に出るように意識していた。

 

興梠: マドレさんには、体力面もそうだが、精神的にも助けられた。子どもを産んだ友達が周りにいなかったこともあり、どうやってママ友を作ればいいかもわからなかった。子どもを持たない友だちには、子どもがかわいくて幸せでしょうと、不安を理解してもらえなかった。それを無条件にわかってくれる友達に出会えて、理解をしてもらえて、社会復帰につながった。

 

産後、ママが一人の個として存在できる場は少ない

 

マドレで仲間に会えたことはとても良いことですが、やはり無条件でわかってくれる人は見つけづらいのでしょうか?地域との交流など他にどんなサポートを利用しましたか?

 

杉田: 自分で会社を経営しているため、インターンやスタッフに自宅に来てもらい仕事をしてもらっていた。私がスカイプで打合せしなくてはいけない時に、おむつを変えてもらったり。授乳以外は他の人にやってもらおうというスタンスだった。

 

栗林: 実家の母が良き話し相手だった。ただ、母は母なりの子育てがあり私は私なりの子育て観があり、母が大丈夫といっていることが心配で、見えない所でインターネットで調べたりした。ただ、ネットの情報は玉石混交なので何が本当の情報かを自分では判断できなかった。また、共感してくれる人は欲しかった。児童センターなどにも行ったが、スタッフの人も話してはくれるけど、子どもの髪の毛が長いですねなど、どうでもいい(笑)と思う話を相手に合わせている自分がいた。

 

吉岡: 髪の毛が長いとか、ほんと、どうでもいい(笑)。マドレボニータの教室では、そういう話をしなくてもいいと伝えている。名札もお子さんではなくご本人の名前を書いてもらうし、インストラクターも必ず本人のお名前でお呼びする。赤ちゃんに最大限の配慮をするが、ここは大人の場でまずは自分の話をしてください、と。子どものことや子育ての情報交換をしながらも、一人が個として存在できる場つくりをしている。

 

復職準備期:復職を目前、時間的な制限、子どもの体調、身体など様々な不安

 

ある調査によると、復職に不安を感じると答えた女性が8割に上ると言われています。皆さん復職に対してどれくらい不安を感じていましたのか?また、因数分解するその不安はどういう不安でしたか。

 

栗林: 育休中にママボノをはじめそれなりの経験はできたけれど、復職するというところで本当にやってけるのか、また、産休前よりももっと仕事をしたいという思いはあるが、時間的制約があり、子どもが呼び出されたら帰らなければいけないし、やっていけるのか漠然とした不安はあった。

 

興梠: 不安ではない人はいないと思う。夜が忙しい会社なので時短で戻ってどんな仕事させられるんだろう、コピー取るくらいしかさせてもらえないのでは、熱を出して呼び出されたら? など不安は尽きなかった。

 

杉田: 自分の体が動くのかという所の不安が一番大きかった。産後3ヵ月からの仕事が決まっていたのでそこに標準をあわせて働くことは想定していたが、出産の時に思い通りにいかなかったのでどうなるんだろう、と思っていた。

 

復職準備は、アクティブに動き仕事モードへ。また家事の分担も。

 

復職が迫ってくる中でどういう準備をされたのか? うまくいった準備などについて教えてください。

 

栗林: リハビリ期からマドレに行き、体力がついたのと外に出る抵抗がなくなった。また、育休プチMBAという活動がちょうど立ち上げ時期だったのでそこに参加したりして、復職準備ができたのでアクティブに動けたと思う。

 

杉田: 私はリハビリ期がなく復職した。復帰最初のお仕事は講師業だったが途中で何言っているか自分でもわからず、真っ白になってしまった。リハビリ期は絶対にあった方がいいと思う。

 

興梠: 準備は2つした。夫と家庭内で家事の分担をすり合わせのために、言葉で言っても忘れるので、紙に書いて、タイムシートにして書き起こし冷蔵庫にはっておいた。2つ目は、精神的、体力的な不安があったので、それまでは女友達とばかり会っていたが、仕事で仲良くして頂いていた取引先、復職したら関係するだろう人と会ってコミュニティの場所を広げていった。

 

仕事に生きた復職準備は、時短でも仕事のやり方を変えることで成果は出せるという自信

 

それぞれに準備を進めながら復職に向けて少しずつ慣らしていかれたと思うが、復職期の準備が仕事にどう生きたのか? もう少し掘り下げて教えてもらえますか?

 

栗林: 今、産休前とギアを変更せずに仕事ができているが、時短であっても、仕事のやり方を変えればできるだろうという自信が復職前にできていたのが良かった。というのが、私は妊娠前も通常のプロボノプロジェクトにも参加しているが、その時の成果物とママボノの成果物を比較しても差が無かった。なので、たとえママになっても制約があることで質が落ちるということはない、やり方さえ変えれば仕事はできる、と自分の中で確信できていたのがよかった。
また、IT 会社はかなり業務が集中する時もあって、佳境の時も自分で抱え込まないようにして、チームの誰かしらが分かるような仕事の仕方をしている。それでも、佳境の時はお迎えに行っていられる状況ではないので、パートナー、実家など、二の手三の手を用意するというのが大事だと思った。実際、お盆の時期に娘が熱を出したが、パートナー、実家、ファミサポ、病児保育もだめで、最終手段でシッターを用意してそれで助けられた。

 

藤澤: 栗林さんのお話を聞いていて、復職後は同じ仕事でも「やり方を変える」というところに気付かれたことが素晴らしいと思う。復職した後の女性は復職前の自分と比較して同じように活躍できないことを辛く感じる人が多い。それは若さと時間に任せて仕事をしていた人ほど顕著。
戻った後に起こるさまざまな状況の中で、働く意味やなぜこの仕事をやるのかに揺らぎを感じる人も多い。復職前にシミュレーションをたくさんしておくことで復職後にも活躍できるのは素晴らしいなと思う。休みに入る前に仕事の価値を感じていることも非常に大事。

 

登壇者からのメッセージ:企業が産休・育休中の女性を支援することの価値

 

最後に、女性がこれからも活き活きと仕事をして社会の中でも活躍をしていくにあたって、それぞれからのメッセージをお願いします。

 

栗林: マミートラックといわれているが、誰しも好んではまりたいわけではない。むしろ子どもがいることで仕事へのモチベーションは高くなると感じている。最強の応援団ができるので。復職後に制度を用意してあげて、そのトラックに陥らないようにすればモチベーション高く働けるワーママは多くなる。スーパーママだけが輝く時代というのは終わったと思っていて、意識高くなくたって働いていくし、そのトラックに陥らないようにするというところが大事だと思う。

 

杉本: 多様な働き方が徐々に広がりをみせているからこそ、産前・産後に子育てをしやすい環境を求めて会社の外で活躍するという選択肢が出てくると思う。だからこそ、女性の産前・産後のケア制度を企業が導入することで、優秀・中堅の社員の人材の流出を防げる。いい環境を大手の企業が作ってくださると、仕事を辞めなくても、育児ができるようになり、社会全体が循環的に豊かになっていくのかなと思う。

 

興梠: 復職前は営業職だったのだが復帰後、親子向けのアプリ開発の担当となり、私の経験が活かせるよう配属してもらった。全員にというのは難しいとは思うが、出産の経験がメリットになるような制度やポストを用意してもらえると、女性もモチベーションを維持していけると思う。

 

吉岡: 今日ご登壇の皆さんは不安や不満があったけれど、自分がこうしたいという道を見つけておられる。マドレボニータの教室でも不満や不安が出てくるのですが、「あなたはどうしたいの?」と聞くが答えられない人が多い。日頃、そんな事は問われないし考える機会がないので。でも、産休の時期を活かしていろいろな人に出会ったり、プロジェクトに参加したら、そういったことを考えるきっかけにもなる。普段の仕事ではできない豊かな関わりが持てるというのは産休・育休ならではだと思う。
また、今日の登壇者のように自分から参加できる方はそれでよいが、すべての機会は平等に開かれているべきだし、どんな人でもその人が持っている力を発揮できる社会になって欲しいと思う。今日ご紹介した取組みというのはどれも社会的インフラでもあるので、企業が導入することによって、たくさんの機会が補償される第一歩になるのではと思う。

 

宗: お産を扱う立場から思うことは、助産院にいらっしゃる方の中で働いている方の半分位が、子どもを産んだ後仕事を辞めてしまうが、それはとても残念な事。
子育てをサポートする制度がきちん整備され、産後復職して働くことが当たり前の社会になってほしい。企業の担当者の方々も企業内で制度を整備し、子育てを支える役割を担っていただきたい。

 

藤澤: 女性のインフラは整ってきているので、次は男性。パートナーの家庭進出次第で女性の仕事での活躍はかなり異なる。女性だけが育児のために労働時間や能力発揮を大きく制限する状況は、女性側を雇っている企業の資源を、パートナーが働いている企業が搾取しているとみることもできる。男女ともに、時間と場所が制約とならないようなITツールや評価制度も重要。また、育休を機に別の環境での経験を積んだ社員が、オープンイノベーションを起こす役割として登用されていったら良いと思う。男女問わずネットワークを外に広げていくことをもっと推奨することで、積極的な育休活用の促進は、福利厚生にとどまらず、社会のイノベーションにつながっていくと思う。

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